自己紹介
小川 公男(OGAWA Kimio)
信楽焼は「日本六古窯」と呼ばれる日本最古の陶器製造地の一つ。信楽には1300年続く伝統と職人の技が引き継がれています。私はその地で明治初期に創業した窯元、菱三陶園(ひっさんとうえん)の5代目です。
菱三陶園では、これまでの伝統を守りつつ時代のニーズに合わせた多種多様なやきものを世に送り出してきました。現在では世界の一流シェフたちに認められる器として、ハイエンドレストラン、ミシュランやベストレストラン、ベストホテルズを中心に国内外のレストランから受注生産しています。
生産に至るまでのプロセスにおいて、私たち職人は、料理人が思い描く世界観を器で表現し具現化していきます。佳い料理を佳い器によって完成させる…そのためには昔ながらの自然界にある原料をできるだけ使い、土から成形、焼成、販売と一貫生産する。これが菱三陶園は大切にしている“こだわり”でもあります。ひととひととの出会い、ご縁、そこで交わされる言葉や思い。それらすべてが器の完成に必要な“原料”そのものです。つまりそこに唯一無二の物語が存在するのです。
菱三陶園では近年あらたなチャレンジとして、一度割れたり破損した陶器を微粉末にし、さらに新しい粘土と混合して、再生陶器を製造販売しています。この技術が、2024年1月1日に起こった「令和6年能登半島地震」により破損した能登瓦と出会いました。きっかけは能登半島の小さな集落でのボランティア活動です。海沿いの集落の象徴であり、自慢でもあった能登瓦が山積みとなり、「災害ゴミ」とされて処分されていく。そこで生まれたのが、「能登瓦を微粉末にし、能登瓦再生食器を作り有名販売店や、レストランに販売し、売上の一部を被災地に寄付する活動に活かそう」という取り組みです。
すでにこのチャレンジは、複数の新聞社等、マスメディアに取り上げられており、映像としてはNHKで何度も放映されております。
このプロジェクトで実現したいこと
元旦に発生した令和6年能登半島地震でのボランティア活動は、春・夏と継続。自宅に住むことができない被災者の方々は応急仮設住宅の建設により、引っ越しも始まっていました。住み慣れた集落の復旧も進み、「次の新年は自宅で迎えることができる」と希望を持った方も多くおられました。そんな矢先、9月21日に豪雨災害が起こったのです。
被災者の方々もご支援を継続している私たちも言葉を失いました。すでにご家族を亡くされた方、家や家財道具を失い、働くこともできず、仮設住宅で暮らす方が多数おられます。私たちがご支援させていただいている輪島市門前町道下第1団地は279世帯が入居する巨大な仮設住宅団地です。
この地域の瓦から再生陶器を作り、仮設住宅の中に再生陶器の展示売場を設置する計画を進めています。さらに仮設住宅に入居されてる方に販売していただくことで、販売の楽しさ、お客様との会話、仮設住宅に引きこもっておられる方が外出する機会など、多くのきっかけづくりへとつながります。
仮設住宅の中に能登瓦再生陶器売場を設置することができれば、さまざまな交流が生まれ、それによって被災地の人が笑顔になれると考えています。
輪島市門前町道下の仮設住宅に陳列場所を作り、門前町のいろんな商店に陶器売り場を作っていこうと思います。
プロジェクト立ち上げの背景
5月にボランティアに参加させていただき陶器の配布のほかに、陶器屋の自分ができる活動がないか考えていると、自分には、再生陶器のノウハウや、海洋ゴミや、廃材を陶器に混ぜて再生陶器を作る技術があると思い、沢山の家屋の倒壊による破損能登瓦と再生陶器の技術をミックスさせて、能登瓦再生陶器を完成させて、東京の有名ショップで販売すれば、売上の一部をボランティア活動をされてる人達に還元できると考えました。
現在、商品は完成しており、近々発売となります。
リターンについて
能登瓦再生陶器で作った、湯呑み、ビアマグ コーヒーマグ 飯碗 皿大 皿中 皿小 ボウル大 ボウル中 です。
スケジュール
1月1日 クラウドファンディング応募スタート
2月28日 クラウドファンディング終了
3月1日 売り場設営
4月1日 能登仮設住宅にて能登瓦再生陶器販売
4月5日 リターン発送
最後に
陶器屋の自分ができる能登瓦再生陶器で能登の人達が、笑顔になれ、再び生きる希望や、生活への楽しみが取り戻せれば 大変嬉しく思います。
最新の活動報告
もっと見る再生陶器が届いたら・・・
2025/04/20 01:06前回の売り場設営に続き、ご報告です。みなさまへのリターン発送の準備が進みつつあります。もう少々お待ちください。さて、再生陶器について、お伝えしたいことがございます。能登半島の中でも、この能登瓦をお預かりしたのは輪島市門前町の海岸線を奥に進んだ「深見」という集落でした。そこで地震による被害家屋の復旧作業を学生ボランティアらと進めていました(実は今回の報告記事は学生ボランティアの現地コーディネーターである私、山本克彦が書かせていただいてます)。黒く鮮やかな光沢、土の色とのコントラスト…割れた瓦たちを手にするだけで、その美しさを感じました。ずっしりとした重さ…「伝統的に土葺きを使用せず、全ての瓦を緊結線などで留め付ける工法」であることが特徴だいうお話もお聞きしました。廃棄するためには土嚢袋に入れる必要がありました。ボランティアの学生たちは、能登瓦をハンマーで割りながら袋詰めをしていました。なんとも悲しい気持ちになりました。そんな風景があって、なんとかこの能登瓦を活かしたい(生かしたい)と、再生陶器のプロジェクトが誕生しました。仕上がった再生陶器は“能登瓦”そのもののイメージです。しかしこのプロジェクトで姿を変えた「能登瓦 → 陶器」は修復や復元ではなく、再生なのです。むずかしい話はここまでにしますね。一度、能登瓦の姿を微粉砕し、新しい土とのバランス、焼き上げるまでの過程、温度も湿度も時間も…試行錯誤があって、再生陶器が完成しています(これは小川公男さんの職人技ですね)。再生陶器についてお伝えしたいこと、それは釉薬(ゆうやく)が塗られていない部分に見える「黒い小さな粒々」のことです。バニラアイスで見かけるバニラビーンズシード(種子)のような、よく見ると、ここにもあそこにも…と気づく粒々。これが生まれ変わる前の、最初の能登瓦の表面の黒い部分、瓦として生きて来た、その証なのです。再生陶器がみなさまに届きましたら、能登瓦の美しさ、能登半島の風景を思い描きながら、そっと陶器の隅々までご覧いただければと思います。お茶も珈琲も美味しくいただける能登瓦再生陶器…小さな粒々に思いを馳せるそんな楽しみ方もあることをお伝えしたく思いました。そして実際に能登半島への旅を計画していただき、総持寺通り商店街へお立ち寄りいただけますと幸いです。 もっと見るご支援くださったみなさまへ
2025/04/14 12:00こちらの活動報告は支援者限定の公開です。売り場が完成しました!
2025/04/14 07:00能登瓦再生陶器の売場造りプロジェクトへのご理解、ご協力、本当に感謝いたします。さて前回のご報告以降、準備を進めてまいりました。石川県最大級の応急仮設住宅「道下(とうげ)第一団地」の集会所では、すでに能登瓦再生陶器の展示をしていただいております。滋賀県信楽にある菱三陶園から集会所までは400kmほどの距離がありますので、ふだんは集会所を管理されている地元住民の方々に管理をお願いしています。再生陶器の評判は良く、購入を希望される方や注文をしてくださる方が多くいらっしゃるとのことでした。こうした状況の中、本格的な売り場設置へと夢は広がり、同じ輪島市門前町の「総持寺通り商店街(道下第一団地から約4km)」の沢田陶器店さんでの販売が決まりました。大本山總持寺祖院(石川県輪島市門前町)の寺下にある商店街では、700年以上も前に開基された總持寺とともに、栄えてきましたが、現在は仮設店舗で再出発をしているところです。早速、展示・販売用の棚を発注し、そこに並べる再生陶器の製造を開始。ようやく準備が整い、4月13日(日)に輪島市門前町へ。到着してすぐに、みんなで棚の組み立てです!ああでもない、こうでもない…作業はパズルを組み立てるようで(笑)その後、沢田陶器店さんの一角へ…、そして再生陶器を運び込みます。さてどんなふうに並べるのかは、プロのチェック!!なんとかディスプレイ棚の組み立てから再生陶器を並べおえる作業まで、多くの方の協力によって、無事に終えることができました。 歴史ある総持寺通り商店街へ、観光客をはじめ、多くの方々がこの地を訪ねてくださることを願い、今後も細かく打ち合わせを重ねながら、現地のみなさんの笑顔が広がるように活動を継続してまいります。 もっと見る
コメント
もっと見る