高級魚を養殖&国産バナナを育てる! 〜工業高校生が挑むアクアポニックス拡大計画〜

現在のアクアポニックスの研究施設を増設したい。養殖している海水魚の成長に伴い、大型の養殖設備が必要で、作物の栽培面積も拡大させたい。最先端の養殖環境を学校に整備し、学びの質を向上させ、人材創出を目指す。特徴として、「廃棄食品から海水魚の餌を製造する」という『完全循環型』のシステムを研究開発している。

現在の支援総額

448,500

12%

目標金額は3,500,000円

支援者数

56

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2025/03/17に募集を開始し、 56人の支援により 448,500円の資金を集め、 2025/05/31に募集を終了しました

高級魚を養殖&国産バナナを育てる! 〜工業高校生が挑むアクアポニックス拡大計画〜

現在の支援総額

448,500

12%達成

終了

目標金額3,500,000

支援者数56

このプロジェクトは、2025/03/17に募集を開始し、 56人の支援により 448,500円の資金を集め、 2025/05/31に募集を終了しました

現在のアクアポニックスの研究施設を増設したい。養殖している海水魚の成長に伴い、大型の養殖設備が必要で、作物の栽培面積も拡大させたい。最先端の養殖環境を学校に整備し、学びの質を向上させ、人材創出を目指す。特徴として、「廃棄食品から海水魚の餌を製造する」という『完全循環型』のシステムを研究開発している。

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アクアポニックスのもう一つの主役は「植物の水耕栽培」です。

水耕栽培は今でこそ形になってきましたが、まだまだ未知なところも多く、研究課題は多岐に渡ります。

当然のことですが、温室や室内であろうと、植物が健全に育つ条件を整えることが大切になります。

温度、湿度、栄養、光源など。それぞれどれが欠けても良い作物は育ちません。

・温湿度よりも、飽差を意識すること。空気の流れも作ること。

・三大要素、窒素、リン、カリウム、そしてマグネシウムやカルシウム、鉄分など。

・太陽光の中で、赤と青の光が光合成では重要。光量の調整も不可欠。


私たちは当初、農業(特に水耕栽培)については全くの無知に近い状態で研究をスタートしました。色々な失敗を繰り返し、それは今も続く挑戦です。

【本校初期の水耕栽培装置、育ち過ぎたリーフレタスと次々と消えていくメダカたち】


ーーそれでも、徐々に分かってきたこともあります。

水耕栽培にて、重要なことは「根にどれだけ酸素を届けるか」が最も大切になります。

植物の根は基本的に水の中にあります。呼吸が出来ないと根腐れを起こしてしまうので、しっかりとエアレーション(溶存酸素を高める方法)を行います。

イチゴや樹木については、根が水中に常時あることは好ましくありません。この場合、シャワー状で水を根に当てる、オートサイフォン(自動で水位が上下する仕組み)などを採用します。

【イチゴ水耕栽培装置、液肥の配合を間違え、糖分の粒子が葉を包む】


私たちがメインとしているバナナについては、根腐れの危険は最も低い部類の植物になります。しっかりと水中の栄養素を吸収しながら成長してくれます。

その他、レタスや春菊などの葉野菜も根腐れに強いです。唯一注意することは「根が一方向に流れていかないように工夫すること」が挙げられます。

葉野菜を大きくしっかりと育てようとすると、想像以上に根が繁茂します。すると、どうしても根によって水流に淀みが出来ます。そして、酸素不足に陥っている箇所で根腐れを起こすことになります。

試行錯誤しながら徐々に分かってきました。例えば、浅く広めのトレイで栽培する、栽培棚に送り込む給水口と排水口を工夫することなどで解決できました。


ーーバナナについては、何といっても『温度』次第というところです。

【初期のバナナ水耕栽培装置、トロ舟で川魚を飼い、その水をプランター上部へ循環】


冬季は何度も枯らしては、春からもう一度育て直すということを繰り返しました。冒頭の写真は、試作のビニールハウスで枯れたものです(加温無し)。

外気温が0℃を下回るような朝、厚めの氷が張るような朝は、アウトです。ハウス栽培であろうと、しっかりと暖房を入れないと枯れてしまいます。

(たとえ「耐寒性がある」と言われる品種も無理です)

ハウス内を5℃以上、出来れば10℃以上をキープしなければなりません。10℃を下回ると葉は枯れてしまい、成長は止まります(幹や根は生きています)。本校が位置する岡山市では、冬季の寒い日は氷点下3℃くらいになります。これが数日続くと、アウトになります。

室外で育てるには暖房費のコストが掛かり過ぎるため、太陽光発電や太陽光蓄熱の温水パイプなどの導入が必要です。

本校では、この冬は実付きの良い株を選別し、実習室内に入れて過ごしました。

【実習室内は冷暖房無し、しかし室温10℃以上はキープしてくれる】


桜の便りが届き始めた今日この頃、そろそろ外に出してあげようと思っていますが…… 『寒の戻り』の心配が完全に無くなるまで、温存したいと思います。

ちなみに、こちらのバナナの株たちは、外にあるIoT温室へと移植させます。

土耕栽培になりますが、肥料は富栄養化した養殖水を用います。一般的なアクアポニックスとは離れますが、一応、無駄な排水は出さないという点ではSDGsな農法です。

【IoTハウスの昨年の様子、約30株のバナナを栽培】

昨年は12月までの収穫を終え、実付きの良い株を次年のスタメンとして残しました(実習室に入れている株たちです)。

バナナが居なくなったハウス内には、落ち葉を敷き詰めて乾燥させています。これに岡山県の日生(ひなせ)産の牡蠣殻をしっかり砕いて、たっぷり蒔いて、耕します。

【IoTハウスの現在の様子、これから土を耕して、バナナの苗を植えます】


おそらく、今年の秋は大量に収穫できるのではと期待しております。

……と、それよりも、「好適環境水で育てるバナナ」が本題です。

【好適環境水ですくすくと育つバナナの根】

写真で確認できる通り、新しい白い根がしっかりと伸び、新芽も出てきています。バナナは株分けで増やすのですが、この株分けも好適環境水の中で行えば、塩害に強いバナナの品種へと変貌するのではと期待しています(バナナは株分けなので、クローンになりますが……)。

【次世代アクアポニックスを製作した卒業生たち】

今年の秋には、タマカイの出荷とともに、バナナ(土耕栽培&水耕栽培)、バナナ(好適環境水の水耕栽培)も収穫出来るでしょう。

この春から新生活を始める卒業生たちは、タマカイと好適環境水バナナを味わっていません。

特に、バナナは甘いのか、しょっぱいのか!? 

11月の文化祭へどうぞお越しください。皆さんで確かめましょう!

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