プロジェクトの実行者について
初めまして! 私たちは岡山県立東岡山工業高等学校のアクアポニックスプロジェクトのメンバーです。
本校は岡山市内の東部に位置し、機械科、電気科、電子機械科、工業化学科、設備システム科の5科が設置されており、1学年7クラス、全校生徒数840人の工業専門高校です。
現在、三年生を中心にアクアポニックスの研究に取り組んでおり、授業や放課後の時間を利用して活動しています。
アクアポニックスについて
『アクアポニックス』とは、魚を育てながら、栄養豊富になった養殖水を植物の栽培に利用し、キレイになった水を再び養殖槽に循環させるという環境に優しい農法です。

本校は数年前から取り組んでおり、当初のアクアポニックスは淡水でのシステムでした。
養殖魚は主に学校付近の用水路で採取した川魚で、レタスや春菊、小松菜、ネギ、メロン、イチゴ、バナナといった農産物の育成に成功し、収穫してきました。

そして、令和5年度から学校間連携、高大連携、産学連携も含めた研究に発展しました。
水産養殖では香川県立多度津高等学校、水耕栽培では岡山県立瀬戸南高等学校、アクアポニックスシステムは金沢工業大学、陸上養殖については岡山理科大学と連携を取っています。
岡山理科大学からの技術供与
私たちの取り組みが大きく前進した要因は、岡山理科大学との連携が本格的に始まったからです。
特に、『好適環境水』は同大学発の技術であり、それを本校に供与して頂いております。
好適環境水の恩恵を受けて、海水魚の養殖をスタートしたことで、アクアポニックスの可能性が劇的に広がりました。

好適環境水が無ければ、私たちの研究の進展は無かったかもしれません。
好適環境水について
好適環境水は薄い海水のようなもので、淡水魚も海水魚も育てられる不思議な水のことです。これによって海水魚を養殖しながら水を循環させ、農産物を水耕栽培で育成することが可能になっています。
今までは淡水魚のアクアポニックスが主流でしたが、これからは好適環境水を利用した「海水魚を育てるアクアポニックス」が、大きな市場を生み出すと期待しています。
また、魚介類の育成方法や知識については、岡山理科大学 生命科学部の山本俊政准教授から高度な陸上養殖技術を教わっており、多大な助言と協力を頂いています。
技術相談・共同研究についての問い合わせは、岡山理科大学 研究・社会連携部が窓口になっています。
メディア報道について
「高校生が海水魚の陸上養殖に挑戦する」という話題は各種メディアで取り上げられ、現在も多くの取材依頼を頂いております。

これまで、メバル、ヒラメ、トラフグ、真鯛、車海老など様々な魚種の養殖に挑戦してきました。しかし、どれも順調という訳ではありませんでした。
岡山理科大学を始め様々な方々の協力を頂きながら、ようやく2024年冬に『メバル』を県内の飲食店に出荷することが出来ました。
その際、山本俊政准教授の「好適環境水は魚も育てる、人も育てる」という言葉に深く共感し、感動しました。
また、飲食店『遊食房屋』の方々は、本校の取り組みに賛同して頂き、以前から頻繁に来校して頂いておりました。出荷の際も本校までお越しくださり、板前さんの見事な包丁捌きを披露して頂きました。
【RSKニュース】『高校生が陸上で養殖したメバルの初出荷 出荷前にさしみの試食も 特殊な水=“好適環境水”を使って育てる』
直近のTV放送予定(三週連続特集)
KSB瀬戸内海放送(地方局)「高校生と見つける、私たちのSDGs」
プロジェクトで実現したいこと
このプロジェクトでは既存の研究施設、アクアポニックス設備を増設することを目指しています。
昨年完成させた『次世代アクアポニックスシステム』は、養殖槽の容量が約1トン、濾過槽が約0.5トン、水耕栽培槽が約1トンです。このシステムを大型化していきたいと考えています。

画像のものは本校オリジナルのシステムで、構成する設備のほとんどを私たちが製作しました。
例えば、タマカイの養殖槽について、水槽本体と濾過槽、チラーとマグネットポンプ以外は全て授業や放課後の時間を使っての自作です。水槽台は炭素鋼の溶接や錆止め塗装を行い、その他に水槽の加工や流路の配管も独自に設計、製作しました。
調整槽や照明架台のフレームはデザイン性も考慮しています。バナナの水耕栽培槽の材料は木材とFRP(繊維強化プラスチック)で、強度を重視した構造になっています。
照明設備や電気配線は電気工事士の知識技能を活かし、配管継手の旋盤など細かい機械加工も私たちの得意とするところです。
また、制御用の電子回路やプログラミングはコンピュータ部、正確な水質分析は化学研究部が協力してくれています。
このシステムがある空間は本校の実習室の一つで、アクアポニックスに関する授業や研究室として活用しています。
まだ十分な空きスペースがありますので、こちらへ大型システムを設置する予定です。計画では、設置する養殖槽の水量は5トン規模、栽培槽の面積は10平米以上です。
養殖魚について
海水魚はハタ科の『タマカイ』を育てています。タマカイはハタ科の最大魚で、同じハタ科の『クエ』よりも希少種であり、沖縄地方では絶滅危惧種に指定されています。

食味の素晴らしさも「クエを超える」と言われており、市場価格は1kg4,000円~の高級魚です(時価)。
魚種の選定の理由は他にも、
・酸素消費量が少ない白身魚、過密養殖が比較的容易
・食欲旺盛で、水にしっかりと養分を含む(水耕栽培の栄養)
といったことが挙げられます。
特に、「成長が早い」という点が魅力で、食料問題の解決に大きく貢献してくれると期待しています。
タマカイについては、宮崎県都農町、岡山理科大学、NTT東日本、NTT西日本が連携されており、世界初の「好適環境水による陸上養殖」に成功されています。
宮崎県都農町、水産業夢未来プロジェクト、世界初の陸上養殖に成功した希少な高級魚「タマカイ」の量産化へ向けてガバメントクラウドファンディング開始
本校もタマカイの陸上養殖に関して岡山理科大学から指導助言を頂いており、生態観察や環境制御システムの構築など様々な取り組みを教材として利用しております。
その様子は昨年11月、以下に紹介するバナナ栽培とともに、TBS『The Time’』でも報道されました。
水耕栽培でバナナ栽培
水耕栽培の作物はバナナ(ミニバナナ)を選定しています。
ミニバナナの実は輸入物(キャベンディッシュ系)とは違い、薄い皮と上品な甘さが特徴です。一本の長さは12〜15cm程度と小ぶりで、沖縄や小笠原諸島で生産されている『島バナナ』くらいのサイズです。

バナナは光合成が旺盛で、養殖水に含まれる硝酸態窒素を効率よく吸収してくれます(水の浄化能力が非常に高い)。
また、根腐れしにくいため、アクアポニックスに適した作物であり、タマカイの適切な水温(約28℃)、収穫サイクル(約一年半)とも合致しています。
「海水魚を養殖しながら、バナナを育てるアクアポニックス」は、私たちにとっても初めての挑戦です。
現在どちらも育成状況は良好であり、これから半年〜1年後の収穫を見込んでいます。成功すれば、おそらく世界でも例の無いことだと思います。
このシステムで安定して実が収穫出来るようになれば、『国産バナナ』の新しい栽培方法として広く提案することが出来るでしょう。
そして、好適環境水を利用したアクアポニックスの可能性が強く認識され、その研究や事業化に繋げようとする流れもさらに活発になると期待しています。

また、バナナの実以外の葉や茎は『繊維』や『パルプ』、『セルロースナノファイバー(CNF)の原料』として再利用することが出来ます。
CNFは植物の繊維をナノレベルまで微細化したもので、鋼材や建材、樹脂に混ぜれば強靭で軽量な素材となり、様々な工業製品に応用できます。電子回路や半導体の代替も研究されています。
本校は、産学連携としてモリマシナリー株式会社から助言を頂いています。今後、CNFの研究や有効活用の方法も検討していきます。
つまり私たちの取り組みは、食料生産を目指すだけでなく、工業高校としての命題「工業製品を生み出す、ものづくり」にも繋がっています。
プロジェクト立ち上げの背景
プロジェクトを立ち上げた背景は、まず「工業高校がどのようにして社会に貢献できるか」を検討したところから始まります。
今までの工業高校のイメージは、
「決まりきった授業内容や実習を繰り返し、ひたすらものづくりを追求する」
というものでした。もちろん、それは社会を支える上で大変大切なことです。
しかし、私たちの知識や技術を在学中に、今、いかに活かせるかを考えた時、今回の取り組みはスタートしました。
「循環可能な社会を目指すには、自然環境に負荷を掛けないこと」
「例えば、『工業の力』で農業や水産業を支えよう」
「国内の食料自給率を上げて、そしてその技術で世界の食糧問題も解決したい」
「新しい工業高校の姿を、地域の人々や世界中の人々に見てもらいたい」
「未来に残せる研究を、高校生でも可能だと証明したい」
様々な意見交換の中、『アクアポニックス』をプロジェクトのメインテーマに設定しました。
これまでの活動と準備状況
私たちはアクアポニックスの研究と実践を通じて、多くの知見と技術を蓄えてきました。

学校としての取り組みは三年目を迎えます。これまで様々な魚種の育成に挑戦し、同時に新しい水耕栽培のシステムを試作しながら、アクアポニックスを継続して研究してきました。
例えば、以下の『ドラム型水耕栽培装置』は各方面で反響を頂きました。
私たちが培ったノウハウや情熱は、一般の企業や研究機関に決して劣るものではありません。
日本の陸上養殖やアクアポニックスに関しては、指導者の先生方はその先駆者ばかりで、今も第一線で活躍されている方々です。

私たちのチームは、その最先端の技術を学びながら日々研鑽を積んでいます。
それでも、公立工業高校から多くの取り組みを発信しているつもりなのですが、まだまだ研究内容も実績も足りません。今回を機に、規模をさらに大きくして、活動の幅を広げていきたいと思っています。

ご支援をよろしくお願いしますm(_ _)m
現在、養殖している海水魚たちは順調に成長しており、『設備の拡張』が急務となっています。
2024年10月中旬にタマカイの稚魚50匹が納入されました。平均全長は約5cm、平均体重は約3gでした。

そこから急速に成長して、2025年1月中旬で平均全長18cm(Max22cm)、体重170g(Max210g)となりました。体重に関しては約3ヶ月で50倍以上の成長速度です。
親指ほどの小さな稚魚が、たった三か月で500mlペットボトルくらいのサイズに成長したのです。まだまだ稚魚なのですが、すでにその迫力には圧倒されます。

現在の大型水槽(1トン)では、出荷サイズ(約50〜60cm、約3〜5kg)のタマカイは20匹程度までしか育てられません。
あと1年ほどでそのサイズに成長することを考慮すると、たちまち養殖水量が足りません。
これには理由があります。年度当初に県から頂いた予算は、大きく削減されており、計画の半分にも満たないものでした。魚が大型化することは当然念頭にあったのですが、想定していた設備を作る予算は確保できなかったのです。
また、今後も継続してタマカイの養殖をしていきたいと考えており、出荷サイクルのタイミングを計って、新しい稚魚の納入も検討しています。
年数はかかりますが、人工繁殖にも挑戦したく、タマカイの完全養殖を目指したいと考えています。
さらには、飼料としてエビやカニなどの『甲殻類』の養殖も並行して行います。
それらの試みには複数の『大型養殖設備』が必要なのですが、大変高価であり、公立学校の予算では購入が難しく、苦慮しています。
当初はFRPで自作することを考えましたが、水量の多さから安全面に不安があります。検討を重ねた結果、養殖業者向けの堅牢な生け簀を購入すべきだろうという判断になりました。
また、魚が大きくなり、数も増えるということは、水質悪化の規模も大きくなります。濾過装置の増強も必要です。そして、激増してしまう硝酸態窒素を吸収するための、水耕栽培の耕作面積も拡大しなければなりません。
水耕栽培側はそこまで水深が必要ないので、FRPで独自のものを製作する予定ですが、これも溶剤や鋼材、照明器具なども含めると高価な材料費となります。
以上のような理由から、この度クラウドファンディングを利用させていただいております。
『完全循環』への道
私たちは、持続可能な食料生産と環境への配慮を両立させたいという強い思いがあります。アクアポニックスでその問題に取り組んでいますが、一つ大きな要素が抜け落ちています。
エネルギー確保については太陽光や水素発電機の導入などを検討していますが、それら以外の問題です。
『飼料』です。
完全循環を再現するには、この餌となる部分が必須の過程になります。養殖に占めるコスト割合が大きいこともありますが、それをいかに製造するのかが重要です。
アクアポニックスのさらなる普及には、「安心できるオーガニック飼料」の存在が欠かせません。
「養殖の魚」と言われると何だか天然物に劣るようなイメージを払拭したいのです。
そのためには優れた飼料、かつ、徹底管理された生産体制が求められます。
そこで、本校では『飼料工場』に取り組んでいます。それは昆虫工場とも呼べるものです(人の食用ではありません)。
育てているのはミズアブで、その幼虫は廃棄食品や腐敗性有機物をこだわりなく食べて成長します。
そして、栄養価の最も高いサナギの状態の時に加工して、オーガニック飼料の製造を試みています。


製造した飼料はエビやカニの餌にしており、成長した甲殻類をタマカイの餌とします。
廃棄野菜や食品の食べ残しを活用して餌を製造することで、完全循環型のシステムに限りなく近づきます。未来の地球に優しい食料生産のモデルとして、広く提案したいと考えています。
人がバナナやタマカイを食べる→バナナの皮や葉、タマカイのアラや骨を幼虫の餌に→サナギを飼料にして、エビやカニに→タマカイが食べ、バナナが育つ→『完全循環環境』へ!

本校のミズアブは数世代の繁殖に成功しています。
廃棄食品から餌の製造は実験段階を経て、実用化への道筋に入っています。今後は生体の成長を観察し、適切なタイミングで完全循環へと切り替えていきます。
また、究極を言えば、蒸発分の水分還元や人間の排泄物なども考えなければなりません。現段階ではそこまでの試験は難しく、今後の課題の一つとして残しています。
県内最大プレゼン大会で最優秀賞受賞
2025年1月25日、「第5回BeLiveプレゼンテーションイベント」がイオンモール岡山にて行われました。
Beliveホームページ 主催・運営:「BeLive」実行委員会 共催:一般社団法人岡山経済同友会
大会に向けては、私たちの研究や挑戦を資料にまとめ、教育界や経済界へいかに訴えかけるか、プレゼンの練習を繰り返してきました。
そしてこの度、SDGsに関する本校チームの実績が評価され、最優秀賞(優勝)を頂くことが出来ました。

【山陽新聞】「高校生がSDGs達成へ活動発表 魚と野菜育てる東岡山工に最優秀」
【山陽新聞】【社説】「岡山の高校生と企業 連携強め社会課題解決を」
必要経費や目標金額について
【想定経費】
・タマカイ養殖槽
FRP製 円形水槽 (水量3300L)✕1基:120万円
・濾過槽
超大型コンテナ(水量1000L)✕2基:50万円
・その他必要設備
マグネットポンプ✕2基:20万円
チラー(冷却水量5500L)✕1基:100万円
プロテインスキマー(泡沫分離装置)✕2基:40万円
生物濾過、脱窒用の濾材2000L:20万円
塩ビ配管:数万円
上記の場合、必要経費は少なくとも350万円を超えるものとなります。これはあくまでも、私たちが理想とする品質や規模を想定したものです。
(その他、太陽光発電システム、非常用発電機などの導入も検討しています。)
たとえ目標金額に届かない場合でも、私たちは歩みを止めません。ご支援の範囲で、何かしらの解決方法を見い出し、金額に応じた『ものづくり』を検討します。
プロジェクトオーナーについて
プロジェクトオーナーは岡山県立東岡山工業高等学校の教職員です。
本校は岡山県のスーパーエンバイロメントハイスクール研究開発事業に指定されており、アクアポニックスに関する取り組みを学校全体で取り組んでいます。
【研究テーマ】
東工×養殖プロジェクト 循環型農法アクアポニックスへの挑戦
【研究目的】
本事業では、海水魚の養殖とその廃棄水を循環活用しながら植物を育てる『アクアポニックス』の研究に取り組む。また、工業高校生が工業技術を駆使して生物を育てるという、新たな分野へのチャレンジ精神を育む。限られた資源を有効活用しながら食糧生産を行うプロセスは、食糧問題の解決や宇宙開発に繋がる壮大なテーマである。本研究では、5つの専門科(機械科、電気科、電子機械科、設備システム科、工業化学科)が連携し、各科の得意分野を活かした研究を展開する。さらに、本校が起点となり、学校間連携、高大接続、産学連携を通じ、それぞれの特色を活かしたビジネスモデルをコーディネートし、地域の活性化に繋げたい。将来は、6次産業化を推進し、本校オリジナルブランド商品の生産・販売を目指したい。
【研究組織の概要】
校 長 藤原 亨祐 副 校 長 福田 浩司 教 頭 安原 啓史 事務部長 小林 和代
主幹教諭 武川 忠弘 指導教諭 平本 隆朗 機械科長 大東 剛 電気科長 三宅 通博 設備システム科長 難波 良和 電子機械科長 福島 秀樹 工業化学科長 山本 雅彦
プロジェクトオーナー 研究主任 教 諭 菅沼 俊一(電子機械) 研究主任 教 諭 永瀬 友博(工業化学)
当該プロジェクトは生徒の学習活動の一環として、プロジェクトオーナー、研究組織が責任を持って実施します。ご支援頂いた内容は、研究主任が会計を担当し、管理職、事務部長、専門科長が監査、報告を行います。
リターンについて
食品のリターン品を準備したいのですが、現状は配送のお約束が難しく、基本的には『感謝』の形になります。
お礼のメッセージ、文化祭の招待状、校内ガイドツアー、アクアポニックスに関する電子書籍やオンラインセミナー、【法人様向け】支援者様のお名前プレート掲示などを準備しております。
詳細は各リターンの項目をご確認ください。
プロジェクトに関して来校いただく際は、個別にお問い合わせください。
スケジュール
現在、稼働しているシステムは継続しつつ、新しい大型設備を構築します。
3月 クラウドファンディング開始
4月 養殖槽などの発注(納期2か月)
5月 クラウドファンディング終了
6月 設備増築
7月 大型養殖槽稼働開始(プレート掲示)
8月 本校オープンスクール
11月 本校文化祭(リターン品)
翌1月 プロジェクト報告会
以降 研究開発継続
最後に
私たちはアクアポニックスを実践しながら、さらに高度な食料生産の手法を追求していきます。また、その過程や結果を社会に広く公開することで、食糧問題や環境問題の解決に繋がっていくと信じています。
これから、アクアポニックスや陸上養殖は急成長すると確信しています。私たちは、それらを支える人材創出の一翼を担いたいと思っています。最先端の養殖実験の環境を整備し、その現場から出てくるリアルな課題を、私たち自身で解決するチャンスをぜひ与えてください。
将来的には、私たちの研究や技術が一般的となり、オーガニックかつ高品質な食品が世界中で生産されることを願っています。資源、空間、時間が限られた中で、最適化された水産業と農業を目指します。
このプロジェクトは、『工業高校生でもビジネスプランを提案し、事業化が実現できる』ことも趣旨の一つで、循環型のビジネスモデルを実現するための重要なステップとなるはずです。
今回の機会は、環境に優しく、持続可能な未来を創るための第一歩です。皆さまのご支援によって、この夢の実現に近づくことができます。
私たちは、未来の世代に豊かな地球を残すと約束します。
クラウドファンディングを通じて皆さまと共にこのプロジェクトを成功させ、持続可能な食料生産の新しいモデルを世界に発信します。
本気です。本気だからこそ、行動に移し、呼び掛けています。
応援をどうぞよろしくお願いいたします。
最新の活動報告
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【御礼】支援額448,500円!本当にありがとうございました!
2025/06/13 13:16この度のご支援、皆様に厚く御礼申し上げます!!現在、リターンの準備をしておりますので、今しばらくお待ちくださいm(_ _)m支援額448,500円から手数料等(ネット広告費など)を差し引いて、今月末に309,631円が私たちに届きます。既製品を購入するのは難しいと判断し、また、「工業高校生なら何でも作れ!」という意気込みから・・・この頂いたご厚意は、『5t超大型水槽』へと変貌します。用途の予定内訳は以下の通りです。・アクリル板(前面用30㎜厚と濾過槽用10㎜厚) 15万円・水槽フレーム用木材 9万円・補強&防水目的のFRP用溶剤、塗料 5万円・アルミシート、断熱材、配管など 1万円~・他、水槽台用炭素鋼、濾過槽、チラーなど ○○万円~他に必要なポンプやセンサー類などを考慮すると、予算は超えてしまいます。しかし、今までに例を見ない、公立工業高校生による、日本初の『陸上養殖用大型水槽』が完成します!!製作はすでに取り掛かっており、今月中の完成を目指しています。急ぐのは、7月末のオープンスクールや8月に予定している校内ガイドツアーでは、ぜひその全貌を皆様に見て頂きたいという強い使命感があるからです。放課後はもちろん、日付が変わる頃まで作業し、急ピッチで作り上げていきます。来週には、FRP&トップコートを終え、漏水確認を行います。並行して、太い鉄角材を切り出して、水槽台を製作に取り掛かります(水槽下に配管を通す、できれば濾過槽もこの下に設置したいので・・・)。そして、本当の急ぐ理由は、「タマカイ達を広々とした空間で泳いでもらいたい」からです。タマカイは毎日見ていても、あきらかに巨大化が進んでいます。急がなければなりません。 何匹かは今年出荷する予定ですが、半分以上は人工繁殖用に育て続ける計画です。「高校生がタマカイ&バナナのアクアポニックスに成功!」このニュースはこの秋、届けます。「世界初!タマカイの人工繁殖に日本の工業高校生が成功!」このニュースは非常に難しいかもしれませんが、届けたいです。「日本の工業高校生の技術が宇宙アクアポニックスに採用!」このニュースも近い将来、絶対に届けたいです。どうぞ今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m もっと見る
タマカイ、バナナともに順調な成長!
2025/05/31 05:54こちらでなかなか活動報告が出来ておらず申し訳ありませんm(_ _)mインスタの方では写真と共に簡易な報告を随時させていただいておりますので、よろしければチェックしてみてくだい!東工公式インスタ先日(5/28)のタマカイ測定の様子です。平均体重は700gを超え、全体は32.5cmでした。大きいものはとうとう1kgに達し、36.5cmでした。もう、刺身が取れそうなサイズです。バナナの方も順調で、新しい葉のサイズが小さくなってきたので、そろそろ花を咲かせるかもしれません。そして、皆様のご支援が多く集まっており、深く感謝申し上げます。すでに、大型水槽の製作に着手しており、六月中の完成を目指しております。既製品はやはり高価であると判断し、一から自作することにしました。木材でフレームを組み、前面は大型アクリル板を設置し、側面と背面はFRPで補強します。想定の総水量は5トン規模になります。現在、放課後の時間も使って急ピッチで取り掛かっています。水槽だけではなく、それを載せる強靭な水槽台、濾過槽、配管作業、水耕栽培槽など、多くのものづくりが必要です。夏休み前には新しい大型水槽設備を完成させて、オープンスクールや校内ガイドツアーに間に合わせたいです。なお、この度のクラファンのお礼については6月以降に順次ご案内いたします。皆様、本当にありがとうございます。また第二弾以降もクラファンを利用していこうと検討しています。今度は工業化学科の方です。今月から、「紅鮭」の養殖、アクアポニックスを始動させました。稚魚は岡山理科大学から供与いただきました。この紅鮭も大型化するので、新たな設備構築が必要になります。その際には、また報告させていただきます。 もっと見る
【水耕栽培】アクアポニックスの失敗を乗り越えて!
2025/03/25 23:10アクアポニックスのもう一つの主役は「植物の水耕栽培」です。水耕栽培は今でこそ形になってきましたが、まだまだ未知なところも多く、研究課題は多岐に渡ります。当然のことですが、温室や室内であろうと、植物が健全に育つ条件を整えることが大切になります。温度、湿度、栄養、光源など。それぞれどれが欠けても良い作物は育ちません。・温湿度よりも、飽差を意識すること。空気の流れも作ること。・三大要素、窒素、リン、カリウム、そしてマグネシウムやカルシウム、鉄分など。・太陽光の中で、赤と青の光が光合成では重要。光量の調整も不可欠。私たちは当初、農業(特に水耕栽培)については全くの無知に近い状態で研究をスタートしました。色々な失敗を繰り返し、それは今も続く挑戦です。【本校初期の水耕栽培装置、育ち過ぎたリーフレタスと次々と消えていくメダカたち】ーーそれでも、徐々に分かってきたこともあります。水耕栽培にて、重要なことは「根にどれだけ酸素を届けるか」が最も大切になります。植物の根は基本的に水の中にあります。呼吸が出来ないと根腐れを起こしてしまうので、しっかりとエアレーション(溶存酸素を高める方法)を行います。イチゴや樹木については、根が水中に常時あることは好ましくありません。この場合、シャワー状で水を根に当てる、オートサイフォン(自動で水位が上下する仕組み)などを採用します。【イチゴ水耕栽培装置、液肥の配合を間違え、糖分の粒子が葉を包む】私たちがメインとしているバナナについては、根腐れの危険は最も低い部類の植物になります。しっかりと水中の栄養素を吸収しながら成長してくれます。その他、レタスや春菊などの葉野菜も根腐れに強いです。唯一注意することは「根が一方向に流れていかないように工夫すること」が挙げられます。葉野菜を大きくしっかりと育てようとすると、想像以上に根が繁茂します。すると、どうしても根によって水流に淀みが出来ます。そして、酸素不足に陥っている箇所で根腐れを起こすことになります。試行錯誤しながら徐々に分かってきました。例えば、浅く広めのトレイで栽培する、栽培棚に送り込む給水口と排水口を工夫することなどで解決できました。ーーバナナについては、何といっても『温度』次第というところです。【初期のバナナ水耕栽培装置、トロ舟で川魚を飼い、その水をプランター上部へ循環】冬季は何度も枯らしては、春からもう一度育て直すということを繰り返しました。冒頭の写真は、試作のビニールハウスで枯れたものです(加温無し)。外気温が0℃を下回るような朝、厚めの氷が張るような朝は、アウトです。ハウス栽培であろうと、しっかりと暖房を入れないと枯れてしまいます。(たとえ「耐寒性がある」と言われる品種も無理です)ハウス内を5℃以上、出来れば10℃以上をキープしなければなりません。10℃を下回ると葉は枯れてしまい、成長は止まります(幹や根は生きています)。本校が位置する岡山市では、冬季の寒い日は氷点下3℃くらいになります。これが数日続くと、アウトになります。室外で育てるには暖房費のコストが掛かり過ぎるため、太陽光発電や太陽光蓄熱の温水パイプなどの導入が必要です。本校では、この冬は実付きの良い株を選別し、実習室内に入れて過ごしました。【実習室内は冷暖房無し、しかし室温10℃以上はキープしてくれる】桜の便りが届き始めた今日この頃、そろそろ外に出してあげようと思っていますが…… 『寒の戻り』の心配が完全に無くなるまで、温存したいと思います。ちなみに、こちらのバナナの株たちは、外にあるIoT温室へと移植させます。土耕栽培になりますが、肥料は富栄養化した養殖水を用います。一般的なアクアポニックスとは離れますが、一応、無駄な排水は出さないという点ではSDGsな農法です。【IoTハウスの昨年の様子、約30株のバナナを栽培】昨年は12月までの収穫を終え、実付きの良い株を次年のスタメンとして残しました(実習室に入れている株たちです)。バナナが居なくなったハウス内には、落ち葉を敷き詰めて乾燥させています。これに岡山県の日生(ひなせ)産の牡蠣殻をしっかり砕いて、たっぷり蒔いて、耕します。【IoTハウスの現在の様子、これから土を耕して、バナナの苗を植えます】おそらく、今年の秋は大量に収穫できるのではと期待しております。……と、それよりも、「好適環境水で育てるバナナ」が本題です。【好適環境水ですくすくと育つバナナの根】写真で確認できる通り、新しい白い根がしっかりと伸び、新芽も出てきています。バナナは株分けで増やすのですが、この株分けも好適環境水の中で行えば、塩害に強いバナナの品種へと変貌するのではと期待しています(バナナは株分けなので、クローンになりますが……)。【次世代アクアポニックスを製作した卒業生たち】今年の秋には、タマカイの出荷とともに、バナナ(土耕栽培&水耕栽培)、バナナ(好適環境水の水耕栽培)も収穫出来るでしょう。この春から新生活を始める卒業生たちは、タマカイと好適環境水バナナを味わっていません。特に、バナナは甘いのか、しょっぱいのか!? 11月の文化祭へどうぞお越しください。皆さんで確かめましょう! もっと見る




研究が長く継続し、より多くの良い結果がまるでバナナのように実を結ぶとよいですね。いつも応援しています。