注目のリターン
もっと見る10,000円
【お礼のメッセージ】 感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。 また、ぜひ直接、建物および敷地を紹介させていただきたいと思っています。近隣にお住いの方はご都合の良いタイミングでご連絡ください。遠方の方は、ぜひお近くに来られる時にご連絡ください。
支援者:11人
お届け予定:2024年12月
5,000円
残り5【カツオさんのお米5kg】 近所でお世話になっているカツオさんが作ったお米です。 上伊那は寒暖差が大きく、水もきれいでお米が美味しいと言われています。特に山に近い地域では、山の水を使っていて、このカツオさんのお米も萱野高原の水で育て、ほとんど農薬や肥料も使っていないそうです。 リターン時に精米してお送りします。(私たちの好きな七部づきにしてお送りします。玄米、白米など希望があれば備考欄にお書きください。)
支援者:10人
お届け予定:2024年12月
3,000円
【お礼のメッセージ】 感謝の気持ちを込めて、お礼のメッセージをお送りします。
支援者:9人
お届け予定:2024年12月
◆ネクストゴールを設定しました!(11.04 追記)
公開から1週間、目標の50万円を達成しました!応援していただいたみなさん、本当にありがとうございます。引き続き多くの人に知ってもらうため、そしてまだまだ残っている工事を完了させるために、ネクストゴールを150万に設定しました。引き続きよろしくお願いいたします!
---本文---
1.はじめに
長野県南部にある「伊那谷」エリアは中央アルプスと南アルプスに囲まれた穏やかな場所。
晴天率が高く、年中気持ちいい空に雲が浮かんでいます。
そんな場所に私たち夫婦が移住したのは4年前のことでした。
ご縁に導かれて伊那谷に訪れた私たちは、この景色と地域の人たちの優しさに惹かれて、この地に根を下ろしてみることを決めました。
そして3年間探してやっと見つけた古民家は、母屋のほかに牛小屋、蔵門、4段の田畑と2000坪の山が付いたまるで里山を凝縮したような素敵な場所でした。
4年半前の今頃、都会の会社員生活の中でこれからの生き方に迷い、ふたりで世界一周の旅に出ようと退職するも、世界的なウィルスの流行により断念、これからどうしたものか…と途方に暮れていた私たち。
そんな時に色んな地域の宿を訪れてお話を聞かせてもらい、その地域の人たちと交流させてもらった経験から、宿というのは観光のついでにただ泊まる場所、ではなくその地域に入っていく入り口にもなっていると感じました。
そして伊那谷に来て私たちは、無条件に、まるで抱きしめるように認めてくれるたくさんの人に出会い、ようやく自分たちにとっての幸せな生き方を考えられるようになりました。
伊那谷には有名な観光地は少ないですが、穏やかな景色と人の優しさにあふれたとても美しい場所だと思っています。そんな大好きな伊那谷を一望できるこの場所にたくさんの人に訪れてもらい、この土地の魅力を知って欲しい。そしてゆったりとした時間の中で、自分や大事な人とのひとときを過ごして欲しい。
そんな風に一人でも多くの皆さんに宿と伊那谷を知ってもらうために、クラウドファンディングをすることを決めました。
少し長くはなりますが、これまでの取り組みや宿の紹介、そして私たちの想いを書かせてもらったので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
2.古民家との出会いとこれまでの改修
築140年の古民家宿を購入したのはちょうど一年前の昨年9月。地域の方からの紹介でした。
夫純也は箕輪町地域おこし協力隊になり、空き家探しの為のチラシを配ったり声掛けをして、50軒以上の空き家を検討してきましたが、どこもご縁が無かったりピンとこなかったり。
この地域ではもうご縁がないか…と半ば諦めかけていたある日、数年前に相談していた方からお電話が。
「上の家空いたぞ、見に来い。」
見せていただいたのは、まるで私たちの理想を詰め込んだような場所でした。まさかこんな素敵な場所が箕輪町にあったなんて。持ち主の方のご好意もあって、あれよあれよという間に購入に至りました。
自分たちは宿泊業の経験がなかったので、まずは数百万円程度の少額で改修し、早めに宿としてスタートさせるつもりでした。
しかしいざ土台を確認してみると、予想以上に傷みが大きく、大きな家を支えるにはなんとも心もとない状況だと判明…。能登半島地震があったこともあり、宿泊してくれる人達が安心して過ごすためにも土台を一からやりなおすことに。
床も壁も天井もすべて解体し、夫婦2人、手作業で床下の土をバケツ600杯分運び出すところから改修がはじまりました。
信頼できる大工さんと共に、できるだけ自然素材を使った「産廃にならない家づくり」を目指して、私たちも日々作業をしてきました。私は電気工事士の資格を取って、天井裏で真っ黒になりながら電気配線もしています。
できれば多くの人に関わってもらって、楽しみながら宿づくりをおこないたいという思いから、漆喰塗りワークショップなども開催し、延べ60人以上の方が参加してくれました。
どの壁を見てもあの時あの人が塗ってくれた壁だなぁと愛着が沸きます。
古民家は140年の時を経て、全体的にゆがみもあり、床も傾いていました。どこを直すにも微調整が必要で、大工さんもとても苦労していました。もしかしたら更地にして新築にしてしまった方が楽だったかもしれません。
それでも地域の人からこの家の歴史や想いを聞くと、やっぱり大事に直してきて良かったなと思います。
家づくりって、自分や世界との向き合い方にも似ている気がします。
この地域でも、ゆっくりと朽ちていく古くて大きな空き家が目につきます。新しい家はきれいで快適だけれど、この土地の風土や文化とは関係ない画一的な家が建っていく様子に、いつか「この土地らしい景色」は消えてしまうような淋しさを覚えます。
またある時、安い古民家だからと、数年しか持たないであろう直し方をしている現場を見て胸がざわざわしてしまった経験から、家というのはただの個人の所有物ではなく、その土地の一部なのだと強く思うようになりました。
この家を建てた人は、きっと孫までずっと暮らせる家を建てたのでしょう。私達もその想いを受け継いで、せめてあと50年はこの土地に残るようにと、当初予定していた3倍以上の時間とお金をかけて直してきました。
長かった工事も最終局面を迎え、母屋はまもなく宿泊できるよう最終工事に入っています。
●日々の様子はこちらのinstagramから
3.施設の紹介
母屋には私達夫婦も同居していますが、水回りや玄関を分けているので、家族やグループ水入らずでも楽しんでいただけます。(もしご希望があれば、一緒に食事をつくって夕食を共にすることもできます。)
お客さん用のスペースは、約20畳のリビングダイニングキッチン、8畳の和室と、10畳の和室、広い縁側、専用のトイレとお風呂になっていて、6名まで宿泊可能となっています。
広いキッチンは自由に使っていただけるので、家族やお友達と地域の食材を使ったお料理を楽しんでいただけます。近隣には大型スーパーがあるので、食材やお酒の買い出しには困りません。
子ども連れにも来て楽しんで欲しいという思いから、「ヌック」というおこもりスペースも作りました。
ゆっくりと本を読みたい人にもおすすめです。
梁や畳など、古民家らしさは残しつつ、快適に過ごしてもらえるように水回りやリビングなどは使いやすいデザインにしました。
子どもや赤ちゃん連れの家族にも快適に利用して欲しいので、母屋には新しいユニットバスを入れました。
でもせっかくなら、伊那谷を一望できる場所でお風呂に入って欲しいという思いで、同年代の伝統工法の大工さんに、伝統工法の薪風呂小屋をつくってもらうことにしました。
小さな石場建の小屋には木曽で作られたヒバの風呂桶があり、窓を下げると伊那谷の絶景が一望できます。私の希望で、窓にはビールを置けるようになっています。
昔は当たり前だった薪風呂も、今では珍しくなりました。かつて薪で風呂を焚いていた近所のおじちゃんたちはみんな口をそろえて、薪だと体が芯まであたたまる、と言います。
泊まりに来てもらった方には、自分で薪を追加したり、トトロのワンシーンのように家族で入ってもらったり、一人でビールを飲みながら入ってもらったり、そんな楽しみ方をしてもらいたいです。
私達にとってもはじめての宿泊業。
一棟貸しとは違ってオーナーである私たちも住む形になるので、どうすればお客さんにも私達にも快適な場所にできるか、正直これから試行錯誤していく必要があります。
まだまだ自分たちも宿も完璧ではないですが、泊まりに来ていただいたみなさんと一緒にじっくりと育てていきたいと思っています。
4.私たちの想い
会社を辞めて世界一周の旅に二人で行こうとしたのは、「幸せ」が何かを探しにいくためでした。
「そんな青い鳥を探しに、みたいな…」と笑われそうですが、その頃の私達には切実な問題で、そして今でもとても大事なことだと思っています。
この文章を読んでくれている方の中には、日々忙しく働き、自分の幸せを考える余裕がない人も多いのではないかと思います。他人のモノサシで生き方やあるべき姿を測られる中で過ごしていたり、あるいはすべてを効率性や合理性ばかりで判断していると、自分が本当は何に心地よさを感じるか、何が自分にとっての幸せか分からなくなってきます。
すべての人にとって田舎で暮らすことが正解だとは思っていません。けれど、すべての人が「自分でいてもいい場所」を持てたら、苦しくなった時に逃げてもいい場所があれば、社会は今よりちょっぴりよくなると思っています。
この宿が、そして伊那谷が、訪れてくれた人にとってそんな場所になれば嬉しいです。
5.これからの構想
広い敷地は毎日の草刈りだけでも大変…そこで伊那市でも活動する「とちどちランドスケープ室」のお二人に相談し、私達の想いや、土地の植生、歴史などからデザインをしてもらいました。
現代では活用されず伸び放題になってしまった森や、広すぎて草刈りするだけで疲弊してしまう畑を、かつてのような暮らしの一部としての里山として、場づくりをしていきたいと思っています。
それほどまだ農業の経験はないけれど、地域の方に教えてもらいながら自給用の米や野菜を作り、鶏を育て、木を切って薪を自給する暮らしを目指しています。
ほかにも
・蔵を宿泊スペースに改装
・食品衛生を取得して朝食やBBQセットの提供
・たまにシェアキッチンとしてランチの提供
・外で映画上映会をできるように整備
・外にウッドデッキをつけて気軽に寝転がれるように
・牛小屋を直して雨でもBBQが楽しめるようなスペースに
・かわいい鳥小屋を作って朝食に卵かけご飯を食べたい
などなど構想(妄想)はどんどん膨らみます!
6.箕輪町と福与区について
伊那谷ばかりをアピールして市町村の紹介していませんでしたが、この宿があるのは箕輪町という人口約2万4千人の町です。東京、名古屋からはそれぞれ2時間半~3時間半ほどで来ることができます。
じゃらんで3年連続1位になった「もみじ湖」(11月上旬が見頃)や、東京ドームほどの広さの「赤そばの里」(9月下旬~10初旬が見ごろ)が有名です。
純也(夫)がかつてもみじ湖のボランティアガイドをしていた時に、来場された方の多くが、帰りの食事や宿泊は諏訪湖周辺や松本市に行かれている状況を知りました。箕輪町や伊那谷にもたくさん魅力があるので、うちの宿に宿泊いただいて、伊那谷での食事や他の観光を楽しんでもらいたいと考えています。
そんな箕輪町の中にある福与区という地区にこの古民家宿はあります。
「福を与える」というなんとも縁起の良い名前のこの地区は、町の東側に位置し、かつて縄文人が住んでいたため土器や貝塚が見つかっており、また福与城址という城跡もあります。
個人的に大好きなのは、宿から歩いて10分のところにある、「観音原」。個人が所有されている敷地ですが、いつもきれいに草が刈られ、昔ながらの棚田があり、トトロの世界に迷い込んだような気持ちになります。朝の散歩や、ピクニックもおすすめです。
萱野高原(1200m)の登り口もあり、軽い登山を楽しんでいただけます。元旦にはご来光を見に頂上に登山される方も。また、この古民家の本家でもある「雅秋園」さんも毎年秋に美味しいブドウやナシの直売をしている人気のスポットです。
ぜひ泊まりに来られた時は箕輪町や福与もお楽しみください。
7.リターン
リターンとして、①宿泊、②応援のみ、③伊那谷の商品、④そのほか、の4種類をご用意しました。
①の宿泊チケットと、③の伊那谷の商品について、詳しく説明します。
それ以外については各リターンをご確認ください。
先行予約特典付き(お風呂付/素泊まり)の宿泊チケットになります。
通常予約は1月ごろから開始する予定です。このリターンでの特典としては、12月からの先行予約が可能な点と、2025年12月31日までの予約が可能です。(通常予約では3か月先までの予約となります。)
ゴールデンウィークやお盆、もみじ湖の時期など人気の時期を先に予約することができます。
金額は、薪風呂利用料を含めると、通常予約より少しお安くなっています。また、ハイシーズンや土日などの割り増し料金はかかりません。
※簡易宿所営業許可取得済み
<!!ご注意!!>
虫:昔ながらの作りを生かした古民家です。縁側の木製建具は隙間も多く、また後ろに山があるため、虫はたくさんいます。できるだけ快適に過ごしていただけるように対策を考えていますが、自然と共生することにご理解いただける方に泊まりに来ていただきたいです。
猫:かわいい猫を飼う予定です。
応援してくださる方に、私達を応援してくれて、かつ私達が応援したい人たちの商品をリターンにしました。
●五月女さんの花器
五月女さんたちには、移住してすぐに開催されていた、五月女さんの自宅展で出会いました。そこにいる人たちがみんな心をぱかっと開けてお話できるふたりの雰囲気に、さらに伊那谷が好きになりました。そして何か不安があるたびに「いいじゃん、それでいいんだよ。好きなことやったらいいんだよ。」という言葉に何度も背中を押してもらいました。
五月女さんの器は道端に咲く草木や枝がとても似合います。名前も知らない道端の小さな花も、都会のコンクリートの隙間から生える草も、ぜひ摘んで生けてみてください。
●KANCA農園さんのリンゴ/リンゴジュース
伊那市と箕輪町に農園を持つKANCA農園さんのリンゴと、そのこだわりのリンゴを絞ったジュースのセットです。
KANCA農園さんでは、できるだけ化学農薬や化学肥料を使わず、微生物を生かした栽培方法を実践しています。
畑にもお邪魔しましたが、ずっといたくなるようなとても気持ちのよいリンゴ畑でした。
●jojoniの木のケース
伊那市高遠できこりをされている盛木材さんでは、個性豊かな広葉樹の板や、商品などを販売されていて、我が家でもくるみの木のデスクやまな板に使っています。林業のイベントを一緒に企画・運営をさせてもらったこともあり、木の種類のよって特性や表情が全然違うことを教えてもらいました。
木のケースは、ちょっとした小物入れや、アロマディフューザーに。セットのオイルの原料である赤松は、この地域によく生える木で、香りがよく、我が家のフローリングも地域の赤松を使っています。疲れたときに癒される森の香りを、ぜひ楽しんでください。
●カツオさんのお米&大原農園さんの平飼い卵
2軒下の家のカツオさんのお米と、伊那市で養鶏をしている大原農園さんの平飼い卵のセットです。
カツオさんはとても気のよいおじさん。福与区の中でも山に近い一部の田んぼでしか行われていない萱野高原の山水で育てたお米で、ほとんど農薬も肥料も使っていないそうです。
大原農園さんは卵の直売もされているこの地域の有名な卵屋さんで、濃厚でうま味があります。
卵かけご飯で召し上がれ。
8.資金の使い道とスケジュール
現在のところ、以下の費用が掛かっています。
・土台/内装工事900万円
・水回り工事500万円
・設備費用、その他 300万円
…当初の予算の3,4倍…😨。銀行にも借り入れをしてなんとか進めていますが、残っている工事にもまだまだお金が掛かってきます。
みなさんから支援していただいた資金についてはそのうち、
・リターンの代金(宿泊費、商品代、送料、クラファン手数料など)
に充てるほか、残った資金で
・薪風呂小屋の建築
・飲食店営業許可用キッチンの改修
の一部に充てさせていただきます。
9.さいごに
会社員だった時、「豊か」という言葉は「物質的に豊か」であるとか、「お金をたくさん持っている」という意味かと思っていました。伊那谷に来て、ただ田んぼの畔を散歩する、拾った木で焚火する、友人たちと料理をつくり食卓を囲む、そんなことにしみじみと豊かさを感じます。
人生の目的ってなんでしょう。
前職の社長が「仕事を頑張って成果出してスキルを身に着けなければ、一人でやっていくなんて無理だし、社会の役に立つ人間にはなれない。」とよく言っていました。仕事しながら涙が出てくる状態になった私に、今なら「そんなことないんだよ。」と言ってあげたい。
純也は、名古屋で働いている時に自分が何をしたいのか、どう生きていきたいのか分からなくなり、精神的に辛い時期がありました。伊那谷に移住して少し回復しましたが、今度は「なんの肩書も社会的地位も持っていない自分」に対して呆然とする時期が続きました。
社会のある程度のレールに乗っていると、自分は価値のある人間だと思うようになります。でもそれは反面、”他人”や"社会"に認められる”成功”をしなければならないというプレッシャーになり、そのレールから降りることができなくなってしまうことも。
移住してからも苦しい時期がありましたが、4年経った今、私達はそれぞれ何もない自分もきちんと愛せるようになりました。
私たちは何か突出したものもなければ、人より秀でたものも、立派な肩書もありません。でもそんな私達でも好きな場所で生業を作って暮らしていくことができれば、誰かの勇気に繋がるかもしれないなぁと、そんな風に思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
風香る谷で、お待ちしております!
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相澤純也
新潟県長岡市出身。猫大好き。化学系の専門商社を経て、2021年から箕輪町地域おこし協力隊に。知的障害の兄を持ち、誰にも相談出来なかった経験から、南信州きょうだいの会こたつむりを立ち上げる。自己理解と他者と繋がる方法を模索し、NVCを勉強中。相澤家の繊細担当。
相澤いぶき
沖縄出身の両親のもと、大阪で生まれ育つ。ビールと夕日と毛がふさふさな生き物が大好き。システム会社、イベント企画会社などを経て、現在は個人事業で農福連携をおこなう団体のサポート、ちょこっとデザイン、企画・運営などをおこなう。座右の銘は「人生ネタ作り」と「人間至る処青山在り」。相澤家のたくましい担当。
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もっと見る【お風呂小屋の進捗】②建て方
2024/11/12 11:08それはとっても美しい日でした。大工の息吹君が刻んだ木材をみんなで組んでいく。さっきまで石しかなかった場所に、たった数時間で建物らしきものができ上がってくる。「建て方」とは土台の上の梁や柱などの構造材を立てる作業のこと。前日に据えた6つの礎石の上に、6本の柱が立ちます。木材を組むのに釘やビスは使いません。木材を接合するために、それぞれホゾやホゾ穴が掘られた木材には「い」「ろ」「は」の附番がされています。最後は釘やビスを使わず「こみせん」という木の杭を打って、各木材を固定していきます。気持ちのいいくらいすっぽりとハマっていきます。最後に棟木(むなぎ)という屋根の一番上の材を入れさせてもらいました。棟上げ完了です。残りの屋根貼りは大工さんが。無垢の檜の板葺きです。野焼きの煙が午後の光を散らして、とにかく美しい時間でした。 もっと見る
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【お風呂小屋の進捗】①礎石を据える
2024/11/01 19:00建築中のお風呂小屋の報告をします!今回お風呂小屋を建ててくれたのは、伝統工法の大工さんの伊吹君。あれ、いぶき?そうです、わたくしと同じ名前です。(私はひらがなですが)伊吹君は同い年にして、一人親方として大工さんをしています。2年程前に出会って、いつか伊吹君に家をお願いしたいなと思っていたので、今回外にお風呂小屋を建てよう!と決めた時に真っ先にお願いしました。ちょっと前までは屋号を持っていた伊吹君ですが、今は「肩書きを持たない」ようにしているらしい。それについて私もとっても同意することがあるのでまた今度書きます。さてさて、9月のある日に土台工事を行いました。<土台工事>伝統工法では、「石場建て(いしばだて)」という基礎工事を行います。土を掘って焼杭やぐり石をつめて、その上に大きな礎石を据え、その上に建物が乗ります。つまり建物と土台がくっついていないのです。(一般的な工法だと、枠を作ってコンクリートを流し込み、土台と上の建物は金物で固定されます。)実際に礎石を据える場所を掘ってみると、水が沸いてきました。元々、水はけが悪いなとは思っていたのですが、こんなに水が湧いてくるとは…今後「大地の再生」で水はけ改善も行っていく予定です。家の土台(根太)に使われていた松を焼いて、焼杭をつくり、ハンマーで叩き入れました。松は常に水に濡れている状態(=酸素がない状態)だと腐らないらしいです。木もそれぞれ特徴があって、適した場所で使い分けられます。「木」だけしか知らなかった時より、解像度が上がるのが面白い。田舎暮らしをして広がった世界のひとつです。次に、母屋の土台を直した時に床下からゴロゴロ出てきた石を「ぐり石」として、詰めていきます。しっかり固定するように金づちでたたきながら。途中藁や燻炭なども。てっきり隙間なくびっちり土が詰まっている方がいいのかと思っていましたが、空気が通り有機物が生きる環境の方が安定するとのこと。この作業は石ころ遊びしているみたいで面白い。最後に礎石を据えます。この石も床下や敷地にあったものたち。このあと多少表面をグラインダーで削りますが、できるだけ水平になるように礎石を据えて、周りの土を戻します。買ってきたものじゃなくてその場にあるものでできていくのがとっても面白いし、気持ちいい。2軒下の家のおじさんは、今の家は自分の山にあるヒノキを切って建てた、と言っていました。かつては子孫のために木を植えて、その木やその土地にあるもので家ができて、それがその土地の風景になっていった。でも今は安い外国産材があるから、先祖が木を植えた山は放置されてうっそうとしてしまっていたり。木が育つために約60年。60年後のことなんて誰にも分からないから、難しい問題ですね。世界の変化に追いつくことも大事だけれど、変わらず残していくものも大事だなぁと思うこの頃。さてさて、基礎工事が完了!浴槽の高さはこれくらいに!いい眺めや~伊吹君、こうちゃん、ありがとう!次回は建前です! もっと見る
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