✨はじめに✨
はじめまして。 静岡県静岡市清水区興津地区で果樹園を経営しております『杉山農園』と申します。小規模ですが、柑橘類を中心に栽培しております。
温州みかん(青島温州・米沢温州)・ポンカン(太田ポンカン)・清見オレンジ・ビワ(田中ビワ)の生産販売農家です。
旧東海道の難所といわれた薩埵峠(さったとうげ)からの富士山と駿河湾の景色は、歌川広重の浮世絵『東海道五十三次・由比』にも残されるほどの絶景と呼ばれていますが、当農園は、その薩埵峠に近く、静岡市南部のめったに雪の降らない温暖な気候の中、駿河湾を臨む日当たりの良い山の斜面で潮風を受けながら果樹を育てています。
1年を通しての収穫時期は、ビワは6月、すっぱみかん(摘果みかん)は夏~秋、早生みかん・青島みかん・米沢みかんは11月〜1月、ポンカンは12月、清見オレンジ・レモンは2~3月となります。
✨農業とその経営の難しさ✨
私は義父の農園を引き継いで就農してから4年目を迎えました。
まだまだ失敗してしまうことも多く、素人の域からはなかなか抜け出せませんが、日々の農作業をできる限り頑張ろうと思っています。
新米農家としての座右の銘は『失敗からこそ学ぶものがある』です。
また、小規模だからこそできる丁寧な手作りの良さにこだわりたいとも思っています。
しかしながら、もともと第一次産業としての農業は利益率が低く、収益がなかなか上がらないのですが、それに加えてここ最近は戦争による肥料の急激な高騰、各資材費、肥料や農薬、燃料費、輸送費の高騰など、農家の継続、経営存続の危機が間近に迫ってきているのをひしひしと感じています。
✨たとえば興津びわ栽培の現状✨
駿河湾に面している山の斜面という独特な気象条件が生み出す、大粒で濃厚な甘みが特徴の由比倉沢びわや興津びわは、出荷量が少なく旬の期間が短い(6月の上旬から2〜3週間程度)ために、地元でも昔から『幻の味』と言われるほど希少価値の高い果物です。
興津びわの品種は田中びわ。大玉(大きなもの)は手のひらに収まるくらい、100g以上になります。
びわの栽培は、すべて手作業で行います。びわの果実は非常にデリケートなため、ほんの少し傷がついてしまってもそこからすぐに傷んでしまいます。そのため一つひとつの作業は、果実には直接触れないように、果実を傷つけないように注意しながら丁寧に行います。
また、びわは寒さに弱いため温暖な土地でないと栽培できず、果実がこごえてしまう冷蔵保存はできません。旬の時期にしか食べられない貴重な果物であると言えるでしょう。
山の斜面のびわの木によじ登ったり、ハシゴや脚立を使って行う冬の摘蕾、春の摘果と袋かけ、6月の前半2週間で行う収穫・選別・パック詰め・出荷など、実に手間ヒマのかかる仕事になりすが、美味しいと言ってくださるお客様の言葉を支えにしながら頑張っています。
しかし、こういった作業には危険も伴い、特に高齢者にとっては大変な仕事になります。そのため以前は数十軒もあったはずの興津のびわ農家は、従事者の高齢化に伴い、年々その数を減らしています。
私が就農した年は15軒、一昨年は12軒、昨年からは10軒だけになってしまいました。このままでは興津びわは近い将来には市場に出回らなくなってしまう可能性があります。そして、耕作放棄されて、きちんと管理されなくなってしまった果樹園は、そのままでは荒れ果てていく一方です。
✨農業の未来を考えると✨
第一次産業として大切な役割を担っている農林水産業は、その従事者の高齢化が進んでいます。私の地区でもみかんやびわ農家の数は毎年減っており、残念なことに放棄されて荒れ果ててしまう農地も増えてきました。また、若者が第一次産業には足を向けない傾向がますます強くなっていると感じています。
新規就農者が減少していることを考え、少しでも農業に興味関心をもってくれる人が増えるようにと、当農園は観光農園では全くありませんが『農家のお手伝いをしませんか』というテーマで、一昨年からみかんの収穫時期に「みかん切りお手伝い体験」を、昨年からは「びわの摘果と袋掛けお手伝い体験」「びわの収穫お手伝い体験」を、今年は「みかんの剪定お手伝い体験」「みかんの摘果お手伝い体験」などもSNSを通して呼びかけてみました。
知人以外にも、思いのほか多くの方が体験に来てくれましたが、収穫の楽しさとともに、農業を毎日の仕事としてやっていくことの大変さについても感想を残していってくれました。
✨このプロジェクトでは✨
ただ、これまでのSNSでの呼びかけだけではなかなか広がっていかないとも思い、昨年は『静岡みかんの収穫お手伝い体験』プロジェクトをクラウドファンディングでも立ち上げてみました。その結果、関東地方からもわざわざ収穫体験に来てくださった方もいて、私自身の励みにもなりました。
今回のプロジェクトでは、農業体験の種類や内容について、リターンで選択できるように増やしてみようと思いました。ぜひ多くの方に農業体験をしていただき、少しでも農業や農家の仕事、農作物を身近なものにしていってほしいと思います。
✨リターン✨12月は青島みかんとポンカンの収穫お手伝い体験✨
12月は青島温州みかんとポンカンの収穫をお手伝いしていただきます。
青島みかんとポンカンの収穫は、年によって多少の違いはありますが、例年は12月をメインに行います。
専用の果実ハサミを使いますが、ポイントは2度切り。収穫する際に『軸』を長いまま残してしまうと、その軸でほかのみかんを傷つけてしまいますので、みかんを枝から切り離したら、軸をできるだけ短く切り落とします。
あとは優しく扱ってあげれば、みかんが喜びます。
✨リターン✨農業体験、農家のお手伝い体験スケジュール✨
①2024年12月・・・青島みかん・ポンカン収穫お手伝い体験
②2025年2月 ・・・・青島みかんの木の剪定お手伝い体験(片面交互結実栽培)
③2025年3月 ・・・・興津びわの摘果と袋掛けお手伝い体験
④2025年7月 ・・・・青島みかんの摘果お手伝い体験(片面交互結実栽培)
※それぞれの体験内容については、リターン内容の詳細をご覧ください。
✨青島みかんの新しい栽培法『片面交互結実栽培法』について✨
杉山農園では、昨年から一部の青島みかんで試験的に半樹全摘果という栽培法を行ってきました。正式には『片面交互結実栽培』という名称ですが、今年からこのやり方をほぼ全面で採用していくことにしました!
この『片面交互結実栽培』は、高齢化の進むみかん農家の作業の効率化や合理化を目指し、新規就農者を増やすために、長年の研究を経て確立され、今年のJA清水みかん大会にて発表され、今後普及させていくことが確認された確かな栽培法です。
今までの伝統的な慣行栽培から比べると、ビックリするようなやり方です!
片面交互結実栽培とは、一本のみかんの木の真ん中を仕切り、毎年交互に片面だけに実をつけさせる栽培法です。木の半分にだけみかんがたわわに実ります!
就農して4年目の新米農家の自分にとっては、なかなか適正なバランスにならないために難しいなぁと感じていた剪定と摘果ですが、この栽培法ならば、自分にも、また全くみかん栽培を知らない誰にでも簡単にできてしまう!しかも、今までの慣行栽培に比べて、作業時間は短縮、さらに収穫量も多くなるんです!
また、隔年結果(表年と裏年)がなくなり安定した収穫量が望め、木への負担も減るため、木も健康に育つというメリットもあります。
今年は、木の中心を南北で仕切り、西側に実をつけさせるために、冬期の剪定作業では東側の枝を太さ1cm程度のところで切り返し、来年の結果枝の芽を出させるようにしました。
(みかんの木は剪定するとそこからまた芽が出て、その芽に来年は実がつきます)
夏期の摘果作業では、東側についた実を全部摘果しました。木の半分に実をつけさせると、適正葉果比に近くなります。
(青島品種は、葉っぱ25〜30枚に対してみかん1個というバランスにするのが良いと言われています)
剪定も摘果も今までのように経験や技術は必要がなくなったため、何も考えずにできる単純作業になり、作業時間も大幅に短縮できました。だから、経験や知識のない子どもでも簡単にできてしまうんです。
ということで、青島みかんの『交互結実栽培法』の摘果・剪定体験をしてみませんか?
✨リターン✨食品表示法上の表示✨
①青島みかん
カテゴリ:果物・野菜
名称:青島温州みかん
賞味期限/保存方法:お届け後2~4週間/冷暗所にて広げて保存
産地:静岡県静岡市清水区興津地区
②ポンカン
カテゴリ:果物・野菜
名称:太田ポンカン
賞味期限/保存方法:お届け後2週間/冷暗所にて広げて保存
産地:静岡県静岡市清水区興津地区
③興津びわ
カテゴリ:果物・野菜
名称:田中びわ
賞味期限/保存方法:お届け後1週間/常温保存
産地:静岡県静岡市清水区興津地区
④果樹園のジェラート
・カテゴリ:加工食品(国内製造)
・名称:氷菓/アイスクリーム
・成分表示
1.氷菓(シャーベット)
・原材料名:果物、果汁、砂糖、レモン果汁/安定剤(増粘多糖類)、乳化剤
・栄養成分表示1個あたり(推定値)
エネルギー:71kcal/たんぱく質:0.2g/脂質:0.0g/炭水化物:18.5g/食塩相当量:0.00g
2.アイスクリーム
・無脂乳固形分:8.0% 乳脂肪分:8%
・原材料名:牛乳、乳製品、果物、果汁、砂糖/安定剤(増粘多糖類)
・栄養成分表示1個あたり(推定値)
エネルギー:132kcal/たんぱく質:2.5g/脂質:6.5g/炭水化物:16.5g/食塩相当量:0.08g
・内容量:100ml
・賞味期限/保存上の注意:なし/要冷凍(-18℃以下)
・製造者:(株)ファイングローバルサービス/Diolino Factory
静岡県静岡市葵区伝馬町21-13三共トラストビル2F
✨プロジェクトで実現したいこと✨
①収穫体験を通して、農業や農家の仕事、農作物を身近なものにしてほしい。
②清水のみかんの美味しさを知ってほしい。
③フードロスをなくしていくための販路拡大とお得意様の確保をしたい。
④農園の経営継続資金を補充したい。
✨資金の使い道✨
・離農により耕作放棄されてしまうびわ畑を杉山農園で保全管理する費用。
・高騰している肥料や農薬、資材、燃料、輸送にかかる費用の充填。
・収穫体験にかかわる用具や資材の購入費用。
・リターン送料。
・CAMPFIRE手数料。
✨おわりに✨
2021年に義父の跡を継いで就農してからの毎日は、わからないこと、知らなかったことの連続で多くの失敗も重ねてきました。この3年余りで、農業についていろいろなことを学ぶことができましたが、学べば学ぶほど、さらにまたわからないことも増えていきます。
そんな中で次第に第一次産業として大切な役割を担っている農林水産業であるはずの現代の農業が抱えている問題に目が向くようになり、いろいろなことを考えさせられるようになってきました。
たとえば農業従事者の高齢化、離農者の増加、新規就農者の減少、利益率の低さ、フードロスなどなど。中でも特に現代の若者にとっては農業という仕事が魅力ある職種には決してなっていないということを切実に感じるようになりました。
そこで、何か自分にできることはないかと模索した結果が、『農家のお手伝い体験』でした。
農作業の体験を通して、農業や農作物を身近なものに感じ、農業という仕事に興味関心をもってほしい。そこからもしかしたら農業を志す若者が生まれるかもしれないという思いもあって本プロジェクトを立ち上げることにしました。
最後に、これからの農業や農家経営を自分なりに考えたとき、当農園でもアグリビジネスとしての第六次産業化を図っていくことが今後の課題であると考えています。
※杉山農園(代表 杉山郁次)
〒424-0203 静岡県静岡市清水区興津東町773番地
TEL/FAX:054-369-1957 携帯:090-9661-0674
mail:PC:you2810@outlook.jp
携帯:you09096610674@ezweb.ne.jp
ライン公式アカウントID:@osf1917t
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る青島みかんが色づいてきました
2024/11/03 12:59青島みかんが色づいてきました収穫まであと4週間ほどでしょうか果実がだいぶ色づいてきました。片面交互結実栽培法(半樹全摘果法)を行っていますので、片側だけに実がついているのがよくわかると思います。 もっと見る
『果樹園のジェラート』を紹介します!
2024/10/06 08:23SDGsとフードロスへの取り組みのジェラートづくり どんなに愛情込めて丁寧に育てても、病害虫による被害や風雨にさらされてできる傷のある果実は出てしまいます。 例年少しの傷があるだけでもB級品という評価になってしまい、中身は全く同じで美味しいのに、商品としては出荷できない果実が出てしまいます。 当農園では、傷ありの果実を家庭用や訳あり品として安価で販売もしていますが、最近話題になっているSDGsやフードロスの観点からも、もっと有効に活用できるものはないかと試行錯誤してきました。 一昨年から市内の工場に委託製造を始めたジェラートが意外に好評をいただきましたので、今回のプロジェクトでもそんな果実たちをジェラート(シャーベットとアイスクリーム)という姿に変えて、皆様にお届けしたいと考えています! 『果樹園のジェラート』 主に当杉山農園で収穫した果実を絞った果汁が原材料です。今後は家庭用に育てている野菜を使ったジェラートにも挑戦していきたいと考えています。 果実の旬は短い期間で終わってしまいますが、その旬の時期に、美味しさを閉じ込めて、自然の香り漂うジェラートに仕上げました。 特にシャーベットについては、Diolinoジェラート職人の巧みな技で、果汁の割合を、通常市販されているものの配合よりも圧倒的に増加して配合することができましたので、まるで生の果実を食べているかのような感覚で、果実そのものの風味をサッパリと味わうことができます。 アイスクリームは、シャーベットに比べ果汁の割合を少なくし、乳固形分・乳脂肪分を8%に増量しましたので、濃厚でまろやかな口当たりが楽しめます。※製造委託者:Diolino Factory/(株)ファイングローバルサービス 静岡の地で高級イタリアンジェラートのハンドメイドにこだわり続けているDiolinoディオリーノFactoryです。 ディオリーノのジェラートは原材料に新鮮な牛乳、生クリームを使用し、採れたての野菜や旬の果物をたっぷり使うなど、高品質な手作りにこだわっています。 イタリアの長い歴史の中で生まれた伝統的なジェラートの製法で、なめらかな口溶けと、濃厚な味わいとさっぱりとした後味の良さが特徴です。現在のジェラートメニュー もっと見る
青いみかん『すっぱみかん』がだいぶ大きくなってきました!
2024/09/17 16:46静岡のもったいない精神が生んだ『すっぱみかん』 例えば、果樹を栽培管理していく作業の一つに摘果という大切な仕事があります。 摘果は、まだ実が幼いうちにその数を整理して、品質のよい果実を育てるために行います。果実の総数を減らせば、個々の実に効果的に養分が届き、美味しい果実が育ちます。また、果樹も翌年の花芽作りに養分を回すことができ、木にとっても負担が少なくなることで毎年安定した収穫を望むことができます。 しかし、摘果作業で摘み取られたまだ青くて小さくてすっぱい実は、生産農家が摘果ジュースを作って飲用にする以外、残念なことに、ほとんどが廃棄されてきました。 静岡では今この身近にある捨ててしまう摘果みかんのもったいなさを、なんとかしたいと考え『すっぱみかん』と命名して活用方法を試行錯誤しながら研究開発しています。これもSDGsやフードロスへの取り組みと言えるでしょう。 酸味が強く爽やかな風味のすっぱみかんは、手軽にジュースや果実酒、色々なレシピになります。レモン・すだち・ライムの代わりに使えば柑橘の香り爽やかな飲み物や料理のアクセントにもなります。そのまま食べる人もいますが・・・。 当園では夏場にすっぱみかんをレシピを添えて販売しております。 もっと見る
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