皆様のご支援により実現した山形公演(10/3~4)について、終演以後さまざまな視点からの振り返りを行ってきました。
こちらでは、運営サイドからのレポートをお送りいたします。
まずはメディア対応をご担当いただきました岩中可南子氏によるレポートです。
荘銀タクトに響いた共振のリズム── あしプロ×Kickin' Dance Fam 公演レポート
今回、私はメディア対応という立場で公演に関わり、当日は取材対応や受付の手伝いをしました。実は、あしプロもKickin' Dance Famも、人や活動は知っているけれど、生でパフォーマンスを観たことがありませんでした。あしプロは、自分が編集者として関わっているメディアの記事でご紹介したことがあり、Kickin' Dance Famは仕事で関わっていた山形ビエンナーレで菊地さんとご一緒したことがあり、鶴岡もずっと来たかった場所なので、今回お声かけいただいた際にはご縁を感じて、とても嬉しかったです。
作品について何か振り返りできるわけではないのですが、初めてその場に立ち会った一人として、印象に残ったことを幾つか書き残しておきたいと思います。
出演者一同:Kickin' Dance Fam & あしプロ
まず印象的だったのは、舞台上に設けられた平台の上に、パフォーマーも観客もともに上がるという構成でした。パフォーマーと同じ目線で作品を観て、足元から伝わる振動や足音を身体で感じる。そしてラストでは、パフォーマーに誘われて、観客も舞台上で踊る。舞台と客席の境界がほどけていくような、一体感が溢れる舞台でした。
タップダンスとヒップホップという、異なるスタイルをもつ2つの団体がコラボレーションする難しさと面白さも、作品の中に現れていたように感じます。1つの作品を一緒に踊っているのに、どこかバラバラでもあり、それでも同じリズムを共有している。そして、全体としての群れの中から、立ち上がってくる何かがある。その不思議な調和とズレが魅力的でした。
舞台上だけでなく、今回の会場になった荘銀タクトの空間全体が、コラボレーションの場になっていたことも、印象に残っています。当日、エントランスではアフリカンダンスが行われていて、吹き抜けに太鼓のリズムが広がるなか、本番前にもかかわらずパフォーマーの皆さんが思いっきり踊っていて、思わず笑ってしまいました。タップダンスのルーツはアフリカにある、という話をアフタートークでなつこさんがされていて、その光景と自然につながった気がしました。
エントランスでのアフリカンダンス
また、ロビーでは、山形の福祉施設のプロダクトが並ぶ「みってん市」という、菊地さんが代表を務めるtoall 企画のマルシェも開催されていました。マルシェに来た人がたまたま公演を知って観てくれたり、関係者があしプロのワークショップコーナーの案内をしてくれたり、自然と交流が起こっていました。こうしたこともまた、大きい意味での”コラボレーション”だったような気がしました。
みってん市
作品としてのコラボは、今後もたくさんの可能性があるように思います。そのプロセスの中で、大きなホールで上演することは、とても意義があることだと思います。そして、それをクラウドファンディングで実現したことにも、みんなでこの場をつくったという実感がありました。
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岩中可南子(アートマネージャー、編集者)
日常から生まれる表現や、多様な背景をもつ人々やコミュニティとの協働作業を通じた表現活動に関心を持ち、フリーランスのアートマネージャー、パフォーミングアーツの制作、編集者として活動。福祉をたずねるクリエイティブマガジン〈こここ〉編集部メンバー。https://co-coco.jp/




