
僕(小平)は、ckinocoのメンバーの一人で、フランスで現代アートの活動をしています。
長年、日本を離れて暮らすとアイデンティティについてよく問われます。とりわけ広島出身というと、原爆について聞かれるのが常。でも僕の家系には被爆体験者もいないし、自分の作品に原爆を題材にするには、たいした知識もない。そんな思いで安易に原爆(ヒロシマ)をテーマにすることができなかった。
アーティストとして経験が増えて、ヒロシマに直視しなければ、いけないなあと思い始めている頃、「広島には75年間草木も生えない」という言葉を知りました。それを知ったのが2020年になる前ぐらいかなあ。実家に帰ってくると現在の広島は緑豊かで沢山の人で溢れている。「え?ってか広島ブチ草木はえとるじゃん」って思いました。 自然の力と街の音がヒロシマの原動力。それなら僕の作品全体に底通する「エネルギーの循環」としてヒロシマをテーマに制作ができると確信しました。 そこが僕の出発点です。
1945年に科学者が推測したヒロシマなんかじゃない、生命溢れるヒロシマを見せてやる!と意気込んでいたんですが、2020年(被爆75年)、それは、Covid-19の真っ只中。コロナに僕の企画も倒れてしまいました。
しかし!
広島は75年とか80年とかじゃなく、復興を経て絶え間なく平和を訴える都市。その企画はいつでもいいんだと考えて、2023年の夏に制作に入りました。
作品はまだ完成していないけど、ピンホールカメラで被爆樹木を撮影して、その露光時間の環境音も録音しておきます。プリントした写真に撮影時の音を当てて、その音圧で振動するプリントに墨の粉を撒きます。そうすると視覚化された音がイメージに融合して、「光と音」が一枚の像となる作品です。この技法は、これまでに、パリ、マルセイユ、ブルターニュなどフランスで主に制作しています。こんな感じの作品です。

これは、パリのセーヌ川

マルセイユの大聖堂の麓。こちらは、旅行記のようにノート仕立てです。
次回は、広島での制作について報告します。これが被爆都市手帳ヒロシマを作るのにとても大切な経験でした。乞うご期待!





