
映画『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』スタッフです。大変、お久しぶりの活動報告となります。お手元にご支援いただいたリターンが届いた方もいらっしゃるかと思います。改めてこの度はありがとうございました! みなさまとシタンダリンタ監督の今日までの日が、照らし合わせることができるような活動報告になれば。
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先日、友人の店に行くとたまに音が飛ぶというその古いスピーカーから、dillydally「したたかでありつつ」が流れ始めた。我ながら変で面白い曲.....。最後まで飛ぶこともなく、ラストまで聴き終えた。ちょっと恥ずかしかったので1回くらい飛んでくれれば良かったのに、音。
思えばこの「したたかでありつつ」のリリースから早いもので1年が経ち、映画『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』の撮影開始からも1年半が経っている。ここは濁しても仕方ないので明言するが、大幅に遅れに遅れている。しかしこれが遅れているというのか、遅らせているというのかは随分と曖昧なところである。
映画『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』の制作にあたって、当初から決めていることが幾つかある。そのうちのひとつは、“基本的には完成度重視を極めること"。
これまで、どうしても予算の兼ね合いから、キャストやロケ地のスケジュールの都合から、四方八方あれやこれやの方面から生まれる様々な弊害に対して、臨機応変さを武器に知恵と努力と意地でなんとかモノにする、という映画の作り方をしてきた。勿論、今の僕の力では莫大な予算や大規模な撮影ができないからこそ、そうやって知恵を絞って作ることを楽しむしかないわけで。そのインディペンデント精神、これに関してはむしろこれからの僕がいつか、今の僕が手にできていない莫大な予算を手にすることができたとしても、きっとその知恵と努力と意地でなんとかしていく過程を楽しむ気持ちは捨てきれないだろうな、と安易に想像がつくほどに、映画製作において大きく愛している部分ではあるのだが。
けれど本作は、まず音楽映画、業界モノ、10年間の物語を彩るあまりにも多すぎるキャラクター陣、大都会から大田舎から夏から冬から夜から朝からありとあらゆる撮影シチュエーション、ライブシーンやらパーティーシーンやら首都高爆走やら大規模なシーンの連発、はっきり言って、知恵をいくら振り絞ったってまず撮影スタートにすら及ばないようなシーンばかり。だからこそクラファンをしたし、だからこそクランクイン前に情報解禁をしたし、ライブシーンはもう実際にライブして撮っちゃったし。
これまでなら知恵でなんとか逃げ切っていたようなところ(訂正。逃げてはない、駆け抜けていたのだ)を、準備にたっぷり時間をかけ、撮影にたっぷり時間をかけ、映像の中に映したい人数をたっぷり用意して、僕が脚本を書いた時に思い描いたビジュアルを最大限、実現させていくし、実現させていただいている。カメラの台数も撮影を重ねる度に容赦なく増やしているし、突発的に思いついた要素(ちょっとした小ネタ演出、ちょっとしたキャラクター)はなるべく間に合わせて画に収めている。
結局のところ、それでもやっぱり知恵を絞って、ないものをあるように見せたり、あるものをないように見せたりしてはいて。とはいえやっぱり今までよりは圧倒的に、ちゃんとないものをちゃんとあるものに変えて、ちゃんとあるものはちゃんとないものに変えていけてる。ネタバレもあるし具体的なことをあまり述べられないので、必然的になんだかふわっとした話になってしまってるけど、作り手としてはこんなに贅沢な制作もないなというほどに、たっぷり時間をかけてたっぷり純度の高いシーンを着々と収め続けている。
個人的な話。春から連続ドラマ『世界狭い』が始まったり、新作映画『想うようにいかない』『伊藤絲のMama's Summer』の制作があったりして、当初は終わってる予定だったこの期間に元々あった様々な企画が並行し始め、映画『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』の撮影スケジュールはより調整が困難になっている。
けれどそれでも僕は、定期的に本作の主人公・辻翠=dillydallyになって、売れるために若さを買った中身は50歳の若きシンガーソングライターの悲哀を演じて撮ってしている。この映画が完成した時にやっと答え合わせしていただけるのが少し待ち遠しくもあるのだけど、おそらく完成した本作をご覧いただいたらきっと分かっていただけるだろうことは........とにかく今作はシーン・数カット数共にあまりにも膨大すぎる(なんだかこの手の話をもうこの活動報告コラムで毎度言っている気がする)。
通常の映画のシーン数・カット数の倍どころではない。10年間の物語であり、本編尺も予定ではかなり長編になる予定なのでそれはそうなのだけど、にしても膨大すぎる。そしてワンシーンに対する密度があまりにも異常である。僕は今作を制作するにあたって決めていたことのもう一つに、とにかく物量で勝負したいという気持ちがあって。まぁいっちゃえば、僕はもう“ドパガキ”なのである(初めてこの言葉を使った……なんだか気持ちイィ!)。
ドパガキ=「ドーパミン中毒のガキ」の略。SNSやゲーム、短い動画など、手軽に快感や刺激を得られるものに依存し、刺激がないと退屈に感じたり、集中力や忍耐力が低下したりしている人を揶揄するネットスラング。簡単に言うと、強い刺激や即時的な快楽ばかり求める人のこと。
まぁいっちゃえば、僕はもうドパガキなのである。とにかく矢継ぎ早に繰り出されるありとあらゆるカットや人物、インサートの嵐。音楽業界の忙しなさと主人公を含む若き仲間たちの10年間の邂逅。前作『想うようにいかない』などはワンカットも長く、トーンも淡々としていて、静けさにこそ味わいが残ると信じていたけれど、それでいうと本作は真逆のようなつくり。とにかく鑑賞後のお客様に残したいのは圧倒的な満足度と疲労感。要するに、ドパドパしていただきたいのである。物語としても、まるで一本の映画で描くような量ではないほどに色々なことが起こる。作りながら自分でドパドパしている。

さて、映画作りの大変さ、そのほとんどを占めるのはぶっちゃけのところスケジュール調整である。特に今作は明確な期間に固定された数人のキャストを抑えさせてもらって撮るばかりではなく、色々な業種(分かりやすいところだけで言っても、俳優・モデル・ミュージシャン・映画監督・DJなどなど)の色々な皆様にあちこちご参加いただいて、さらには場所も東京・大阪・福岡・広島・海外⁉︎ と様々なのでとにかく噛み合うところが少なすぎる。
さらにはロケ地も、ライブハウスから何から特に調整が難しいような場所ばかり。はっきり言って、どうしてこんな大変なテーマを扱ってしまったのだろうと後悔してしまうほど。それでも関係者の皆様、なんともありがたい調整を重ねてくださり、ゆっくりではありながらも、着々と完成への道を歩き続けているのです。関係各位、本当に本当にありがとうございます。
そろそろお気づきかとは思いますが、今日の活動報告コラムはその実、言い訳コラムなのであります。
当初2026年公開と銘打っていたものの、2027年に突入する模様。各所に睨まれながら、同時にあちこちへ謝りながらも、なんとか……自分がこれまで作ってきたどの映画でも撮れなかったシーンを取りこぼさず収めに収めたいのです。
楽しみにお待ちいただいてる皆様、お待たせして申し訳ございません。もう少し、その楽しみを倍増させながらお待ちいただけますと幸いです。クラファンのリターンもTシャツやポストカードなど順次発送が始まっています、お待たせ致しました。Tシャツ、あれは本編にも登場するTシャツですので、でへへへへ。
とはいえ、完成をただお待ちいただくだけにはいきません。今後も映画『JUST A ROOKIE LUCKY ROOKIE』から、あんなものやこんなものをお届けする準備をしています、こちらは気長とは言わず気短にお待ちいただければ幸いです。ここだけの話(ここだけの話を誰でも読めるここでするのはむしろもうここだけの話ではない気がするけど)、dillydallyのニューシングルも仕込んでおります。我ながらこれまた、早く聴いてほしい一曲。最後まで音も飛ぶことなく、聴き終えていただけますように。
初めて長編映画を完成させた中学2年生からもう少しで10年が経とうとして、拙いながらも公に発表した初めての作品『或いは。』から考えてももうすぐ7年。
昔から何故かちょこちょこ手を出していた習い事やお遊びそのどれも続かなかった自分が、もう人生の半分以上映画を作ることに没頭してしまっている。なのにまるでこの映画は、初めて映画を作っているような新鮮さと不慣れさと手応えで毎日を駆け抜け続けている。そう言えば聞こえは良いけれど、各所に迷惑をかけ続けてもいるため、そろそろ本当に撮り終えないといけない、もうすぐ冬。
シタンダリンタ




