
成鳥期を迎えた小鳥のための食餌には、生命の維持に使われる各種栄養素をバランスよく満たしている必要があります。しかし、シードだけでは特にビタミンA、ビタミンC、ヨウ素が不足してしまいます。そこで、シードでは不足してしまう栄養素を補うためのペレットを混合した食餌を作ります。シードとペレットの構成比は1:1を予定しています。

ビタミン剤や野菜をあげているから問題ない?
毎日の主食はシード単体でも、ビタミン剤や野菜、フルーツをあげているから問題ないのではないか?と考えている飼い主さんは少なくないと思われます。もちろんその食餌に問題はありません。ビタミン剤は不足しがちな栄養素を手軽に添加できますし、新鮮で瑞々しい野菜とフルーツは小鳥にとってご褒美となり環境エンリッチメントにも貢献します。
※環境エンリッチメント:心身の健康を保つための環境作りのこと
問題はないのですが、2つの懸念があります。
①どんな栄養素をどの程度与えられているのか不明確
豆苗はビタミンAとビタミンCを豊富に含み、安価で入手しやすいことから食べさせる機会が多い野菜の1つです。では、豆苗100 gあたりに含まれるビタミンCは何mgでしょうか。そして、みなさまの愛鳥は豆苗を何g食べているのでしょうか。ほかにどんな栄養素を含んでいるのでしょうか。
ビタミンCは多く摂取しても健康上に悪影響を及ぼしませんが、一部の栄養素は摂りすぎるとむしろ健康を損なってしまいます。どんな栄養素を何g含んでいるのかが明確になれば、より小鳥の健康に貢献できるのではないでしょうか。
②毎日摂取しなければならない栄養素がある
2024年4月15日から2024年4月21日の7日間、セキセイインコもしくはオカメインコの飼い主さんを対象にオープンチャットにてアンケートを実施しました。愛鳥に野菜やフルーツを食べさせている頻度に関する質問では、「気が向いたら与える」という回答が最も多くなりました。次いで「毎日」、「週2~3回」と続きました。

統計資料として扱うにはサンプル数が少ないのですが、個人的な感想としてこのアンケートでは日頃食べさせている食餌に気を使っているような印象の回答がたくさんありました。ところが、野菜やフルーツを毎日食べさせている飼い主さんは少ないという結果を得ました。
栄養素には体内に蓄積できるものと蓄積できないものがあり、蓄積できない栄養素は毎日摂取しなければ不足してしまいます。ビタミン剤を与えているかどうかを聞き忘れてしまったためこのグラフ1枚で決めつけることはできませんが、それなりの数の小鳥が必要な栄養素を毎日摂取できていないおそれが指摘できるだろうと考えています。もしカップに入れるだけで毎日必要な栄養素を摂取できる食餌があれば、小鳥の健康を大きく増進できるのではないでしょうか。



