先日、こちらでご報告させて頂いた通り、皆様から多くのご支援を頂き、無事、はじめてのクラウドファンディングを終了することができました。重ねて御礼申し上げます。
「パトロンに限定公開」という方法があることに今さら気づき、少しでもご支援頂いた皆さんの参考になればと、初心者猟師の僕ですが、個人的なサバイバル術を書いてみます。何か参考になれば幸いです。
まず、サバイバルには”3の法則”というのがあるそうですね。
・3分:空気(酸素がなければ3分程度しか生きられない)
・3時間:体温保持(適切な体温を保持できなければ3時間程度しか生きられない)
・3日間:水(水を飲まなければ3日間程度しか生きられない)
・3週間:食糧(食べなければ3週間程度しか生きられない)
酸素を持ち歩くのも難しいですし、お住まいの環境などで緊急時に必要な道具は大きく異なりますので、適宜みなさんで解釈して頂いて、参考にして頂ければ幸いです。(以下が僕の大まかな防災リストです)
家の備えとは別に、軽トラにも平時から色々積み込んであります。猟で山奥までひとりで行くことも多いので、備えておくことは必須だったりします。
(※現在は上記の装備に加えて軽トラにジャンプスターターや伐採などの仕事道具でもあるプラロック(手動牽引機)、軽量プーリー、カラビナなどを積んでいます。その分、下記のエマージェンシーシートもあるので寝袋は下ろしました。)
例えば、常に軽トラに積んである「バッテリー予備とインバーター」これ、普段は罠にかかった猪の止め刺しにつかう猟の道具なんですが(棍棒で倒すのが危険な場合は電気で感電させて動きを止める道具です)、高価な発電機を持ってなくても、どこでも電源が確保できます(本来はそっちだ)。また、山中や旅先などで車のバッテリーが上がっても大丈夫です。今回は避難所での電源確保(情報収集)に役立ちました。
都市部であれば、避難用品の中に「3口電源タップ」なんかも入れておくと良いかもしれません。避難先でも電源を分け合えます。
また、備えを「安全の確保」「水の確保」「火の確保」「食料の確保」など要素によって体系的に整理しておくことも有用だと思います。
「水の確保」でいえば、うちはもともと上水道は引かれてないし、湧き水がある環境ですが、いざという時のために「携帯用浄水器」を持っておくと安心かも知れません。僕はこれを使ってます。砂利や落ち葉などで簡易的な浄水装置もつくれますが、こちらの方が簡単で安心だと思います。
「火の確保」これは主に都市部で暮らしてる皆さんには馴染みが薄いかも知れませんが、僕らはよく杉の枯葉を着火剤として使います。あと有名なのは松ぼっくりですね。ただ、雨でも雪でも、確実に火を確保することを考えるとファイアスターターや着火剤などあると安心だと思います。意外と知られてないのは布ガムテームはいい着火剤になります。アウトドアが好きなお父さんはフェザースティックなんか作れると秋のキャンプではカッコイイと思います。
「食料の確保」これはうちのような山暮らしと都会の皆さんでは大きく状況が異なると思いますが、今回の災害でも何ら困ることはありませんでした。田舎は食料豊富です。個人的には陸の孤島になっても最低でも2-3ヶ月は大丈夫だと思います。割と強い子です。最悪、何か獲ってきますから。
・・・あくまで上記のリストはうちのような山暮らしの場合ですが、皆さんお住まいの環境に合わせられると良いと思います。たとえば、鉈や鋸、ナイフなんてのは必要もなく携帯していると銃刀法違反で捕まりますのでご注意下さい。
特に都市部にお住まいの皆さんにおすすめはこちら。平時から簡単なエマージェンシーキットを組んでおかれると安心だと思います。「エマージェンシーキット」は「応急セット」と「サバイバルセット」を組み合わせたようなもので、下のセットはいつも僕が軽トラに常備しているものです。
小さポーチですが、中身はおよそ以下が入っています。
・常備薬(虫刺され、頭痛、風邪、痛み止め、腹痛など)
・応急セット(包帯、絆創膏、消毒薬、ORS、サポーター、ポイズンリムーバーなど)
・サバイバル用具(ブランケット、釣り具、ナイフなど)
・その他、笛、着火具、筆記具、懐中電灯、紐などなど
※ORSとは...下痢・嘔吐、脱水症状の時に飲む経口補水液の材料です。砂糖40g塩3g、これを水1Lに溶かして飲みます。ただし、心臓や腎臓に負担をかけることがありますので、医師からナトリウム(塩分)やカリウムの制限を指示されている方はご注意下さい。
以上が僕のエマージェンシーキットですが、大切なのは、普段から使うこと。普段使ってない道具は緊急時には役に立ちません。また、使ってない時でも月に一度程度は点検、更新をおすすめします。
道具同士の組み合わせ利用なども考えておくと良いと思います。たとえば上のポーチには鉛筆が入ってますが、鉛筆は濡れても書ける、濡れても消えない便利な筆記具です。骨折の際は添え木になりますし、芯の炭素には通電性があるのでバッテリーなど接触不良の際には鉛筆をこすると接触が良くなったりします。
鉛筆やライターには布ガムテームを巻いてますが、これは怪我の際に包帯代わりになるし、上述のように着火剤としても利用できます。
上の写真中、銀の小さな缶はポーチの中身から厳選して、最低限の道具を詰め込んだものです。主に渓流釣りや山歩きに持ち歩きます。たしかお菓子の缶か何かでした。
(猪肉は食べても食べても減りません。猟期までに在庫一掃セールを開催中です)
重ねてになりますが、僕の住んでいるような山暮らしと、都市部での暮らしでは緊急時の環境が全く異なります。上のようなエマジェンシーキットを普段から持ち歩くのも難しいでしょうし、状況を想像しながら最低限のものを身につけておかれると安心だと思います。
何よりも、大きな災害が皆様のところでも起こらないのが一番ですが、日頃から備えておくといざという時役に立ちます。何か少しでも参考になれば幸いです。
以上のように、普段よく山や川に入るので(遊んでばっかりだ)色々と備えています。身近な虫や動物と一緒で猟師も臆病な生き物なのかも知れません。
サバイバルというと大げさかも知れませんが、備えあれば憂いなし、です。
上で紹介した道具は今回の災害でもとても役立ってくれました。今日の昼ごろはまた強い雨が降りました。少し崩れた箇所もありますが、大丈夫でした。これから台風も来ます。うちの集落もまだまだ備えておく必要があります。皆様お住まいの地域も災害などありませんよう。
【集落の状況報告】
地震と豪雨の影響で未だ道路は大きく寸断されており、狭く危険な迂回路を利用しております。一部では大きな土砂崩れのため当面断水と全面通行止が続きそうです。電話は一部で電柱がポキポキ折れているので不通箇所があります。
※集落では道路状況が酷いため、現在災害ボランティアの受け入れを行っておりません。必要に応じて知人・友人を頼りながら人力復旧作業を進めております。地区外の方の不要な通行は大変危険で復旧工事の支障にもなりますのでお控え下さい。
2016/07/11 夜
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あれから2年。今日も強い雨が降りました。なんだかこの時期に強い雨が降ると構えちゃいます(笑 とはいえ、雨が強くて何もできない1日だったので、罠にかかってた鹿と猪をのんびりさばいていました。あれだけ大きな災害があったのに、2年立ってこんな日常が戻ってきたのは皆さんのご支援のお陰です。改めて御礼申し上げます。 先日は大阪に大きな地震が来たり、なんだかまだまだ油断はできませんね。このメモが何か皆さんの暮らしにも役に立てば幸いです。
2018/06/20 夜 追記
ーー(防災関係リンク集)ーーーーーー
【気象庁】
【国交省】
【雨の様子】
【情報の確保】
NHKオンライン(※ニュース同時提供)
ラジコ(インターネットラジオ)
【その他】
その他、必要な情報は自治体HPなどで。
【携帯アプリ】