<2025年6月5日更新>
皆さんのご支援のおかげで、第一目標である40万円を達成することができました!!
声がけ宣伝ご協力いただいた皆様、温かいご支援いただいた皆様、心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
さっそくではありますが、
せっかく掴んだ流れをここで断ち切りたくない、ここで妥協しては男が廃る、このままでは終われないと本能が語りかけてくるため…
50万円のネクストゴールを設定します!
残り24時間を切っておりますが、最後の最後まで、高い目標に挑み続けたいと思っています。
どうか、最後の1日、代表の誕生日であり、実行委員会設立1周年というこの記念すべき日を、最高の形で締めましょう!
ご支援よろしくお願いいたします!
はじめに
本ページをご覧いただきありがとうございます。
山梨県の甲府駅周辺でストリートピアノの設置・運営、音楽イベントの企画などを行っております 甲府STピアノ実行委員会 と申します。
本ページでは、いかにストリートピアノの管理運営に費用がかかるかの実態を皆さんに知っていただきたく文章を展開していくつもりだったのですが...
あれもこれもと伝えたいことを書き進めるうちに非常にボリュームのある内容となってしまったため (笑)
二部構成での内容展開をさせていただきます。
前半で代表のプロジェクト立ち上げ動機に絡んだ山梨とストリートピアノにかける想いを、
後半では我々のストリートピアノについて掘り下げていきます。
「代表の極めて個人的な話ではなくストリートピアノ自体について知りたいんだ!」という方は後半から、お読みいただけますと幸いです笑
どうぞよろしくお願いいたします。

自己紹介
改めましてはじめまして!
山梨大学で学生をしております、甲府STピアノ実行委員会代表の齋藤連 (さいとうれん) と申します。
旅行に行ったりイベントに参加したりいろいろな場所で非日常を味わうことが好きで、基本的に固定の居場所がありません!
どこの誰よりも大学生らしく大学生活を満喫しており大変充実した日々を過ごしています。

ぼくは小さい頃から山梨が大好きで、
「山梨を盛り上げたい!」「笑顔の溢れるまちワクワクが絶えないまちにしたい!」
この一心で、大学生活の傍ら山梨のまちづくりに関わる活動に携わらせていただいております。
これまでも、学生対象のツアーを行ったり、企業と学生・学生同士の交流会の企画、歌い手のマネージャー活動などを通して、山梨の魅力を伝えながら、
「山梨にいてもこんなに楽しいんだ!」
を多くの人に感じてもらうために活動を行ってきました。
すべてはぼく自身の山梨への愛あってのものであり、それが原動力となって山梨のまちづくりに携わらせていただいており、その一環として、今回ご紹介させていただく「甲府STピアノプロジェクト」を立ち上げ、運営を行っております。
なぜ山梨...?
ピアノの話に入る前に、ぼくが山梨の虜となることになった経緯について少しだけお話しさせてください。

ぼくは宮城県の仙台市に生まれ、19年間仙台の市街地とは少し離れた自然いっぱいの場所で育ちました。
小さい頃からクワガタを始めとした昆虫が大好きで、夏になると学校が終わって近くの雑木林に駆け出していって目当ての木を巡って確認して回るのが、小中学校時代の何よりの楽しみでした。
そんな昆虫好き少年であった当時、図書館で借りたとある本がきっかけで、今後のぼくの人生が大きく変化していくことになります。
山口進さん著書「米が育てたオオクワガタ」
昆虫ブームの中で乱獲が横行し、ほとんど幻の存在とされてしまったオオクワガタの生体を探りに、甲府盆地まで足を運び、そこで環境破壊と稲作の変遷、オオクワガタの衰退が大きく結びついていることを知り調査を進めていく、といった内容の本です。
6年間育てている実家のオオクワガタ
当時、この本を読むまでは山梨県のことをまったくと言っていいほど知らなかったぼくが、これを読んで、里山や一般的にいう田舎の「良さ・魅力」に初めて気づかされると同時に、こんなにも自然がたくさんある素敵な場所が東京の近くにあるんだ!という人生最大の驚きと喜びにより、それ以降山梨の虜となることになります。
そこからは、山梨のことについて知っていく度に調べていく毎に、膨大な自然や隠れた名産、観光地の数々に惹かれていったり、自分の好きだったものが実は山梨と縁のあるものだったということが度重なり、山梨とは運命さえも感じるようになりました。
またその頃から、「山梨に移住をしたい」と強く考えるようになりました。
そんなことを思い描きながら、大人になったら引っ越そうかななど考えていた矢先、進学をきっかけとして、最愛の地・山梨に移住をすることが叶い、
今こうして山梨で、過去23年のうちで最も充実した日々を、送らせていただいております。
山梨にストリートピアノ...?

そんなさまざまな想いを抱えながら山梨に移り住んできて、
「甲府」というまちは、静けさと程よい賑やかさとがあってすごくいいなぁと思った一方、
街の中に、気軽に、笑顔に、癒しになれる、ささやかでも感情を揺れ動かされるような心を揺さぶられるような場所がないなと、直感的に感じました。
仙台にいた頃は、まちに出ればアーケードを歩けばストリートライブをしている人がいてパフォーマンスを披露して人を集めている芸人さんがいて不思議な出店が移動して回っていて、まちに出向くたびに前回とは変わった風景、真新しさを感じて、いい意味でも悪い意味でも心が動かされます。したがって日常に退屈を覚えることもあまりなかったように思います。
(その分まちの中がごちゃごちゃしているので、甲府が仙台のようなまちになってほしいとは思っていませんが、そういうテイストが街の中にあってもいいのになという例として紹介しました。)
しかしどちらかというと山梨は、というより甲府のまちなかは、まち自体に、ふとした時に笑顔に癒しになれる、ほんの少しでもささやかでも心を動かされるような、そんな「なにか」が足りないのかなと感じます。

甲府のまちに目に見える魅力が面白みが感じられない、甲府のまちに住んでいて日常が退屈だいう話は定期的にさまざまなところで耳にすることだし、ぼくもときどき感じるところではあります。
(ぼくはそれこそが良さであると思ってしまうのですが笑)
そして、これは別に山梨に限った話ではないですが、社会全体の流れとして、特に若い人を中心に幸福度が低い傾向にあるが、そんな中でも、幸福度を上げるためのひとつの要素に十分になり得るものとして、甲府のまちの中に日常的に「音楽」が聞ける場所がないのはすごくもったいないと思っています。
「音楽」こそが、ふとした時に笑顔に癒しになれる、ほんの少しでもささやかでも心を動かされるような、
その「なにか」になれるのではないか...
音楽ほど簡単に、しかもより多くの人の心を動かすことができるものはないと思っています。
音楽に勇気づけられた経験、音楽で励まされた受験勉強、音楽で乗り越えられた壁、音楽で涙した思い出...
誰しも音楽を通した様々な心動かされる経験をしてきたと思います。
音楽は、言ってしまえば「音の組み合わせ」ですが、そんな音に、こんなにも感情を揺さぶられる、心を動かされるのは、
それこそが音楽の素晴らしさであり虜にさせられる魅力なんだろうなぁと、最近日常の中で感じることが増えています。
そんな「音楽」を通して、甲府のまち全体を明るい空間へ、刺激を得られるきっかけへ、癒しを共有する場所へ、人々の集う拠点へ。
これが、自分の移り住んできた甲府のまちで、音楽によるまちづくりをしようと決意した考え方の原点になります。

①ピアノそのものというより空間効果
ぼくは、小さい頃からピアノを習っていたというわけでもなくピアノが身近にある環境で育ってきたというわけでもありませんが、ストリートピアノは、その存在を知った時からずっと好きでいます。
ですがピアノそのものというよりは、ストリートピアノの性質に魅力を感じています。
''さいとうれん坊や'' は小さい頃から、なにもなかったいつもの空間に、なにかひとつでも仕掛けを加えることで、人がたくさん集うようになったり雰囲気が明るくなったり、心が動かされる場所になったりする、空間を変える効果やその間の過程・ストーリーに面白みを覚える、ちょっと変わった人でした。
(それを言語化できるようになったのは本当に最近で、当時は無意識的にそういうことにワクワクを覚えていたわけですが笑)
ライブの楽しみ方が、この性格を顕著に表しています。
ライブにお客さんとして参加したとき、ふつうアーティストの歌やパフォーマンスを見て聴いて、感動したり心が動かされると思うんですが、
ぼくは小さい頃からずっと一貫してそうではなくて、
アーティストの歌やパフォーマンスによって、盛り上がったり涙を流したり感情が揺さぶられてるひとたちを見ることで、ぼく自身も盛り上がるし楽しいと思えるし、その一連の過程を肌で感じることで感動するタイプです。
ストリートピアノは、生の音楽、演奏が最も身近に聞ける瞬間を作り出してくれるもので、ライブ、コンサートの特別感を日常に持ってきてくれる、上で書いた空間効果を身近な場面に持ってきてくれるものであり、それを1台のピアノを置くだけで作り出すことができる、その効果の絶大さと手軽さに魅力を感じているところが、小さい頃からストリートピアノが非常に好きである所以となっているように思います。
②誰かを輝かせてあげたい
ストリートピアノは、あの椅子に座った瞬間に、鍵盤に手を添えた瞬間に、誰もがスターになれるもので、
それを通して、誰かを輝かせたりその輝いている姿を応援したり、その輝きによって幸せな空間笑顔が溢れる空間がつくり出される、そのストーリーをつくることのできる場所こそがストリートピアノの場であると思っています。
ぼくは自分が輝いているところよりも、自分が努力をしたことによって誰かが輝いている所だったり、その輝きによって第三者の心を動かしているところを見るのが好きであり、それによって自分の存在価値に納得がいくタイプなので、あくまで裏方でいい、フロントマンである必要はないという考え方が根底にあったりもします。
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音楽の力で人が輝き、心を開く、笑顔に幸せになる、感動を呼ぶところを今までたくさん見てきましたが、
そんな「音」をまちの中で誰もが奏でることができる、自然と耳にすることができるストリートピアノを置いて、
大好きな山梨の地に、
「音」でささやかな喜びや幸せを肌で感じられる場所を
つくろうと思い、ストリートピアノのプロジェクトをこの地で、立ち上げ活動をしております。
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甲府STピアノ実行委員会とは
「大好きな山梨に、大好きなストリートピアノを置きたい」
その想いを形にするために、2024年6月6日、甲府STピアノ実行委員会を立ち上げました。
0からスタートしたこのプロジェクト。
メンバー集めは簡単ではありませんでしたが、
「まちを明るくしたい」「ピアノが好き」
そしてなにより、
「甲府のまちに誰もが笑顔になれる場所をつくりたい!」
「ささやかな喜びや幸せを日常の中に感じられる空間を提供したい!」
そんな想いに共感してくれた仲間が集まってくれました。

現在は大学生5人で、ストリートピアノの設置・運営、音楽イベントの企画などを行っています。
地域に根ざしながら、音楽を通してまちと人をつなぐ活動を続けています。
「STピアノ」の由来
でも、そもそも、「STピアノ」ってなんぞや?
「STピアノ」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
-STreetの「ST」-
...まぁストリートピアノの略なんですが笑
ではなぜ、
「甲府ストリートピアノ」ではなく「甲府STピアノ」に拘ったのか
について、簡単にお話をさせていただきます。
「ストリートピアノ」とは、ストリートというその名の通り公共の場所に設置され、誰でも自由に演奏ができるピアノのことを指します。又の名を「街角ピアノ」とも言い、街角に楽器が置いてあってそれが誰でも好きなタイミング使用できるというのが最大の魅力です。
しかし我々が目指すストリートピアノには、その意味にとどまることのない、「誰でも弾けるピアノ」だけの存在に終止してほしくないという願いを込めており、それが「STピアノ」の由来となっています。
ではその 「ST」 とは...?
「STピアノ」の「ST」は、さまざまな英単語の先頭につく接頭辞の「ST」から取っており、その原義としては、物事の始点や終点、その間の過程、立ち止まるべき場所といった意味があります。
例を挙げると以下の通り接頭辞の「ST」を持つ単語はたくさん存在するわけですが、
-Station Start·Stop Step Story Storage Stock Studio String ...
このどれもが、接頭辞「ST」の原義に即しているのがわかると思います。
さてここから単語を何個かピックアップして、我々が望むストリートピアノの形に当てはめてみると、
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Start:音楽の力で盛り上がるその「始まり」「きっかけ」となってほしい
Story:人々の繋がりやまちの発展やその過程、このピアノを通して色々な「ストーリー」が生まれたら
Star:誰もが椅子に座れば鍵盤に手を乗せれば輝ける「スター」のような存在になってほしい
Station:駅は始発点・終着点であり、このピアノによってまちの盛り上がりや人々同士のご縁の「始発点」になってほしいし、1日の最後にこのピアノに立ち寄ってくれる、そんな「終着点」にもなってほしい
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というようにどの「ST」を接頭辞に持つ単語も、我々が目指すストリートピアノの形と沿うものとなっています。
また、甲府駅の「駅」が Stationだから、甲府STreet、甲府STation で2つ意味を成していたりもします。
そんな所以から、「甲府ストリートピアノ」ではなく、あえて「甲府STピアノ」にこだわっているんです。
このプロジェクトを立ち上げた当初は、シンプルに「甲府ストリートピアノプロジェクト」と命名していたのですが、名前にインパクトが欲しかったこと、ただのストリートピアノにはしたくない! という想いがあったことを受け、途中でプロジェクト・実行委員会名を変更した経緯があります(笑)
(代表の苗字「SaiTo」から母音を取るとSTになる節も…笑)
設置に至った経緯
中々長くなりそうなので(笑)、甲府駅に設置をするに至った経緯を簡単に、さっくりお話します。
先に書いた通り、山梨に大学進学で引っ越してきてから、ストリートピアノを置いてこのまちを盛り上げたいという気持ちはぼんやりとありましたが、それを中々行動に起こすことができずにいました。
そんな矢先、ぼくが所属している大学のまちづくり団体の中で、なにかプロジェクトをやらないかと誘いを受け、その場で初めて、ストリートピアノを置きたくて...と想いを打ち明け、それを機に、ストリートピアノのプロジェクトとして始動をしていくこととなります。
しかし、最初は、設置するピアノや調律師の方などいっさいアテもなく本当にゼロからのスタートであったため、プロジェクトとして本格的にやっていこうと決心はついたものの他の活動との両立もうまくいかず、非常に苦戦を強いられました。
資金集めやメンバー募集、設置するピアノを探しながら協力していただく調律師の方を当たりつつ、周知を図るためにSNSも動かして...とやることが山ほどあり、逃避しようと他の活動に専念して大人の方に厳しく指摘を受けたこともありました。
それでもなんとか、メンバーがぼく以外に増えたことで仕事を回すことができるようになり、実行委員会を立てて大人の方々の協力も得つつ、遂にストリートピアノ設置第0弾として2024年7月、甲府七夕まつりに3日間限定で設置をすることができました。
この時に募った募金費用などで、この後の2024年末に甲府駅北口ペデストリアンデッキに、甲府STピアノとして我々のピアノを設置することができました。
当初は申請の都合上、1ヶ月間の期間限定での設置でしたが、引き続き置いて欲しいというお声をたくさんいただいていたこと、我々としても甲府駅に常設のピアノを置きたかったことなどから追加の申請を出し、1年ごとの更新を条件とした上で事実上の常設ができるに至りました。
過去にも何度か甲府駅北口ペデストリアンデッキにはストリートピアノが設置されたことがあったようですが、そのどれもが期間を設けた一時的なもので、常にピアノが弾ける音が聞ける環境があったらどんなに良いだろうなぁという想いは各所で耳にしたし我々メンバーもずっと考えていたことであったため、このような形で事実上の常設を果たすことができ、非常に嬉しい気持ちでいっぱいでした。
イベントの紹介
我々がストリートピアノを設置してから開催した大きなイベントをいくつかご紹介します。
【 2024年7月5日-7日 ┊ 甲府七夕祭り 】
山梨県の夏の風物詩・甲府七夕祭りの開催に合わせ、プロジェクト初のストリートピアノイベントを実施しました。オリオン通り沿いのカフェ『寺崎COFFEE』さんの野外テラス席をお借りし、 3 日間限定でピアノを設置しました。
ピアノの音色に引き寄せられるように、年齢も性別も、音楽経験もさまざまな人たちが足を止めてくれました。中には、「全然弾けないんです」と戸惑っていた方が、気づけば笑顔で演奏し、晴れやかな表情でお祭りへ向かう姿も見られました。
また、その場で出会ったお二人が即興で連弾し、曲を弾き終えたあとに交わす笑顔も...
——まさに、音楽が人と人をつなげた瞬間でした。
多くの方がピアノをきっかけに笑顔になる様子を目の当たりにし、
「絶対に甲府駅にピアノを常設したい」という想いが、より一層強くなりました。

【 2024年12月21日-22日 ┊ 設置記念オープニングイベント『STart Fes』】
甲府駅へのストリートピアノ設置を記念して、2日間の音楽フェス的オープニングイベント『STart Fes』を開催しました。
山梨にゆかりのあるピアニストやシンガーソングライター、学生歌手や地元の音楽教室の生徒さんたちをお招きし、ピアノ演奏・弾き語り・合唱・合奏など、多彩なパフォーマンスを披露していただきました。
ステージの合間には、一般の方にもピアノを開放し、多くの方々が自由に音を奏でてくれました。
演奏はどれも心を揺さぶる素晴らしいものばかりで、会場では常に多くの笑顔と拍手が溢れてました。
本イベントの準備期間中には、他地域のストリートピアノの視察や関係者へのインタビューも行いました。さらに、テレビ・ラジオ・新聞など多数メディアで取り上げていただき、たくさんの方の協力のもと、甲府駅のストリートピアノ設置は素晴らしいスタートを切ることができました。
【 2025年1月18日 ┊ ピアノ×ジャズ ゲリラライブ『POPUP JAZZ CONCERT』】
この日は、山梨を中心に活動する6人組 和風インストバンドの『赫夜』さんをゲストに迎え、初のピアノ×ジャズのゲリラライブを開催しました。
『赫夜』さんのメンバーは、我々と同じ山梨大学の卒業生で構成されているという、非常に喜ばしいご縁のある皆さんです。
しっとりとしたジャズの曲調の中に、ハリのある尺八の音色と柔らかいピアノの音色とが混ざり、甲府駅は今までになく「エモい」雰囲気が創り出されていました。
今回は突発的に行ったコンサートでしたがたくさんの方がなんだなんだと足を止めて演奏を聞き入ってくださり、我々が理想とするストリートライブっぽさが出ていて非常に良いイベントとなりました。
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事前にしっかりと準備や告知をして人を集めて、万全の状態で望むイベントやコンサートはもちろん素晴らしいものです。
ですが私たちは、「ストリート」の場だからこそできる、「じゃあ今から一緒にやりましょう!」で生まれるセッションだったり、お客さんとの交流の中で「あそれ弾けますよ!」から生み出される突発的な音楽体験が、そんな要素にこそ、強い魅力を覚えています。
下準備をしっかりして告知をして人を集めてお金を取って、だと、それはもうプロがライブをするのと同じ。
もちろんほうがライブ自体の完成度は高くて素晴らしいものになるとは思うんですが、どちらかというと我々が必要だと感じているのはライブそのものの演奏そのもののクオリティよりも、
「誰でも”気軽に”輝ける空間」であり、
「誰もが”気兼ねなく”STarになれる場所」。
そんな”気楽さ”こそが、「ストリート」や「ゲリラ」といったものに含まれる、我々が惹き付けられる強い魅力になっているのだと思います。
そしてこれは演者だけではなく、その場を通ったひともたまたまそこに居合わせたひとも、気軽に、気兼ねなく、音楽を楽しむことができる、という点でもちろん例外ではありません。
音を奏でるひともそれをふと聞いたひとも、自然と笑顔になれる場所、幸せな気持ちになれる場所。ほんの少しでも感情が揺れ動かされる体験が、自然と訪れる空間。
そんな特別な場所であり空間に、この「STピアノ」がなれたら。
そしてこれからも “偶然出会える音楽の喜び”をもっとたくさんの人と分かち合っていけたらと思っています。
ピアノの紹介
甲府STピアノ実行委員会が所有・管理しているストリートピアノ
「甲府STピアノ」の紹介をさせていただきます。
このピアノは個人所有されていた方から寄贈をしていただいたもので、譲り受ける前は、所有者の方の転勤などに合わせて全国を飛び回っていたそうです。
ストリートピアノを置きたい!という想いを、さまざまな場で話してきた結果、その想いが形となり、知り合いの知り合いの知り合いを通じて本ピアノを譲り受けることができました。
1966年生まれのアップライトピアノ。ブランドはFRITZ KUHLA(フリッツ・クーラー)という、東洋ピアノが持っていた高級ブランドです。
当時は日本中がピアノブームで国内のピアノメーカーがいくつもあり、尚且つ景気が良かったために素材も厳選され、技術や品質も高い状態で、作られるピアノはどれも安定していたと言われています。最近の量産販売されているグランドピアノよりも、この年代の中古アップライトピアノの方が良い音色であることも少なくないそうです。

本ピアノブランドは今は生産中止となってしまっていますが、東京芸大や武蔵野音大の指定楽器だったこともあり、このブランドのピアノはどれも高品質であることは間違いありません。本来ならば上位器種のグランドピアノでしか使用されない贅沢な素材が多く使われているのも大きな特徴です。
本ピアノの音色の特徴としては、音の深みと透明感があります。ヨーロッパ風の設計を意識しており、澄んだ高音と豊かな低音が魅力です。クラシック音楽との相性が特に良いと言われています。
また、アクション機構(鍵盤を押したときにハンマーを動かす機構)は丁寧に調整されており、繊細なタッチ表現が可能です。
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しかしこんな我々のピアノですが、実はかなり悲惨な状態なんです…
本ピアノは生産されてから60年近くが経っております。
本来はピアノの弦やハンマーなどの部品の交換、オーバーホールが必要なのですが、予算の関係でそのままの部品で使用をしており、いつガタがきてもおかしくない状況です。
また、去年の12月から甲府駅に設置をし冬の寒さと乾燥する時期を経て、ピアノの魂とも言われるくらい大事なパーツである響板の割れが発生したり、乾燥のせいで部品のガタつきが多く見られており、その場で修理できるものは調律師の方に直していただいてきましたが、多くのパーツはそのままになっています。
本ピアノの響板。中央に亀裂が走っている。そもそもピアノにとって半屋外というのは非常に厳しい環境であり、調律の度に毎回、修理も同時に行っていただいています。
調律師さんの目線では、もう本来ならば使用をやめることを検討するような状態で、「満身創痍」と言っても過言ではないそうです。
それでも、限られた予算の中で、直せるところを直しつつ少しでも良い状態が保てるように、創意工夫をしながらSTピアノはなんとか存続しています。
生産から50年以上の月日を経たこのピアノは、人の住んでいない家屋にひっそりと佇んでいましたが、調律師さんの手で何日もかけて修理・調整され、ストリートピアノとして、2周目の人生を歩んでいます。
今では、下校中の学生や小さな子供から年配の方まで性別年齢問わず多くの方がピアノに触れている様子がいつも見られ、このピアノは本当にたくさんの方々に愛されているんだなと心から感じます。
また、ピアノの脇には、「ピアノート」というノートを設置しています。
「〇〇を弾きました!」「置いてくれてありがとう!」などたくさんの温かいコメントが綴られ、もうすぐ3冊目に突入しようとしています。
このピアノとノートが、人と人を繋ぐ場所になってほしい。
動き続ける人々の流れのなかで、いつもそこにある音楽とメッセージが、異なる時間にその場を訪れる人たちさえも繋いでくれているように感じています。
また、SNSなどを覗いてみても、「特急の待ち時間に聞いた演奏が良かった」「小学生が皆でワイワイ弾いたり、高校生が連弾したり良い雰囲気」といったお声が寄せられており、このピアノによって心地の良い空間が創られていることが肌で感じられます。
弾かれることがなくただひっそりと家の奥で佇んでいたピアノが、置く場所を変えるだけで皆に愛されるピアノに生まれ変わる。
こんなに素敵なことはありません。
ストリートピアノを置くことで変えられる環境や叶えられる夢の大きさは計り知れませんが、それはピアノ自身にこそ言えることであると思っています。

ストリートピアノへと生まれ変わることで輝く存在に。
「STar」になれるのはそのピアノを弾く人だけではなくピアノ自身でもあるのです。
ストリートピアノとしてこのピアノを譲っていただけて、本当に良かったなぁと思う今日この頃です。
調律師さんの紹介
続けて、本ピアノの調律・調整を行ってくださっている調律師さんをご紹介します。
甲府STピアノの修理や調整・調律を担当していただいているのは調律師の二口さんという方です。
3年ほど前に別の団体が甲府駅にストリートピアノを設置した際も調律を担当されていた方で、今回も縁あってお願いをさせていただいております。

二口さんはいつも、弾いていただく皆さんの目線に立って素晴らしい調律をしてくださっています。
現状、半屋外に設置していることでピアノ自体の劣化も音の狂いも格段に早い速度で進んでしまうのですが、弾く人が気持ちよく弾けるようにと考え、いつも調整調律や修理をしてくださいます。
実は設置後、ピアノが環境に慣れるまでの最初の1ヶ月間は毎朝かかさず調律を行ってくださっておりました...。
現在は2週間に1回ほどのペースで、音が気になってきたタイミングで適宜、調整・調律をしていただいております。
屋外という悲惨な環境の中でも、我々のこの甲府STピアノが素敵な音色を奏で続け、それを笑顔や幸せに変えて音とともに皆さんの元へお届けすることができているのは、二口さんの努力の故に他なりません。
いつも本当にありがとうございます。
いつでも調律師さんへの感謝を忘れず、そして、努力の限りを尽くしてくださる二口さんのためにも、このしんどい状態の中で素敵な音色を維持してくれているピアノのためにも、ぜひたくさんたくさん、ピアノを弾いていただきたいと思っています。
それが、我々にとっても調律師さんにとってもピアノにとっても、1番うれしい喜ばしいことです。
今後も、調律師さんあってのストリートピアノだということを忘れず、たくさんの音色をみなさんで、甲府のまちに人々におすそ分けしていけたらと思います。
設置場所・時間・注意事項
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甲府STピアノ
設置場所 : 甲府駅北口ペデストリアンデッキ
演奏可能時間 : 7:00-21:00
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●甲府STピアノは「他楽器とのセッション」も可能としております。コンサート形式で行う場合の実行委員会への事前連絡、周りの状況に配慮した演奏をお願いしております。
●混雑時は演奏時間を10分ほどとしていただき、占有は控えていただきます。ペデストリアンデッキは他のイベントも行われる場ですので、イベント時は演奏を控えるなど、思いやりのある利用をお願いしております。
●ピアノの脇に想いを綴る「ピアノート」があります。素敵な感想をお待ちしております。
●また、ピアノの脇に楽譜をたくさん置いています。こちらは地元の方から提供していただいたもので、ご自由に使って、演奏を楽しんでくださいとのことです。
●ピアノに寄りかかったりいたずらしたりする行為はお控えください。
ご支援いただいた資金の使い道
みなさんからいただいたご支援は、甲府STピアノの維持・運営、そしてこれからも長く音を届けるための修理に、大切に使わせていただきます。
①メンテナンス費(年間 360,000円/月額 30,000円)
我々の甲府STピアノは、屋内のピアノと違い、外気にさらされながら音を奏でています。温度や湿度の変化によって音の狂いや劣化が起こりやすく、通常のストリートピアノ以上に頻繁なメンテナンスは欠かせません。
また、先にピアノの紹介のところでも書かせていただいた通り、本ピアノは1966年製造の、私たちの3倍も長い間生きている、かなり歴史のあるものになります。したがって、ピアノ自体も傷んでいるしさらに傷みやすく、通常のピアノに比べてより繊細なものとなっています。
今も、2週間に1度のペースで調律師さんに調整していただき、美しい音を保っています。
・調律費:22,000円(11,000円 × 2回/月)
・予備費(突発的な修理などアクシデントへの備え):8,000円
→ 月額合計:30,000円/年額:360,000円
この大切なピアノが、これからも音を響かせ続けられるように、今後もペースを落とすことなくメンテナンスをしたいと考えています。
(本当はピアノが劣化していくごとにさらにペースを上げなければなりません…)
② 運営費(150,000円)
STピアノは、ただピアノを置くだけではありません。
ピアノとともに暖かい空間を笑顔溢れるまちをつくるため、さまざまな工夫をしています。
・毎月のミニコンサートや企画イベントの開催
・ピアノの隣に置いている「ピアノート」やコメントカードの管理
・周辺機材の設置・更新
・ポスターやチラシなど広報物の制作
・ピアノ移動(1回あたり約30,000円)
→ 運営費合計:150,000円

街のなかでふと立ち止まり、音や人に出会える場所をつくりたい。そして、その場で生まれる音が、誰かの心にそっと寄り添えるように。
そんな想いで、STピアノの運営を続けています。
③ 修理費(150,000円)
STピアノはとても過酷な環境に設置されています。
半屋外という立地は、湿度や温度の影響を大きく受けるため、ピアノにとって決してやさしい場所ではありません。

このピアノはすでに生産されていないモデルで、部品の調達が難しい状況です。だからこそ、今のうちにしっかりとした修理を行い、ピアノを守っていきたいと思っています。
今までも何度か修理を行い、なんとか納得のいく音が出せるほどまでは維持を続けていますが、これが今後も続けられる保証はありません。
また、今後大きな故障があった場合、よりお金がかかってくることも十分に考えられます。
本来ならば、ヒビの入っている響板も、修理で取り替えるべきところですが、予算の関係で行うことができておりません。
そしてこういった調律や修理にかかる費用は、今のところピアノの横に置いてある募金箱への募金でのみ賄っております。
正直なところ、それだけでは全く足りておらず、我々学生メンバーが負担をしているのが現状です。
ぜひとも今後もSTピアノがストリートピアノとしてあり続けられるよう、募金、ご支援のほどよろしくお願いできればと存じます。
また、今後、運用を永続的に行うにあたって運用費を維持するため、協力していただけるスポンサーを見つけることも同時に目的としています。
我々手探り状態ではありますが、ご協力いただける企業様、個人スポンサー様いらっしゃいましたらご相談させていただければと思います。
リターンについて
STピアノのロゴをあしらったステッカー・コースター、これまでのビラを並べたクリアファイルなど、オリジナルのグッズを用意しています。
STピアノで実際に使用され音を奏でていた5本のハンマーヘッドも!
さらには、過去のイベントやピアノ設置の経緯などをまとめた限定映像や、あなたのために一曲弾きます券などさまざまなリターンを用意しています!
詳しくはリターンページをご覧下さい!
我々のSNS
メンバーの紹介やロゴ作成の背景、イベント開催への道のりや企画秘話などまだまだ語り足りないことだらけですので、続きは以下のSNSへ!
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また、もうちょっとコアなファン向けの応援用のオープンチャットもあります!
「次のイベントはこんなものを考えています!」といった先行情報から、「今日のミーティングではこんな相談をしました!」「コンサートの出演者を募集しています!」などなどオープンチャットでしか知り得ない話を配信しています!また、みなさんの応援のお声やご意見版としても使わせていただいております!
ちなみに参加者は100名ちょっとです! (2025年4月頭現在)
ぜひ気軽に覗いてみてください!
リンクはこちら→ LINEオープンチャット

おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました。ストリートピアノの魅力とそれにかける想い、その運営の実情について、少しでも理解していただけましたでしょうか。

ストリートピアノを1台置くことで叶えられる夢の大きさは、本当に計り知れません。
そんな絶大な夢に、「音の賑わい」から「人の賑わい」そして「街の賑わい」へ、ピアノを1台置くことで創り出すことのできる大きすぎるストリートピアノの波及効果に、我々は、甲府の、ひいては山梨の未来を委ねていると言っても過言ではありません。
しかしこの大きな夢を叶えるためには、そこに甲府の、山梨の未来を委ねるためには、みなさんひとりひとりの力が欠かせません。
「まち」は必ず「ひと」ありきであり、そこに住む「ひと」が同じ方向を向いたときに初めて、心が通ったときに初めて、良い「まち」がつくられます。
ストリートピアノを通じて、皆さんの暖かな気持ちを共有し、心が通う。ピアノを弾くひと、その音色を聞いて心癒されるひと、ピアノの音で繋がる出会い、どんな場所でも音楽を気軽に奏でる、聞くことができる環境、全てが揃ったときに、よりよい「まち」が、「音」を通してつくられていくのではないかと感じています。
そして、山梨には、甲府のまちには、ひとの心の温かみが、故にそのポテンシャルが、十二分にあると思っています。
甲府のまちはまだまだ負けてない!山梨の未来は明るいよ!ということを、ストリートピアノを使って、「音」の力を使って、みなさんで、証明していきたいと思っています。
そのご協力を、お金はご支援していただかなくても、ピアノを弾いていただくだけでも、その音色に耳を傾けていただくだけでも、どんな形であれお願いできたらと思います。
そして現実に引き戻すようではありますが、、ストリートピアノの維持のためには、大きな苦労とお金がかかっているということもまた、頭の片隅に入れていただきながら、今後もたくさんの音色を、まちに届けていただけたらと思います。
─────────────────────
笑顔の溢れるまち、ワクワクが耐えないまちを
みなさんで、作り上げていきましょう!
─────────────────────
ありがとうございました。
最新の活動報告
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2025/05/14 21:00こんにちは!甲府STピアノ実行委員会、まだまだクラファン実施中です!今日は嬉しいご報告です!!なんと、すてきな新メンバーが加わりました!山梨大学1年生 まなみ です!!ピアノなど音楽に昔から関わっていただけでなく、地域活動などいろいろなことに前向き!明るく!取り組む素敵なメンバーです!いつもまわりを明るくしてくれます!今回のメンバーの想い、担当はまなみちゃんです!┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈こんにちは!私は4歳頃からピアノを習い始め、中学高校では吹奏楽部に入りと今まで常に私の周りには音楽があるという環境の中で生活してきました。その中でも演奏をしていると音楽で人と人が通じ合えるなと今までの経験を通してつくづく感じています。実際の言葉での会話はなくても一緒に演奏したり、演奏を聴いてもらったり、逆に演奏を聴いたりと音楽のコミュニケーションをとる事ができると思います。甲府STピアノ実行委員として今年の春から仲間入りをし、これからたくさんのイベントやストリートピアノについて関わっていくことが出来る立場になりました。音楽を通して地域の人たちだけでなく甲府を訪れた人たちとも音楽のコミュニケーションを通して繋がりを増やして行けたらなと思います。これから実行委員として自分なりに貢献していきたいです! もっと見るメンバーの想い⑤
2025/05/10 20:30こんにちは!甲府STピアノ実行委員会代表のれんです!いつも甲府STピアノをご愛顧いただきありがとうございます。いろんなところでぼくのピアノに対する想いは語っている気がしているので、ここでは、どの場所でもまだ語っていないであろうストリートピアノとのエピソード、出会いをひとつ、紹介させてください。──────────────────────ぼくは高校1年の秋に、ニュージーランドに2ヶ月間留学に行っていました。留学先で知り合った現地の学校の人たちやホームステイ先でお世話になったホストファミリーの方々と2ヶ月間一緒に過ごし大変仲良くさせていただき、毎日が非常に充実し、これが終わるころには、今の場所を離れる、日本に帰ることが非常に名残惜しくなっていました。そんな長いようで非常に短かった2ヶ月間の最終日、空港で熱いお別れをし出国審査を通過して制限エリアに入り、あとは本当に日本に帰国するだけというところで、ぼくはストリートピアノによって、今までにないほどに精神を乱されることになります。制限エリアに入って出発する飛行機を待つ空き時間でエリア内をふらふらしていたところ、突然ふと、どこからともなく、なぜか心を締め付けられるような、虚しく儚く、そんな気持ちをふつふつと込み上げさせるような音色が、耳に入ってきたんです。それがまさしくストリートピアノに強く心を打たれた、初めての経験でした。それは今まで聞いたことのない音色、感じたことのない気持ちにさせられる音色で、グッと心に訴えかけてくるような厚み深みのある音。非常に音の響く場所でピアノから放たれた音色が波紋のように広がり続け、フロアのステンドグラスに当たっては砕ける。脆さ儚さが音に表れていると感じられるほどに音自体に感情移入ができる不思議な感覚。そこに、2ヶ月間あったことが順番に思い出されては音に乗せて流れていく切なさが乗っている、なんとも言えない哀しさを直感的に感じました。(これが言語化できているのは本当にここ最近で、それまではただただ感情を動かされたという認識でしかなかったですが。)何より、2ヶ月間慣れてきたとはいえ言語も文化も環境も違う場所でぴりぴりしながら毎日を過ごしてきた、その緊張の糸が、この瞬間にぷっつりと切れたかのような、そんな感覚がしました。そしてふと気付いた時には涙を流していました。目から水滴が溢れていた、の方が表現的には適切かもしれません。その時に演奏されていた曲がなんだったか、演奏していた人がどんな人だったかはあまり覚えていないのですが、そんなことを記憶に留めておくストックが全て埋め尽くされるほどに、ひたすらに心を打たれた、胸いっぱいになる音だった、体験だったということだけが、今でも深く心に刻まれています。──────────────────────音楽に感情を揺れ動かされる経験は誰しも起こりうることで、ぼくのような経験は決して特別なことではありません。音楽に勇気づけられた経験、音楽で励まされた日々、音楽で乗り越えた壁、音楽で涙した思い出...誰しも音楽を通した様々な経験を、してきたと思います。しかし、そんな心打たれる経験を、ぼくはストリートピアノでできたからこそ、今こうしてストリートピアノを設置する側となりストリートピアノを通したまちの盛り上げに携われているのだなと思います。今回のような素敵な思いを、みなさんにしてほしいとまではいかないけれど、少しでもささやかでも心動かされるような出来事が、経験が、思い出が、我々のストリートピアノを通してつくれたらと強く願っています。これからも、ただ置かれているだけではないストリートピアノを目指して。サブスクでゆっくり聴く音楽もいいけど、フェスで盛り上がるライブサウンドもいいけど、突発的に出会った音楽もまた、魅力的なんだよってことを、これからも証明してまいります。今後も甲府STピアノをよろしくお願いいたします。ここまでお読みいただきありがとうございました。 もっと見るメンバーの想い④
2025/05/09 21:38こんにちは。甲府STピアノ実行委員会です!メンバーの想い 第4弾今日の担当は4年生 副代表の みはねです。今回は、わたしとピアノの思い出をひとつ、お話しさせていただきます。わたしがピアノを習い始めたのは、小学1年生のときでした。そのころのわたしは、とてもおとなしく、自分に自信が持てない子どもでした。「わたしより上手な人がいるから」と、何かに手を挙げることさえできず、班の班長さえ、一度もやったことがありませんでした。小学校高学年になると「生徒が合唱の伴奏をする」というイベントがはじまります。そんな中、毎年ピアノ発表会を観に来てくれていた担任の先生と、「次は伴奏に立候補してみよう」と小さな約束をしていました。すごくやってみたい、と思いつつ、でもやっぱり勇気が出せず、卒業式の合唱でも立候補しないまま、募集の期限が過ぎてしまいました。次の日の朝、先生に言われたひと言。『次はやるって、約束したよね?』その怖かったこと...。笑締め切りは過ぎていましたが、やっぱりやらせてください、と、音楽の先生に直々にお願いしにいきました。たくさん練習し、迎えた合唱練習の時間。手は震え、自分の音もわからないほどでした。それでも、だんだんと楽しくなってきて――練習のあとには、友達がピアノの片付けを手伝ってくれて、「うまいね」「すごいね」と声をかけてくれました。そのとき、自分の中で何かがふっと変わった気がしました。やりたいことを「やりたい!」と素直に言えるようになったのは、紛れもなくこの経験のお陰です。中学校では、合唱発表会で3年間伴奏を努め、クラス委員にも挑戦できました。やりたい!を叶えることができた中学校生活は毎日が楽しくて、卒業式前日には嗚咽するほど号泣しながら最後の合唱練習でピアノを弾いていたことを覚えています。笑そして今。ストリートピアノを置いてから、はじめは「全然弾けないから...」と遠慮していた方が、演奏後にきらきらした表情を浮かべているときや、「もう一曲いいですか?」と楽しそうにしている姿を見るたび、当時の自分を思い出します。この空間が、「誰か」にとっても「何か」を変えられた場所 になるかも、なったかもしれない。だったら!わたしはこのピアノを置き続けたいです。少しでも、誰かの心を動かすことができていたら。そして、誰かの背中をそっと押せるような場所であり続けたいと思っています。 もっと見る






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