漆器を製作する上で、埃は天敵です。
最終仕上げの上塗りを行う上塗り部屋は、出来るだけ埃がたたないように動き、床や手の届く範囲を、毎日雑巾で拭いて埃を取り除いています。
上塗りを行った後は、機械風呂という乾燥機に入れます。
半回転を繰り返し、漆が一箇所に溜まらないように均等に乾かすことが出来ます。

漆の乾燥には、温度と湿度が重要な為、この機械風呂は本来気密性が高く、漆が乾きやすい温度、湿度を保ってくれていました。
しかし、地震の揺れ、その後の雨漏りで、機械風呂の気密性が失われてしまい、埃が入り込んだり、温度、湿度が保てなくなりました。

その結果、乾燥中に埃がついてしまうことが多く、研いで塗直しを繰り返す日々が続いています。
また、温度湿度が保てない為に、漆がずっと乾かなかったり、逆に湿度が高すぎて縮んでしまうなど、やり直しとなることがとても多く、なかなか思ったように製造することが出来ていません。

それでも私たちは漆器を作り続けます。
そのために、この環境でも精一杯努力しています。本音を言えば、一日でも早く整った環境で作業がしたい。
埃を気にせず、全力で美しい輪島塗を作りたい。
この状況を変えるには、どうしても工房再建が必要です。
「漆器が完成するその瞬間まで、絶対に妥協はしない」
その決意を胸に、これからも乗り越えていきます。どうか引き続き、見守り、応援していただければ幸いです。






