
新しい品ものは「鈴なり」や「夕凪」や「月映」など、日本酒らしくない名前をつけました。
北原白秋の作品をモチーフにしています。
「葦むらや開閉橋に落つる日の夕凪にして行々子鳴く」
生い茂っている葦むらよ。そこにある開閉橋の彼方に今落ちてゆく日はまことに穏やかで、ヨシキリの鳴く声が響いている。
北原白秋「水の構図」
「菊美人 夕凪」はその穏やかな味わいが特徴です。
まるで穏やかに夕陽が落ちる景色のなかにいるように、この一瓶とゆっくりと過ごしてほしいという思いから名づけました。

菊美人は北原白秋が愛した酒です。
明治三十三年、六代蔵元に詩人 北原白秋の実姉である加代が嫁いできました。
「黄金の日本酒を満たしたまま真蒼に炎上した」と白秋が語るように、北原家は酒蔵を焼失する悲劇に見舞われています。
一家は状況し、白州は大黒柱として文壇に立ちますがスキャンダルで失墜してしまいます。自死を考えるほど追い詰められました。
そんな白秋を支えたのが姉の加代と、故郷の酒「菊美人」でした。唯一の故郷との繋がりとなっていた菊美人は物心両面で白秋を支えました。
白秋が柳川に帰省したのは、故郷を離れて二十年が経った頃のことでした。
白州は蔵の座敷で菊美人を飲みながらラベルの題字「菊美人」や多くの歌を書きました。恩義の表れだったのかもしれません。
詩人 北原白秋は妻子、門下の歌人とともに菊美人の菰樽を飲み干した
菊美人にとって北原白秋は「有名な詩人」以上の存在です。
地元に根ざした酒蔵として、人との強い結びつきを大切にしてきた菊美人の歴史を象徴する人物です。
だからこそ今回のリブランディングで、北原白秋が書いた「菊美人」の題字は変えませんでした。また白秋の作品を参考にして新たな品ものを作りました。
これからも地元と共に歩み、
全国や世界の方々に喜んでもらえるようなお酒を作っていきたいと考えています。

さて、クラウドファンディングも残すはあと26時間となりました。最後までお力を貸してください。どうかご支援・拡散のほどよろしくお願いいたします!!!



