目次
0.はじめに
1.プロジェクトで実現したいこと
2.立ち上げの背景
3.サービスの利用例
4.現在の準備状況
5.リターン内容
6.今後のスケジュール
7.自己紹介
8.最後に
0.はじめに
こんにちは。コナレ代表の大越です。
現在、全国の先生が授業デザインや教材アイディアを共有できる「学校教員向けの教材共有プラットフォーム」(コナレ)を運営しています。
私は、昨年度まで千葉県の私立中学校・高等学校で教員として働いていました。そこでは「どうすれば子供が楽しく単元の本質を学べるか」、「どうすれば授業を通して子供の成長のきっかけをつくれるか」を考えてきました。
しかし、教員の仕事は忙しく、日々の業務に追われる中で、教材準備に十分な時間を確保できないことも多々ありました。その結果、時には授業準備が不十分なまま授業に臨むこともありました。
コナレは、先生方の授業アイディアやノウハウ、経験知を集め、共有するプラットフォームを提供します。これによりそれぞれの教師のもつ知識やアイディアを利用し合い、魅力的な授業を作り上げる糧とできるようになります。
コナレは、全国の教員の知恵やアイディアをつなげ、先生も子供も「毎日の授業が楽しみになる」サポートをします。全国の先生たちが、満足のいく教材研究と授業準備のもと、毎日の授業で子供の成長発達に寄与し、より一層の満足感と充実感を持って日々の仕事に取り組める社会を目指します。
本プロジェクトでいただきました資金は、すべて教材収集費、宣伝費に充てさせていただきます。
応援を宜しくお願いします!
1.プロジェクトで実現したいこと
現在、サービスサイトはほとんど完成しているものの、授業デザインや教材アイディアはまだまだ少なく、実際に使っていただいた際に役に立つレベルには至っておりません。そのため、より多くの授業案を集める必要があります。本プロジェクトでは、そのための資金を募りたいと考えております。
具体的には、次の2点を目的とした資金応援を募ります。
学校教員向けの教材共有サービス「コナレ」における
(1)教材や授業アイディアの収集
(2)(1)を紹介する宣伝動画の作成
※コナレ教材一覧(新着記事)ページ
※授業アイディアのページ(上部)
※授業アイディアのページ(中部①)
※授業アイディアのページ(中部②)
2.プロジェクトの立ち上げの背景
(1)学校現場の課題
現在、学校現場では、日々の業務に追われ、授業の準備に十分な時間を確保できず、授業での子供の成長発達に十分に取り組めていないことによる不満足を抱く教員が多くいます。また、教員の月平均残業時間は96時間ともいわれ(日本教職員組合,2021)、過労死ラインとされる80時間を大きく超えています。こうした多忙さや授業への不満足は、教員のメンタルヘルスに悪影響をもたらし、精神疾患による離職や休職の一因にもなります。そして、この状況は近年さらに深刻化しています(文部科学省,2023)。
教師の勤務時間において大きな割合を占めるのは、「授業」と「授業準備」です。文科省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」では、小学校の教員は授業準備に1時間16分、中学校の教員は1時間23分かかっていることが報告されています。
正直、私の場合は初めて教える単元で1コマ(50分)の授業準備(教材開発)をするには、もっと時間がかかっていたように思います。その単元の本質は何か、それを生徒に考えさせる問いにするにはどうすればよいか、また、その問いは生徒が考えたくなる問い科などを考えると、1時間20分では”完成”までは至れませんでした。
しかし、現状でも教員の労働環境は厳しいものがあります。より一層、単元の本質や授業教材のアイディアなどを楽に入手させ、授業の質を下げず(むしろ向上させつつ)、教員の授業準備の負担を減らす支援が必要です。
(2)子供の成長発達を支援する授業
私が教員として働いていたとき、私自身も含めて多くの教員が0(ゼロ)から授業をつくっていました。教科書や参考書を参考にしつつも、授業デザインや教材アイディアは他の実践を参考にすることなく、自分の考えや子供時代に受けた授業をもとに0から考える教員が多かったように思います。それもあり魅力的な授業を作り上げるには多くの時間と労力が必要でした。
しかし、全国にはたくさんの同じ単元を教える先生たちがいます。また、過去にも多くの魅力的な授業が実践されています。私たち教員は、先人や同僚が苦労して見出した知見を使わず、同じ苦労を繰り返しているとも言えます。これからは先人の知見を礎とし、その上でより魅力的な授業を目指すことが必要だと考えました。
しかし、残念ながら今のところ、先人や全国の同僚たちの実践を参考にすることは非常に困難です。今日、魅力的な実践を見つけるには多大な労力が発生します。日々の業務の中でこの労力を割くことは不可能です。
私は教員をしていた昨年度まで、授業準備の際に先行研究を参考にすべく、書籍を読みあさり、ネットで検索しまくり、同僚の先生や知り合いの先生に尋ねまくっていました。
しかし、書籍や雑誌には特定の分野の授業が少数載っているだけであり、私の明日の授業の単元の教材は載っていないことがほとんどでした。インターネットでの検索では、検索結果のタグが乱立し、知識の整理に多くの負担が生じました。同僚の先生へ相談するにしても、先生たちはみな忙しく、いつでも気軽に尋ねられるわけではありません。また、いくらベテランの先生といえどもすべての単元で良い授業アイディアを持っているわけではないため、尋ねるのを躊躇することもありました。
もちろん私も、自分の授業について「どうしたら魅力的な授業になるか」「子供の興味を喚起しつつ、楽しく学べる授業にするにはどうすればよいか」「単元の本質はどこで、どうしたらそれを考える授業をデザインができるか」を考え続けてきました。ときには自分なりに満足のいくアイディアが浮かび、充実した授業ができたと感じることもありました。しかし、良いアイディアが思い浮かばず、生徒が主体的に学ぶ場をつくれないこともありました。
しかし、先人の知見が参考にできたなら、それを土台にさらに魅力的な授業アイディアを思いつき、生徒が主体的かつ楽しく学ぶ授業を行えたかもしれません。
全国の先生の授業デザインや教材アイディアを共有できるプラットフォームがあれば、参考となる授業知見を見つけ、より魅力的な授業を作り上げることができます。そして、そこで作り上げた授業もまた、ほかの先生が授業を作り上げる際の参考となり、日本の教育が発展していくでしょう。
私はせっかく働くならば、子供の学びを最大化し、自身も満足感を抱いて働きたいと考えます。そのためにも、教員間の授業知見を共有するプラットフォームを作り、広めていくべく、本サービスを創業しました。
3.サービスの利用例
ここでは教材共有プラットフォーム(コナレ)の利用例を提示します。
(1)「日常」の授業準備
コナレは「日常」の授業準備において真価を発揮します。コナレで該当単元の授業アイディアを検索し、授業を作り上げる際の参考にすることができます。
(2)停滞の打開
コナレは授業や教材の洗練や進化を促します。
コナレでは投稿した授業デザインにコメントをもらうことができます。あなたの投稿した授業デザインや教材を授業で使用した先生の感想や、それを参考に新たに授業を作り上げた先生の投稿を見ることで、新たな授業デザインや教材アイディアを見つけるきっかけとなるでしょう。
(3)授業知見の整理
コナレでは自分の授業実践の集大成を残すこともできます。退職が近づき、「これまでの教育活動の集大成を残したい」、「後輩の先生たちのために教員生活で蓄積した知見を役立てたい」と思ったことはないでしょうか。
コナレであればこれまでの授業アイディアや授業実践を、他の先生の授業準備の参考となる知見として残すことができます。
ある程度自分の授業が固まってきたとき、退職が近づいてきたときなど、一度自分の授業実践の集大成を作成してみてはいかがでしょうか。
4.現在の準備状況
β版は既に完成しており、プレリリースとしてサービスを開始しています(コナレ:サービス紹介)。
現在は2025年3月25日のリリースに向けて、参考となる記事の収集や宣伝コンテンツ(記事の紹介動画)の作成を進めています。
5.リターン
リターンは
①「純粋応援」
②「グッズ購入応援」
③「プレリリース+リリース後の利用応援(6,12か月)」
④「スポンサー応援(小・大・大+ロゴ)」
⑤「対談で応援」
⑥「授業アイディア(指導案)の相談で応援」
があります。
ぜひとも応援していただけると幸いです!
また、プレリリース期間を含む利用応援を選んでいただいた方は、プレリリース期間に教材を投稿してみていただけると幸いです(他のリターンにて応援してくださった方も、リターンの複数選択も可能です)。
現在、プレリリース期間に投稿いただいた記事の買取を行っています。
サイト内の「問い合わせ」から、コナレ事務局に指導案を投稿していただき、事務局でOKが出たものを買い取らせていただいております。なお一度でOKが出なくても、修正提案を踏まえてOKが出るまで投稿し続けることも可能です。(※詳細はサイトLPをご覧ください)
豪華なリターンこそありませんが、その分、応援していただきました資金の大部分を本サービスの発展に回すことができます!
6.スケジュール
11月 1日 クラウドファンディングの開始
12月15日 クラウドファンディング終了
1年31月 プレリリース利用権を配布完了
3月25日 正式リリース
5.自己紹介
名前:大越健斗
早稲田大学教育学部を卒業後、東京大学大学院教育学研究科に入学。その後、同大学院博士課程に進み、2022年に単位取得満期退学。大学院在籍中から東京都の私立中学校・高等学校にて数学科非常勤講師として勤務し、その後、千葉県の私立中学校・高等学校にて数学科教諭として6年間勤務する。勤務の中で教員の労働環境の改善と授業準備の支援の必要性を感じ、教員として勤務する傍ら2023年7月に教材共有プラットフォーム「コナレ」を創業する。2024年3月にそれまで勤めた私立中学校・高等学校を退職し、現在はコナレ代表、日本大学理工学部助教として日本の教育の発展に尽力している。
学校教員としての勤務する中で「全国で同じ単元を教えている仲間がたくさんいるのに、なぜみんな0(ゼロ)から授業の教材をつくっているのか」に疑問を抱く。忙しい中だからこそ、先人の知見の蓄積を参考にすることで「魅力的な授業」をつくることができるのではないかと考え、2023年7月に教員として勤務する傍ら教材共有サービス「コナレ」を開業する。その後、天才エンジニアのY氏、圧倒的なバイタリティの元小学校校長のO氏、協力者の百科事典のS氏、授業アイディアの4次元ポケットことK氏と出会い、教材共有サービス「コナレ」が進化を遂げ、現在に至る。
8.最後に
本サービス(コナレ)は、学校の授業をより魅力的にしつつ、学校の先生の働き方を変えるきっかけとなると考えております。本サービス(コナレ)が普及することで、先生たちの授業アイディアや教材の共有が当たり前のものとなり、日本の教育がより魅力的になると確信しております。
本理念に共感いただけます方は、是非ともコナレを応援していただければ幸いです。
最新の活動報告
もっと見る19・20日目終了!(記事紹介⑭)
2024/11/21 11:38今日もコナレの記事を紹介します!今回の記事は、3年生国語科の単元『こんな係がクラスにほしい』を取り上げます。児童がクラス全体のために新しい係を考案する中で、良好で生産的な話し合いができるようになることを目指します。この授業では、児童が日常生活を振り返りながら『必要な係』を見つけ出し、友達と意見を交わし合い、アイデアを深めていきます。記事の中では、次のようなポイントが具体的に解説されています:・授業の進め方:話し合い活動が盛り上がるためのステップや、話し合いの方向性を整えるための工夫・教師のサポート例:児童が意見を出しやすくする問いかけや活動の設計・実践例:実際の話し合いの様子や子どもたちが提案した係のアイデア子どもたちの創造性や対話力を引き出し、クラス運営をより魅力的にするためのヒントが満載です。授業の工夫で悩んでいる先生や、新しい話し合い活動を試したい先生にとって必見の内容です。ぜひご覧ください!「【こんな係がクラスにほしい】(1/3校時):クラスをより良くする『新しい係』を話し合いで提案する授業づくり」(https://co-knowledge-corporation.com/posts/OCYVcJc) もっと見る
18日目終了!(東大附属公開研究会の感想③)
2024/11/19 09:00もう1日だけ、16日に参加した東大附属の公開研究会での学びを書かせてほしい。昨日、一昨日と見学した授業それぞれで学んだことを書いた。しかし、全体を通して最も驚いたことは「生徒の探究する力の高さ」と「体温の感じる学び」であった。東大附属は東大にエスカレーターで進学する超進学校などではなく、あくまでも通常の普通科の中高一貫校である。しかし、そこの生徒の探究する力は非常に高く、これは学校全体の取組みの結果醸造されたものであるように感じた。私が感じた東大附属の生徒の特徴は「自身の素朴概念、既有知識を用いた自由な探究」、「答えを待たず自身で探究する姿勢」、「適度な緩さを併せ持つ探究」である。(あくまでも私が見学した2つの数学の授業から見えた特徴である)例えば、「△ABCの垂心が垂足三角形においてはどのような点かを検討する問い」や「1分毎にケトルの温度が提示され、45分後の温度を予想する問い」などはその問題の情報量も多く複雑であり、どのように解けばよいのかがわかりきった問いではない。そのため、生徒は自らの持っている知識を拠り所として、自分の頭で一歩一歩探究しなければならない。これは数学でよくある解法を知っていればそれを適用して解くような問題ではない。難しい問題に出会ったとき、考えることをやめ、教師からの「答え」を待つ生徒の姿はよく見るものである。しかし、今回見学した授業では生徒はノートを遡ったり、素朴に自分の頭で何が必要かを考えていた。また、適宜友人と相談したり、自分の考えを言語化することを通して、考えの整理や探究の継続のための気持ちの補給のようなものを行っていた。それにより個人を軸としつつもグループと混ざり、適宜全体とつながるような「緩い」探究が継続されていた。また、その緩い探究が当たり前に承認されている空間であるように感じた。今回の公開研究会で学んだのは、良い「緩さ」を伴う探究の意義である。私はまじめな性分なのでやるからには100%の力で取り組ませたいと思い、本気で取り組んでいない生徒を見つけると毎回残念に思っていた。しかし、常に100%で全教科の問いに向かうことを強いる環境は子供にとっては居心地の悪いものであるだろう。それぞれが持続可能な形で各々の問いに向かうこと、これが自らを軸とした学びを生むように思う。もちろん問いは真に問う価値のある問いである必要はある。しかし、問うべき価値のある問いであれば、探究の在り方は緩くても確かに探究の力(資質?)がつくのだと感じた。私は教員時代に、例題を提示し、それを5~10分程度考えさせ、解説をする授業をよく行っていた。そこでの検討は生徒が「考えきること」「多様なアプローチを試してみること」が欠けていたように思う。5~10分程度で個人でできる検討では「考えきること」や「様々な試行錯誤」をするのは不可能である。また、結局筆者が最も効率的な解答を論の飛躍なく、そのようにアプローチする必然性とともに解説するのだから、自分で考えた方法に価値を感じず、最後に教師により提示される模範解答を最重視するのは当然である。ちなみに、上の授業スタイルでは、限られた時間の中で、ある程度効率的に身に付けるべき知識や解法の習得は達成され、その習熟もある程度はできていた(ように思っている)。しかし、探究の楽しさを味わう助けができていたかというとそうではなかっただろう。知識の確認や教えるべきことは教えた上で、問うべき価値のある問いを提示し、生徒に探究する環境や余裕を持たせ、ゆっくりと探究する学びもまた、見出した事実への驚きや感動をもたらし、ゆっくりながら着実な体感を伴う学びにつながるように感じた。 もっと見る
17日目終了!(東大附属の公開研究会:感想②)
2024/11/18 09:00今日も16日に学ばせていただいた東大附属の公開研究会での学びを共有します。昨日、記述した中学2年の図形の授業も素晴らしかったですが、高校2年の指数関数の授業も非常にチャレンジングな取り組みであり、魅力的な授業でした。そこでは1.「現象の記述・数式化」という数学の応用的側面の面白さ2.複雑な現象に対しても思考を放棄せず、楽しみながら探究する生徒の姿を学ばせていただきました。授業はいきなり黒板に「0分 93.5℃」と書かれるところから始まります。教師が「0分 93.5℃」と板書し、「やることは決まっています。45分後の温度を求めてください」とだけ発言します。それに対して、生徒からは「何分ごとに測っていますか?」など質問が自然と自由に出てきます(これも素晴らしいと感じました。自由に疑問を尋ねてよい空間を感じました)。生徒にはマス目の書かれたプリントと白紙の紙が教師から渡されます。「グラフかくの?」「好きなことやって(温度を求めて)いいんでしょ。」など、各々が自由に考えます。板書はどんどん書き足され、「1分後91.8℃」「2分後89.6℃」「3分後87.7℃」・・とどんどんデータが書き足されていきます。生徒たちは「ここから(温度変化が)ゆるやか」「だって4分から6分で2.9℃(しか下がってない)でしょ」など、必死に得られたデータを基に検討しています。教師が「10分76.9℃」まで書いたところで、「ここらへんでやめようかな」とデータの記録は終わります。生徒は縦軸を温度、横軸を経過時間としたグラフをかいたり、縦軸を1分前との温度差、横軸を経過した時間としてデータをグラフに書き込んでいます。ここである生徒が指名され、前に出てグラフを書き、自分の考えを説明します。その考えの説明の際にも、他の積で座っている生徒から(水温の部分に対して)「室温との差に注目して(だよ)」など、支援する発言が自由に出てきます。それらの発言も取り込み、「水温が下がると、気温との差が小さくなり変化しにくくなる」と自分の考えを言語化し、板書しました。ここからどのように検討を進めるかが曖昧になりそうになると、教師が「どんなコンセプトで、何を調べているのか書いてください」と方向を検討するような指示が出て、1℃ごとの温度の差をグラフに書くなど考えの方針が生成されていきます。このようにある生徒が前に出て自分の考えを述べ、それを他の生徒が適宜指摘により修正したり、変更したりし、必要に応じて教師が方向を修正したり、整理したりと全体で探究が進んでいく授業でした。しかし、実は全体の探究の流れがありつつも、各々でも探究を進めているグループや個人はおり、ここでも「ゆるい共有」が見られ、個人の関心に基づく探究が大事にされているのを感じました。ちなみに授業は、ケトルの温度変化という現象を、数式も含めて言葉で説明することを目指す挑戦的な授業でした。やはり以前の川崎市の研究会の感想でも書きましたが、実験データを基に予想する探究に生徒は熱中しており、現象を捉えること、45分時点での温度の予想をするということに向かって、この良い意味で整理されていない問いを考えるという探究を行っていました。45分後の時点での温度は53.0℃であり、これを教師が発表した際は「おー」という声も上がり、盛り上がりがありました。私が驚いたのは、構造化されていない問いであっても、生徒は当たり前のように自分なりの観点を持ち、それを検討していた点です。これは一朝一夕でできるものではなく、これまでのこの授業者の授業の蓄積、そしてそこで整理されていないデータであっても、自分たちなりに考察する力をつけてきた生徒の姿を見ることができました。今日の学校では、複雑な問題や情報にぶつかると「わからない」と考えるのをやめ、あきらめてしまう生徒も多いのではないかと思います。しかし、ここで見た生徒は問題の複雑さなどお構いなしに、自分なりのどんどんと考えを進めていける生徒でした。ちなみに、やはり実験や現象を捉えることには魅力があります。しかし、あまりに作られ、整理されたデータでは、生徒は探究を出来レースのように感じ面白く感じないでしょう。今回の授業や以前の川崎市の授業のように実際に測定し、データを取り、検討する、そんな取り組みに、生徒が楽しみつつ、探究する姿を見ることができました。このような取り組みは1回の授業だけで行っても、複雑な情報に楽しく向かう生徒の姿は出てこないでしょう。今回の授業は、複雑な問題や現象にものおじすることなく向かっていく本来、生徒皆が持っている可能性をあらためて感じさせる授業でした。 もっと見る
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