
前編の最後、「今夜よかったら」と老夫婦から届いたメッセージ。
まるで導かれるように向かった先は、都心の中心地にある10階建のビル。
“青い鞄”がくれたご縁が、思いがけない場所へと連れていってくれました。
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まずは駅近のプロントというカフェで合流しました。
メニューがとても可愛くて、「キッサカバ(喫茶×酒場)」という新しいスタイルに嬉しくなりました。お二人がハイボールを飲んでいるのを見て、私もハイボールを頼みました。実は、ただのハイボールじゃなくて、アップルハニー味なるハイボールがあることを知って、悔しかったです。次こそは、可愛いメニューにあった可愛いハイボールを頼むぞ。
軽く食事をご一緒した後、青い鞄を肩に、そのままビルの中を案内していただきました。

玄関を開けると、整ったお部屋にシャワー室やキッチンなどがありました。こんなビルを都心に所有されている方が家に招いてくれたのかっ・・!と目をまん丸にしながら部屋を巡りました。
学生が横になれるソファーベッドや、大きな液晶テレビなど、さまざまに拝見させていただき、大変ありがたかったです。
帰り際、ふとお互いの靴を見てびっくり。
なんと、先方の旦那様も、僕も、真っ青なブルーの靴だったんです。僕は東京で初めての青。そして、旦那様も「今日初めて履いた靴なんですよ」と。
そんな偶然が重なって、これはもう「青の奇跡」を感じていました。
旧日本の暦では、24節の、耕雨を区切りに夏になるのですが、お二人にあった日はそのちょうど前日。つまり、最後の春の日。
青の奇跡。青の春。
嬉しくて、美しくて、愛しくて。
(こんな素敵な巡りに命を震わせて、
これからも生きてゆきたい。)
10月以降、地方から上京してくる学生さんが泊まれるような場所を探していることをお伝えし、今度こそ本当にお別れ。
帰り道。ふと、千代田線の電車広告が目に飛び込んできました。

そこには、「青い鞄」のCM。ポカリスエットの広告でした。
今回の出来事は、いろんな角度から
「すごいね」「奇跡だね」と語れるけれど、
僕が何より感動しているのは──
"青い鞄"への愛しさです。
青い鞄が、青い靴を引き寄せてくれて。
青い靴を履くのに手間取ったことで
生まれた時間の微妙なズレが、老夫婦との出会い、相席の時間を生み、あの美しい景色を見せてくれて、最後にCMでその全ての瞬間を祝福するように登場してくれた。
全ての始まりは、青い鞄だったんです。
大切に、愛おしく、丁寧に扱われたものは、
ただの「物」じゃなくなる。それは宝の物、宝物になる。
きっと、前の持ち主の方が心から大切にしてくれていたんだよね。
ありがとう。
愛してるよ。
どれだけ言葉を尽くしても届かないかもしれないけれど、
宝物になってくれて、ありがとう。
そして、力になってくれて、
本当にありがとう。
あなたにとっての「宝物」って、何ですか?
それは、どんなふうに、あなたの人生に寄り添ってくれていますか?
きっと、その宝物が 今日もあなたの人生に喜びを添えてくれますように。
P.S.
青い鞄が連れてきてくれた、春の終わりの小さな奇跡。
でも、物語はまだ、ここでは終わりません。
この翌日、僕は文科省へと向かいました──
新しい出会いと、夢の続きを育てるために。
▶ 次回:「春の終わりと、夏の夢。はじまり。」
シェークスピアもびっくり、不思議な喜劇が幕を開けますーーー



