日本初優勝を目指して ー火星探査機の世界大会への挑戦ー

私たちARES Projectは、5月末に米国ユタ州で開催される火星探査機の学生世界大会University Rover Challengeの決勝大会に出場しました。私たちは現在、この大会での優勝を目指して活動しています。

現在の支援総額

623,750

41%

目標金額は1,500,000円

支援者数

49

募集終了まで残り

20

日本初優勝を目指して ー火星探査機の世界大会への挑戦ー

現在の支援総額

623,750

41%達成

あと 20

目標金額1,500,000

支援者数49

私たちARES Projectは、5月末に米国ユタ州で開催される火星探査機の学生世界大会University Rover Challengeの決勝大会に出場しました。私たちは現在、この大会での優勝を目指して活動しています。

ARES Projectは、東北大学、慶應義塾大学の学生を中心とする火星探査機開発チームです。私たちは、火星探査機の学生世界大会University Rover Challenge(URC)への出場を目指して活動をスタートしました。約2年間の開発期間を経てついに昨年予選を突破し、URCの決勝大会に日本のチームとして初めて出場しました。

私たちは現在、東北班は東北大学、東京班は100BANCHを拠点に活動しています。東北班は探査機本体を、東京班はロボットアームを主に担当しています。月1回程度で両拠点のメンバーが集まり、アームと探査機本体を合体させての実験などをおこなっています。

火星探査機の国際大会へ出場し、日本勢初優勝を目指す

©University Rover Challenge, 2019 

私たちは、火星探査機の学生世界大会である、University Rover Challenge (URC)に出場し、日本勢初の優勝を目指します。米国ユタ州の火星実験場Mars Desert Research Stationにて毎年開催される本大会には、世界各国の大学から100チーム以上が参加しています。

2025年は5月28日~31日に開催され、大会では、以下の4つのミッションが課せられ、その合計得点によって優勝チームが決まります。


私たちはURCに優勝するために、この大会に集う世界の強豪チームに負けない探査機を作り上げることを大きな目標として、日々の活動に取り組んでいます。URCで課されるミッションをクリアするためには、まず強靭で軽量な機体、砂地や岩場で自在に移動可能なタイヤとステアリングが必要です。さらに、繊細さとパワフルさを両立し柔軟な動きに対応するロボットアーム、地面を掘削しサンプルを採取するとともに探査機内で生命を検知可能な生命分析装置の搭載が求められます。また、これらのシステムを制御するソフトウェアと回路の開発も必要になります。


私たちはどう挑むのか

資金の用途

このように、火星探査機の開発には、機械設計・電子回路・制御・科学分析など、多様な分野にまたがる専門技術が求められます。火星に模範したURCのフィールドでは、わずかな誤差や不具合が結果を大きく左右するため、各分野において高い性能と精度を両立する技術力が試されます。この複合的な開発の高度化に伴い、必要となる資金規模も年々大きくなっています。

また、私たちは、試作と検証のサイクルを回し続けることで、課題を見つけ出し、改良を重ねる開発プロセスを大切にしています。この開発理念に基づいた環境づくりを実践し続けるためには、継続的な資金の投入が不可欠となってきます。そして、この理念を貫いてこそ、URC優勝という目標に一歩ずつ近づけると私たちは考えています。

今回ご支援いただいた資金は、URC2026への挑戦に向けて、主に以下の用途に活用させていただきます。



立ち上げの背景

車輪型の探査機による惑星探査は、実際の月・火星探査にて広く用いられている手法であり、さらなる発展が見込まれる宇宙開発において、探査機開発の技術・経験は欠かせません。

世界では、学生を対象とした大規模な火星探査機の国際大会が開催されています。参加チームには、欧米の先進国のみならず、アジア、アフリカ、南米の大学も数多く名を連ねます。ところが、昨年までに日本から大会に参加したチームは存在しませんでした。

そんな中、私たちは2022年3月に日本初となる学生による火星探査機開発チーム「ARES Project」を立ち上げ、2024年のURC大会に日本初のチームの一つとして参加しました。


日本の宇宙開発をより活発に

しかし、日本において、学生による探査機開発の分野はまだまだ充実しているとはいえない状態です。そこで私たちは、これからも継続的に世界大会に挑戦し続け、そこで得た知見や培った技術を蓄積していくことで、探査機開発に挑戦しやすい環境を整えていきたいと考えています。未来を担う学生たちへ探査機の開発環境を提供していくことを通じ、わが国の宇宙開発をより活発にしていくことを目指しています。


宇宙を目指し、地球に還元する

また、本プロジェクトによって培われた技術の応用範囲は惑星探査にとどまりません。探査機の自動運転技術の開発や精密な作業を実現するロボットアームの開発は、災害救助ロボットや自動運搬ロボットなど、幅広い領域に応用可能です。宇宙を目指して世界に挑戦し、培った技術を地球に還元していくことも私たちの目標の一つです。

宇宙を知ることは、我々と、我々の住む地球を知ることに繋がります。特に、地球と同じ太陽系の惑星であり、かつて生命が存在した可能性が議論されている火星の探査は、地球の成り立ちや生命の起源を解き明かす重要な鍵となります。どこで、どのように生命が誕生し、進化してきたのか。その謎を解くことは、将来の地球環境保護への道筋を立てる手がかりにもなり得るはずです。

私たちはチーム立ち上げ以来、様々な改良を重ねながら7基の探査機を開発してきました。初期は試作してはまた一から作り直すことの繰り返しでした。

過去に開発した火星探査機

しかし、そのような試行錯誤の中で得られた知見を積み重ねていくことで、最新の機体である「ARES 8」は一つの機体を改良していくという形で開発を続け、大会で通用するレベルまで成熟させることができました。


ARES 8

ARES 8

ARES 8

ー 大会出場 ー

ー イベント出演 ー

ー 学会発表 ー

私たちARES Projectは、実践的な開発活動に加え、学術的な研究活動を積極的に行っています。開発技術を学術的な側面から検証し、そこから得られた知見を学会発表を通じて広く共有することで、今後の宇宙開発の発展に貢献していきたいと考えています。


ー メディア出演 ー

ー 実験 ー

■ 開発フェーズ 1:新機体開発と国際発信

<2025年10月〜12月>

10月:URC2026を見据えた新機体の本格開発スタート

11月:URC2026 第一審査書類提出、ロボット・宇宙フェスタふくしま 2025 出展予定

12月:新機体の初期完成・検証開始

■ 開発フェーズ 2:実証・改良と国内フィールド実証

<2026年1月〜3月>

1月:12月の検証結果を考慮した機体改良

2月:URC審査書類準備・提出、新機体実験の本格化、鳥取ローバーチャレンジ(TRC)準備

3月上旬:鳥取ローバーチャレンジ(TRC)2026 出場・国内フィールド実証

■ 開発フェーズ 3:最終仕上げとURC挑戦

<2026年4月〜5月>

4月:TRCの成果を活かし、最終設計・戦略をURC向けに調整

5月:機体の最終調整・現地搬送手配

5月末:University Rover Challenge (URC) 2026 本戦出場(アメリカ・ユタ州)


応援メッセージ





皆様のご期待に沿えるよう、努力してまいります。よろしくお願いいたします!

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支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • ローバー開発費、大会渡航費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

支援に関するよくある質問

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最新の活動報告

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  • クラファン公開に伴い、ARES Project を支えるメンバーたちの想いをお届けします。第9弾は、ローバー制御班において自律走行を担当する、Dew。彼はARESに所属している数少ない国際メンバーの1人です。いつもはあまり喋らず黙々と作業しているのですが、技術力はARESの中でもトップクラス。自律走行に関しては彼に任せておけば間違いありません。普段はクールで英語しか喋らないのに、本当は日本語をかなり理解しています。日本語を分からないふりをするのが彼の面白いところです。DEW : ローバー制御✴︎ 担当していることARESでは、自律走行を中心に担当しています。特に、ROS2 や Nav2 を用いたアルゴリズム開発、ローバーミッション全体のソフトウェア面の設計に携わっています。具体的には、レイヤーアーキテクチャの設計、物体検知や障害物回避の実装、信頼性の高い自律運用を実現するためのセンサ統合などを手掛けています。最近では、新しい試みとして、大会のフィールドミッションで用いる、リアルタイムでのモニタリングやコマンド送信を可能にするウェブアプリケーションの開発にも取り組んでいます。学部では機械・航空宇宙工学を専攻し、主にシステム設計や宇宙機・航空機の概念設計について学んでいます。ですが、ARES での活動が、ロボティクスのソフトウェア分野に本格的に踏み込む機会となりました。もともとロボットプログラミングの経験はほとんど無かったため、自分にとって大きな挑戦ではありましたが、Depp、Kato、Nagakei、Danishi、Seiyan といった経験豊富なメンバーと共に実践的に学び、機械系の知識とソフトウェア開発を結びつける力を身につけることができています。ARES では、C/C++ を用いた ROS2 パッケージ開発、センサフュージョン、SLAM アルゴリズム、フィードバック制御などに取り組み、実践的なスキルを磨いてきました。また、OpenCV や CUDA といった最新ツールにも触れ、リアルタイム画像処理や並列計算といった、自律性を向上するために不可欠な技術も学んでいます。システムモデリングやセンサフィルタリング、ミッションレベルでの統合設計などを通して、機械システムがソフトウェアによってどのように「知能」を得るかを体感しながら学ぶことができています。技術的な成長に加えて、ARES での活動を通じて、日本ならではの働き方やチームワーク、そして目標に向かって責任を持って取り組む姿勢の大切さも学びました。多様なメンバーとともに国内外の大会に向けて準備を進める時間は、大学生活の中でも特に印象深く、かけがえのない経験となっています。自律ロボティクスの概念を理解することは最初は難しかったものの、この経験を通じて大きく成長することができました。✴︎ 大切にしていることシステム開発において、私は常に「シンプルさ」「確実性」「継続的な改善」を重視しています。ロボティクスの現場では、シミュレーション上でしか動かない複雑な設計よりも、実環境で確実に動作するシンプルな設計の方がはるかに価値があります。この考え方は、ARES に参画した初期の経験から生まれたものです。当時、過度に複雑なコードや不明瞭な構造が原因で、テスト中にローバーが動かなくなるということを経験しました。自律走行システムの開発では、特にシミュレーションから実機へ移行する際に、多くのバグや予期せぬ不具合に直面しました。実際のフィールド運用では、通信強度、センサの精度、遅延など、さまざまな要因がシステムに影響を及ぼし、微調整が非常に難しくなることを痛感しました。こうした経験を通して、モジュール化された設計、段階的なテスト、慎重な検証の重要性を学びました。私にとって、エンジニアリングとは、「テスト・失敗・改善」の繰り返しだと考えています。バグや不具合の一つひとつが学びとなり、ローバーをより強固なものへと導いてくれました。この経験を通じて、焦らず、好奇心を持ち、常に挑戦し続ける姿勢を忘れないことを大切にしています。✴︎ ARES で今後挑戦したいこと短期的には、メンバーの人数が他のローバーチームより少ないという状況だからこそ、これまで以上に積極的に ARES に貢献したいと考えています。特に、自律走行システムの性能向上に力を入れて、URCでの優勝を実現することが今の1番の目標です。昨年度は良い結果を残せましたが、さらに上を目指すためには、限られた時間と厳しいフィールド環境の中で高い実力を発揮できる体制づくりが欠かせません。そのためにも、強いコミットメントが求められます。長期的には、ローバーのミッションをより正確にシミュレーションし分析できるデジタルツインシステムを構築して、仮想環境と実世界の性能差を縮めていきたいと考えています。また研究者としては、将来的にロボティクスコミュニティに貢献できるような新しいオープンソースのナビゲーションスタックを開発することも目標の一つです。 もっと見る
  • クラファン公開に伴い、ARES Project を支えるメンバーたちの想いをお届けします。第8弾は、生命分析装置やロボットアームの設計を担当するメカエンジニア、Izumin。宇宙関連の留学イベントで代表と知り合いチームへ加入。その素顔は、アメリカ遠征時の長距離移動(6時間)でも一人で喋り続けてしまうくらい、生粋の「お喋り好き」です。そんな彼女から音が消える瞬間があります。それは、生命探査ミッションの要となるドリルの設計に向き合っている時。「地下10cm以深からの土壌サンプル採取」というタスクに対し、軽量化とサンプルの取り出しやすさを徹底的に追求。試行錯誤の末に完成した2025年モデルは、極めて高いクオリティを誇る自信作となっています。IZUMIN : アーム機構班✴︎ 担当していることURC2024まではサイエンス班でドリル機構の開発を担当していました。当時はまだ設計に慣れておらず、組み立てや配線がしにくい、強度についての知識が浅いなど、特にメンテナンス性の悪い設計を行っていました。そのため、動作確認ができたと思ったら壊れ、部品の3Dプリントから組み立てまでを1からやり直すことが多々ありました。開発当初は3Dプリンタベースの設計でしたが、ある程度の動作が確認できてからは金属部品も発注して使用するようになりました。3Dプリンタとは違い「容易にミスができない」というプレッシャーはありましたが、それまでに3Dプリンタ部品で何度も設計の試行錯誤を繰り返した経験のおかげで、完璧とは言えないまでも、メンテナンス性や強度を意識した設計ができるようになったと感じています。URC2025からはアーム機構班に移り、ドリル開発(1からの設計)とは異なり、既存機構のアップデートを担当しています。現在は「ベースホライズン」の改良に加え、アーム操縦練習用の模擬宇宙船の設計も行っています。ベースホライズンの改良では、特に低重心化・軽量化を目指して機体へのアーム取り付け方を大幅に変更する設計を行い、ちょうどその組み立てが終わったところです。今後は、実際に東北にあるARES 9の機体に取り付け、さらに改良を進めていきたいと思います。模擬宇宙船の設計においては、これまでの大会出場で得た知見をもとに、大会本番で使われるものにできるだけ近い設計を心がけました。これは今後の実証試験や審査動画で用いる予定で、訓練の質を高め、ミッションの成功に繋がればいいなと思います。✴︎ 大切にしていることものづくりをするにあたって、ありきたりな仕組みにとらわれず、「どうすればもっと面白い機構を実現できるか」を考えるのが好きです。チームでの開発では、確実に動作することが前提ですが、その中でも新しい発想を取り入れられるよう、常に頭を柔らかくして設計に取り組むよう心がけています。もともと“からくり”のような仕組みが好きで、アクチュエータの数を減らすなど、工夫次第で動きを最適化できるアイデアを考えるのが楽しいです。ARESの活動でも、いつかチームに貢献できるようなユニークな機構を提案できたらと思っています。ドリル機構に用いた絞り機構は、カメラなどに使われる既存の構造を利用したものですが、CAD上で試行錯誤を重ねて形状を設計しました。実際に組み立てて、想定通りに開閉した瞬間の喜びは今でも忘れられません。✴︎ 今後ARESで挑戦したいことARESには、さまざまな分野で開発を支えてくださっている方々がいます。せっかくその一員として活動しているので、たくさんの方と話しながら、できるだけ多くのことを吸収していきたいです。特に、制御・電装の分野は機構と直接関わる部分でもあるので、ぜひ知識を分けていただきたいという野望を抱いています。そして、他分野からの視点をうまく取り入れた設計ができるようになりたいと思っています。 もっと見る
  • こんにちは、ARES Projectです!12月1日(月)〜12月3日(水)の3日間、仙台国際センターで開催された宇宙ロボティクス国際会議 iSpaRo2025にて、ブースをお借りして私たちの活動紹介を行いました。今回の展示では、世界大会の場で実際に走行したローバーのARES7とARES8、自作ドローン、活動内容をまとめたポスターを展示させていただきました。ブースには、世界中の大学のロボティクスに精通された先生方や学生のみならず、日本の宇宙産業をリードする名だたる企業の方々にもお越しいただき、設計に関するご質問や、今後のご協賛の可能性についてお話しする貴重な機会となりました。また、海外からのご来場者の方々へは、普段の活動内容に加えて技術的な内容まで英語で説明する必要があり、対応したメンバーにとって大変有意義で学びの多い経験となりました。iSpaRo関係者の皆様、ご来場いただいた皆様に深く感謝申し上げます。私たちARES Projectは、皆様からの応援と今回の貴重な経験を糧に、URC2026に向けて今後も精進してまいります。 もっと見る

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