はじめに・ご挨拶
美術家の山口和也です。
私はこれまで絵画をはじめ様々なスタイルで美術作品を制作してきました。そして2020年、コロナ禍で一変した日常、街から人が消え展覧会やコンサートが中止になっていく中で、ある舞台の構想が生まれました。それは無人の大きなホール空間のステージへキャンバスを設置し、その前に描くものを持たずに自らを一人立たせるということ。
2020年7月には、ロームシアター京都 メインホールという劇場の、薄暗く横たわる二千を超える無人の客席を前に、その"BLACKOUT/WHITEOUT"の上演を本番として試みた初上演、翌2021年には同ノースホールにてその初公演をおこないました。(詳細は後記)
世界中の人々が同時に見えないものを恐れたパンデミックという大きな時代の断層、それは一方で何処からか新たな光が射すような感覚を私に授けてくれました。それは「生きる」ということ。その舞台で描かれるもの以前にある、ホールに響くその筆音(ふでおと)にある核心に気づき、その音に焦点を当てた次の舞台を構想しはじめました。
それは音楽の殿堂といわれるコンサートホールでその「生きる鼓動」に直結した筆音を聴くリサイタル(独演会)を実現するということ。そのことを周囲の々に話しはじめると。彼らはまず突拍子もない話だという顔をしたあと、一様に小さく微笑みながらその計画を面白がりそして無邪気な笑顔を見せてくれました。
私のやろうとしていることは美術や音楽の世界における斬新さや芸や技をご覧いただく作品ではなく、誰もが「生きている」というその鼓動から直結した一筆、その筆音を重ねていくリサイタルです。そしてその音が集積された痕跡を私は初めて、これは絵画であると呼ぶことができました。
やがて様々な人との出会いがあり、夢のように語っていたリサイタルの公演が、2024年10月31日(木)にザ・シンフォニーホールという最高の舞台で決定しました。春からこの日へ向けて、多くの方々の力を結集しながら現在もその準備を進めています。タイトルは”Recital Sky”としました。下を向いた笑顔のない時代へ向けて。
全ての人が「生きている」ということ。
ただ、その音をお届けできたらと願います。
”Recital Sky”を実現し、その舞台を記録した作品集を制作、そしてこの舞台で誕生した絵画をご覧いただく個展を開催したいと考えています。お力添えいただけますと幸いです。
皆さま、初めまして。「空花(くうか)」と申します。
私たちは多岐にわたる美術家 山口和也の活動をサポートするため2020年に発足しました。近年の舞台公演をはじめその活動の規模は、個人で制作していた頃の作品とは異なり年々大きくなってきています。
今では様々な特性を持ったメンバーとひとつのチームを組んで取り組む事業となり、山口が一貫して求めてきた「瞬間の集積によって垣間見ることのできる永遠」の表出へと歩みを進めています。それは常に不確実性、即興性を伴った試みでもあります。
とりわけ今回の”Recital Sky”では、舞台芸術の世界において経験の豊富なメンバーを迎えて更なる高みを目指す大きな挑戦であり、その公演の実現やこの歴史的なリサイタルを記録し作品集の制作、誕生した絵画による個展開催には多くの資金を必要とします。
ご賛同頂ける皆様と共にそれら実現させるべく、クラウドファウンディングを立ち上げました。不慣れな点もあるかと思いますが、支援者様との窓口を空花が務めさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
このプロジェクトで実現したいこと
クラシック音楽の殿堂 ザ・シンフォニーホール(大阪)のステージに美術家 山口和也が一人立ち、そのパーカッションのような筆の音を素晴らしい音響のホール空間へ響かせる"Recital Sky"。またその音は痕跡となって画面に刻まれ、最終的には一枚の絵画が誕生します。この世界初のリサイタル(独演会)初公演を開催します。
またその歴史的な舞台公演の記録を写真や映像、録音によって記録し、一冊の作品集と映像作品として仕上げたいと考えております。またその日に描かれた絵画によるインスタレーション(空間芸術)の開催を実現することを目標としています。
Recital "Sky" 概要
名称:Recital "Sky" at The Symphony Hall
開催日時:2024年10月31日[木] 19:00開演 (18:00開場) 21:00閉場
公演時間;約70分 +絵画鑑賞
開催場所:ザ・シンフォニーホール
〒531-8501 大阪府大阪市北区大淀南2丁目3-3
代表 : 06-6453-1010
総合ディレクション/出演:山口 和也 l Kazuya Yamaguchi
企画/制作:空花 l Kuka
舞台監督:夏目 雅也 l Masaya Natsume
音響:東 岳志 l Takeshi Azuma
チケット:前売一般 5,000円 前売学生3,000円 当日5,500円(一般・学生共)
※全自由席|◎パンフレット/次回展覧会入場チケット付
※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
購入:ザ・シンフォニーチケットセンター
06-6453-2333(11:00-16:00/火曜定休)
Peatix
主催/お問合せ:空花 kukatakasago@gmail.com
協力:ザ・シンフォニーホール
後援:公益財団法人 関西・大阪21世紀協会
"Sky"への歩み
2020 筆音のリサイタル
世界がパンデミックに陥った2020年、展覧会やコンサートが軒並み中止になっていく中、美術家の山口和也はロームシアター京都メインホールという劇場を闇と光という視覚を拠り所とできない空間へと演出し、そのステージの只中に設えたキャンバスの前へ一切の描くものを持たずに自らを立たせる”BLACKOUT/WHITEOUT #0“という無観客上演を試みました。 薄暗く横たわる二千を超える無人の客席を前に一人ステージに立った山口は、あたかも宇宙空間における個の生命体を象徴するようであり、最初に聴こえてきたのはホールに響く自らの足音や息づかいであったと言います。そうした自身のリズムをきっかけとして山口は一筆目をキャンバスへ刻み、ホール内にこだましたその筆音がまた次の一筆を誘いました。一時間ほどしてステージを降りたあとには描かれたそれら音の痕跡が残り、山口はそれを絵画と名付けました。 結果としてこの試みは、音楽や絵画、芸術といった言葉やジャンルが誕生する以前へのアプローチとなり、それはまた人がこの世に誕生してから去るまでの「生きること」そのもののようでもありました。翌2021年に同ノースホールでの”BLACKOUT/WHITEOUT #1“初公演を終えた山口は、その筆音による「生きる鼓動」を人の一生とした独演会(リサイタル)の準備をはじめました。
2024 新たなリサイタルへ
筆音のリサイタルに相応しい会場を求めた山口は、2022年に ザ ・シンフォニーホールの音楽総監督 喜多弘悦氏との出会い、2023年3月13日その序章となる展覧会「絵画というリサイタル」を本ホールでは初となる美術家の個展として実施し好評を博します。その舞台挨拶で喜多氏から「山口さんがこのホールに立てば何か新しい芸術が生まれるのではないか」という一言がありこのたびのリサイタルが決定しました。タイトルを”Sky”とあらためた初公演となります。一人の芸術家がクラシック音楽の殿堂といわれるコンサートホールで、筆音によるリサイタルを開催した前例は世界でもなく、”Sky”は世界初のリサイタルとなります。
美術家 山口和也
瞬間的な痕跡によって永遠性を描きだす美術家。音楽家と一対一でステージに立ち、その間合いを焦点とした即興で描かれる絵画"KAKIAIKKO"で、2000年 関口芸術基金賞グランプリを受賞。副賞として滞在したニューヨークで日本画家千住博の依頼を受け、アトリエでの制作風景を五年間撮影、二冊の写真集を刊行する。2008年からはボクサー辰吉丈一郎の撮影を続ける。2016年 普照山観音寺本堂 (兵庫)へ天井画「鳳凰図」を描く。2018年 日本で唯一の紙祖神を祀る 岡太神社・大瀧神社(福井) の「千参百年大祭・御神忌」にて「絵画点火式」を奉納。同年 一休禅師を開祖とする大徳寺真珠庵(京都) の本堂襖絵「空花」を描く。2019年 アルマーニ銀座タワーでのライブペインティングにて”Letter to G.A."を描く。2020年ロームシアター 京都にてリサイタル”BLACKOUT/WHITEOUT” #0を無観客上演。翌年 同#1を初公演。2023年 ザ・シンフォニーホールにて個展「絵画というリサイタル」を開催。
受賞歴: 日本ビジュアルアート展 特別賞、フラッグアート展 日比野克彦賞、関口芸術基金賞 (TAMON賞 ) 大賞、高砂市文化奨励賞など
2000年までの代表作
The Symphony Hall
ヘルベルト・フォン・カラヤンをして「世界一の響き」「楽器の中にいるようだ」と言わしめたザ・シンフォニーホールは、1982年に開館した「日本初のクラシック専用ホール」です。以降40年の歳月のなかで数々の名演が生まれたこのホールで2023年、初めての美術家による個展「絵画というリサイタル」が開催されました。そして2024年、初めての美術家によるリサイタルが開催されようとしています。
リターンについて
10.31当日のライブフォトや”Sky”そして”Blackout/Whiteout”の作品集など、様々なリターンをご用意しました。
今後も「10.31The Symphony Hallで描いたドローイング」「ポートレート撮影」「レセプション参加チケット」など、リターンを追加予定です。ぜひチェックしてみて下さい。
最後に
絵画を描く際の筆音(ふでおと)は、これまで絵画制作における副産物に過ぎませんでした。
山口はなぜその筆音に宿る「生きる」核心を見いだすことが出来たのでしょうか。それは1999年に小さなライブハウスのステージにはじまり、少しづつ変化させながらも、事前に描くものを準備せずにステージへ上でおこなう絵画制作というスタイルを一貫して25年前から継続してきたからこそではないかと思います。
それは人々の眼前に自身を立たせながらも、そこで芸や技を披露するのではなく、刻一刻と変化していく瞬間において常に何が正解か否かを判断しなければならない非常に即興性・不確実性が高い舞台公演です。
文章にすると特別な芸術家が困難に挑んでいるようになりますが。実は「生きること」そのものであると山口は話します。誰もがそのように日々 命を燃やしていると。
このたび最高の舞台で初講演を迎える Recital "Sky" は、山口だけが成しえる特別な表現ではなく、誰もがひとつの生命体として奏でている「生きる鼓動」に直結したリサイタルです。
その夜、ザ・シンフォニーホールにどのような音が響き、絵画が誕生するのか。時間の許される方はお立ち合いを、またそれが叶わぬ方は是非その記録を目撃頂けましたら幸いです。
【お問合せ】
ご不明点がございましたら contact@yamaguchikazuya.jp までお問合せ下さい。
最新の活動報告
もっと見る9メートルの絵画が誕生しました
2024/11/13 21:23絵画 Recital "Sky" at The Symphony Hall 2024今回の舞台で山口が準備したキャンバスは全長9メートルという巨大なもの。一枚ものでは運搬できないので四分割のパネルになっています。その一枚が幅225cm×高さ173cm。それでもなかなかのサイズですが、そこへ貼る和紙を山口は特注で越前の工房へ発注し、原料を黒く染めるところからその制作がはじまりました。一枚を漉くのにも四人がかりです。そしてその和紙をパネルに貼る作業にも大きなスペースが必要で、今回は亀岡市にある武家屋敷を使わせていただきました。そして中央には一筋の光。これは「時」を表しています。そんなこんなで、公演当日には舞台上で約70分ほどの限られた時間の中、山口は9メートルの絵画「Recital "Sky" at The Symphony Hall 2024」を奏で、描きました! もっと見る
【ご報告】Recital "Sky"初公演が終了しました!
2024/11/13 20:45ザ・シンフォニーホールでのRecital "Sky"初公演を終えました。こちらのクラウドファンディングをはじめ、様々にお力添え頂きました皆様、ご来場頂きました皆様に感謝申し上げます。"Sky"では、舞台へ上がるまで何を描くのかどんな音を奏でるのかを決めておらず、一瞬一瞬が天や地への道標を内包していますが、不思議と緊張することはなくどこか懐かしい場所へ帰るようにザ・シンフォニーホールの響きの中へ身を置くことが出来ました。公演中は客席に背を向けていますので背中で気配を感じるのみですが、終演後にお辞儀をした際にいただいた拍手がどっしりと重くしばらく頭を上げることが出来ませんでした。「不思議な空間」「75分が一瞬に感じた」「言葉では表現できない心地良さ」ほとんどの来場者がそういった感想を伝えてくれました。宇宙に響いた最初の鼓動。その波の中を今も生きているような気がします。この夜のRecital "Sky"初公演は音と映像、写真によって記録され、来春頃この舞台で誕生した幅9mの絵画と共に、作品集や映像作品として皆様へお披露目したいと考えております。またそれらの実現へ向けた資金をこちらのクラウドファンディングにて11月17日まで募っております。本日新たなリターン(大徳寺真珠庵での坐禅会や初公演のポスター)もご用意しました。ご一考いただけますと幸いです。引き続き宜しくお願いいたします!山口和也撮影:井上嘉和 もっと見る
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