『北欧の奇跡 H&M』を一緒に翻訳した鈴木恵子さん、ウルリカ柚井さんがH&Mとこの本の魅力についてたっぷり語ってくれました。
「彼女達(当時のストアマネージャー達)は、若者向けのデザインで格安の洋服を売るというワシらの理念に共感してくれたんよ」 アーリングにはこの頃には既にファストファッションの構想があったのですね。
”H&Mが単純なビジネスアイデアにより、これだけの業績を収めたのは特筆するべきなのだろう。しかしあまりに単純だからこそ、これまで正しく評価されてこなかったと言える。 H&MはAGA社やテトラパック社のようにオリジナリティを前面に押し出す典型的な自社開発企業ではない。またIKEAのようにスウェーデン人の心にしっかりと根付いているわけでもない。こう言っては何だが、ファストファッションを若い女性達に販売するといったどこか軽い、いわば必要かどうかすら疑わしいH&Mよりも、住まいやオフィスを心地よく飾るというIKEAの方がどこか私たちの気持ちの中にすっと入ってくるような気がする。 しかし1997年の創業50周年の後、初めてアーリング・パーションが築いたものがどれほど素晴らしいビジネスモデルだったのかが明らかになり、ファッションや資本が国際化したこの世界にその価値が紹介された。 H&Mはいかにして他にいくらでもある地域の洋装店の1つから国際的なチェーンにまで上りつめたのか。それはこれまで語られてこなかった物語である。 H&Mの仕組みがどのように築かれ、その後どのように運営されていったのか、その全体像もほとんど語られてはいない。その空白の部分を埋めることへの欲求がこの本の根本的な源泉であり動機である。” 1950年代にスウェーデンの田舎町でひっそりと開かれた婦人服の洋装店H&Mは1990年代には、アメリカとヨーロッパ各地に、2000年代にはアジア各地に進出する世界的企業となりました。その裏には若きアーリング・パーションと親友ビョーン・ヴェンベリィの商売の海での冒険の日々がありました。 この図書には、二人の試行錯誤と成長とが詳細に描かれています。