
皆様のご支援により実現した山形公演(10/3~4)について、終演以後さまざまな視点からの振り返りを行ってきました。こちらでは、運営サイドからのレポートをお送りいたします。
今回は、あしプロの理事であり総合演出の塩田久人氏によるレポートです。
「VISION & TO KNOW」山形鶴岡公演を終えて/塩田久人
まずはクラファンで応援して頂きました皆様、関係者の皆様へ。
本当にありがとうございました。
様々な立場からの振り返りがあるかと思いますので、総合演出としての振り返りをしていきたいと思います。
今回の遠征で、あしプロとKickin' Dance Famの皆様との合同舞台となったわけですが、公演中に見えていた景色と、改めて考えなおしたり、見直したり、時間を過ごした後の見え方が変わる舞台だったかなと思います。
公演前は舞台の上で二つの団体が混ざり合うようにと思っていましたが、実際は二つの文化が着かず離れず不思議な距離感で舞台上に存在していたように思います。この距離感の意味をどう捉えるか。
噛み合わないと捉えるのかそれとも未来への可能性と観るのか。なかなか難しい問題です。
私としてはこの程よい距離感こそがコミュニケーションの過程の一部だとしたとき、舞台上の演者が相手や空間をよく観察していた時間だったのではないかと思っています。
当たり前のようにお互いを受け入れその場に立ちながらも自分たちを見せていく。観客の皆様へもそうですが演者同士でも行われていてそれが不思議な距離感として存在していた、といった目線でみてみるとこの不思議な距離感にも納得です。
それが、”今”の舞台の姿だとするなら、この舞台には”未来”の姿があるのではないかとふと思ったのです。ワークショップを重ねたり、もう一度公演したり。何か時間を共に過ごした先にまた新しい景色が見えそうな気がしました。それ自体が生き物のような感覚です。
”あなたが何かを知るために”という副題が「TO KNOW」には付いています。日々をどのような目線で感じ、そして気づき、考える事ができるのか。演者のみんなは公演の度に自らの表現と共にそれを私たちに伝えてくれているそんな気がします。
「TO KNOW あなたが何かを知るために」
様々な事が起こった遠征でしたが、私自身この舞台の意味や意義を改めて感じるいい機会になったと思っています。
演者のみんなが何を伝えてくれているのか、それを目を凝らしてみる楽しさ。
そして何か目に見えない物が形として見えた瞬間。おぉーーーとなる。
この感覚がなんともよい経験になる。改めてそのような感覚を皆さんと共有できたらと思う遠征でした。
またもう一つ。改めてこの舞台を持続していくためにこの公演はとても未来につながる物だったと感じます。人や場所によって姿を変え育っていく舞台。であれば未来に育った姿もやはり観てみたい。そのために持続できる環境作りも大切だとそんな風に思わせてくれた山形遠征でした。
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塩田久人
クリエイティブディレクター ELECTROGIC代表




