2018/06/11 22:40

昨日は台湾産コーヒーの生豆を販売した方から連絡があり「冷めてからも美味しいコーヒーは今まで味わったことがあるけれど、冷めてから更に美味しくなるコーヒーははじめてで驚いた」というメッセージを頂きました。

コーヒーの味を決める要因はいくつかかあると思いますが、その一つに「発酵」が挙げられます。「発酵」といっても、発酵時の気温や発酵時間など、多くの要素が味に影響を与えています。そして、その「発酵」を担う乳酸菌の種類もコーヒーの味を決めるポイントなのだと思います。
以下、少し専門的な話になってしまいますが、興味のある方は是非読んでみてください!

台湾の銘傳大學から2014年に発表された研究報告1)によると、標高の異なる(800mと1200m)台湾のコーヒー農場のコーヒーの実から、100種類以上の乳酸菌が同定されたそうです。さらに、標高が800mと1200mでは乳酸菌の菌叢が異なっているそうです。この結果をふまえると、標高の違いによる味の違いは、その発酵に関わる乳酸菌の種類の違い(発酵様式の違いも)や、乳酸菌の多様性から生まれるものであると考えられます。また、面白いことに、同定された乳酸菌の中には、カビ毒を産生することで有名なAspergillus flavusに対して、抗真菌活性を示すものも見つかったそうです。また、その他抗菌活性を持つ乳酸菌も同定されたとの記載がありました。

台湾産コーヒーが美味しいのも、こういったカビ等の影響を受けにくいことから新鮮な状態を保つことできる点も影響しているのかもしれませんね。

MEILI COFFEEで取り扱っている台湾産コーヒーも、ちょうど800mと1200mのものですので、もしかしたら上記の研究報告と全く同じような乳酸菌、もしくはそれとは全く異なる乳酸菌も同定されるかもしれません!いつか、菌叢解析もしてみたいですね。

菌叢解析の他にも、コーヒーとカカオの成分分析やDNA解析もいつかしてみたい。。。。と考えています!
台湾コーヒーにしかない成分等あれば面白そうですね。なぜ、台湾コーヒーが美味しいのか、その美味しさの秘密を紐解くことができるかもしれませんね。

★下記、参考文献の書誌事項と、PubMedのURLを記載いたしました!英語の文献ですが、無料で閲覧できる(Abstractのみですが...)ので、どんな菌が同定されたのか気になる方はご参考ください^ ^

【参考文献】
1) Curr Microbiol. 2014 Apr;68(4):440-7.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/24292770/?i=1&from=/24292770/related