こんにちは。
先日、厚生労働省の記者会見室にて、日本の発達障害支援の現状やクラウドファンディングの取り組みについて発表を行いました。以下に、その要点をお知らせいたします。
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◎Dr. Reema Naim の感覚統合アプローチと教育的取り組み
現在、日本の発達障害支援は十分に整っているとは言えません。支援が届かず、保護者が相談先を見つけられない、学校での対応が難しい、地域による支援の格差など、多くの課題が残っています。私たちは訪問看護の現場で、こうした課題を日々実感しています。
◎海外の先進的な取り組み
これらの課題を解決するため、私たちは海外の支援事例にも目を向けました。その中で出会ったのが、カリフォルニア州で発達障害支援の最前線に立つ Dr. Reema Naim(リーマ・ナイム)博士 の活動です。
Dr. Naim 博士は作業療法士(OT)として 感覚統合に特化したリハビリ を行っており、特に 感覚過敏や鈍麻を持つ子どもたち への専門的な支援を提供しています。
彼女の運営する OTスタジオでは、子どもたちが 自分の感覚を理解し、日常生活に適応できるようになる ためのプログラムを実施しています。その内容は以下のとおりです。
- 1、感覚過敏・鈍麻に対応した個別リハビリテーション
- 2、遊びを取り入れ、子どもが安心して感覚をコントロールできるよう支援するセラピー
- 3、家庭や学校でも実践できるよう、親や教師向けの教育・指導プログラム
さらに、これらの療法の多くは カリフォルニア州の保険適用 となっており、経済的負担を軽減しながら適切な治療を受けることが可能です。
◎日本でも感覚統合支援を広めたい
Dr. Naim 博士のように、感覚統合の支援が保険適用される仕組み は、日本の発達障害支援にも大きなヒントを与えてくれます。
私たちは、日本でも「感覚統合」について多くの人に知ってもらう必要があると感じています。発達障害の子どもやその家族だけでなく、学校・地域・社会全体が感覚統合の重要性を理解することが、より良い支援につながる と考えています。
◎教育絵本『Sensokids』の日本語版制作
この想いを形にするため、私たちは Dr. Naim 博士が制作した教育絵本『Sensokids』 に注目しました。
この絵本では、感覚過敏や鈍麻を持つ子どもたちが世界をどのように感じているのか を、個性的なキャラクターを通じて分かりやすく伝えています。
私たちはこの絵本の意義に共感し、日本語版の制作を決意しました。そして、昨年12月1日~今年1月末にかけて実施した クラウドファンディング では、105名の支援者から 775,789円 のご支援をいただきました。現在、本の制作を進めています。
この絵本を通じて、より多くの人に感覚統合の大切さを伝え、日本の発達障害支援をより良いものにしていきたい と考えています。
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記者会見は約40分間行われました。他にも専門家の先生方による発表がございましたが、内容が長くなりますので、改めて分かりやすくまとめたうえでご報告いたします。
今後とも、皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。




