売り切れになってしまったけれど、紹介したいので書きます。
五月女さんとハルカさんに出会ったのは、2020年の11月、五月女さんの自宅展でした。移住してすぐだった私は、都会で自分を守るために身につけたイガグリみたいな衣をまとって、五月女さんが住む古民家にお邪魔しました。昔ながらの三和土の土間や、和室に並べられた美しい器には草木が生けられていて、思わずひとつひとつ見入ってしまいました。
そして訪れていた人たちみんなで卓を囲み、お茶を飲みながらお話しを。みんながぱかっと心を開いて話せるふたりの暖かい空気に、私も気づけば蒸し栗のようにほくほくとした気持ちでお茶をすすっていました。
いつも暖かく迎えてくれるふたりに、また訪れたくなる。五月女さんたちにはそんな魅力があります。
今回クラウドファンディングで応援してくれる人へのリターンを選ぶにあたって、自分たちが応援していて、かつ自分たちを応援してくれている人の商品にしたいと思った時に、真っ先に思い浮かんだのが五月女さんたちでした。
五月女さんの花器は、野の草花がよく似合います。
子供にとって、道で見つけた花や、祭りでもらったビー玉や、セミの抜け殻なんかが宝物に見えたりします。でも大人になるにつれて、ブランドの服やカバン、時計なんかに価値を感じるように。
6歳だった私は近所で拾った青いきれいな石を、宝物として大事に引き出しにしまっていました。あの石、私どこにやっちゃったんだろう。
田舎に暮らすようになって、少しずつまた「宝物」を見つけられるようになってきた気がします。河原で拾った流木、森で見つけた木の実、聞いたことがない鳥の声、畔に咲く花、空を行く雲。自分の目がそう見えるならこの世界は宝物でいっぱい。
五月女さんの器には、花屋さんの花だけではなく、あなたが道端で見つけたあなただけの「宝物」をいけて欲しいです。