注目のリターン



ARES Projectは、東北大学、慶應義塾大学の学生を中心とする火星探査機開発チームです。私たちは、火星探査機の学生世界大会University Rover Challenge(URC)への出場を目指して活動をスタートしました。約2年間の開発期間を経てついに昨年予選を突破し、URCの決勝大会に日本のチームとして初めて出場しました。
私たちは現在、東北班は東北大学、東京班は100BANCHを拠点に活動しています。東北班は探査機本体を、東京班はロボットアームを主に担当しています。月1回程度で両拠点のメンバーが集まり、アームと探査機本体を合体させての実験などをおこなっています。


火星探査機の国際大会へ出場し、日本勢初優勝を目指す
©University Rover Challenge, 2019
私たちは、火星探査機の学生世界大会である、University Rover Challenge (URC)に出場し、日本勢初の優勝を目指します。米国ユタ州の火星実験場Mars Desert Research Stationにて毎年開催される本大会には、世界各国の大学から100チーム以上が参加しています。
2025年は5月28日~31日に開催され、大会では、以下の4つのミッションが課せられ、その合計得点によって優勝チームが決まります。




私たちはURCに優勝するために、この大会に集う世界の強豪チームに負けない探査機を作り上げることを大きな目標として、日々の活動に取り組んでいます。URCで課されるミッションをクリアするためには、まず強靭で軽量な機体、砂地や岩場で自在に移動可能なタイヤとステアリングが必要です。さらに、繊細さとパワフルさを両立し柔軟な動きに対応するロボットアーム、地面を掘削しサンプルを採取するとともに探査機内で生命を検知可能な生命分析装置の搭載が求められます。また、これらのシステムを制御するソフトウェアと回路の開発も必要になります。
私たちはどう挑むのか









資金の用途
このように、火星探査機の開発には、機械設計・電子回路・制御・科学分析など、多様な分野にまたがる専門技術が求められます。火星に模範したURCのフィールドでは、わずかな誤差や不具合が結果を大きく左右するため、各分野において高い性能と精度を両立する技術力が試されます。この複合的な開発の高度化に伴い、必要となる資金規模も年々大きくなっています。
また、私たちは、試作と検証のサイクルを回し続けることで、課題を見つけ出し、改良を重ねる開発プロセスを大切にしています。この開発理念に基づいた環境づくりを実践し続けるためには、継続的な資金の投入が不可欠となってきます。そして、この理念を貫いてこそ、URC優勝という目標に一歩ずつ近づけると私たちは考えています。
今回ご支援いただいた資金は、URC2026への挑戦に向けて、主に以下の用途に活用させていただきます。



立ち上げの背景

車輪型の探査機による惑星探査は、実際の月・火星探査にて広く用いられている手法であり、さらなる発展が見込まれる宇宙開発において、探査機開発の技術・経験は欠かせません。
世界では、学生を対象とした大規模な火星探査機の国際大会が開催されています。参加チームには、欧米の先進国のみならず、アジア、アフリカ、南米の大学も数多く名を連ねます。ところが、昨年までに日本から大会に参加したチームは存在しませんでした。
そんな中、私たちは2022年3月に日本初となる学生による火星探査機開発チーム「ARES Project」を立ち上げ、2024年のURC大会に日本初のチームの一つとして参加しました。
日本の宇宙開発をより活発に
しかし、日本において、学生による探査機開発の分野はまだまだ充実しているとはいえない状態です。そこで私たちは、これからも継続的に世界大会に挑戦し続け、そこで得た知見や培った技術を蓄積していくことで、探査機開発に挑戦しやすい環境を整えていきたいと考えています。未来を担う学生たちへ探査機の開発環境を提供していくことを通じ、わが国の宇宙開発をより活発にしていくことを目指しています。

宇宙を目指し、地球に還元する

また、本プロジェクトによって培われた技術の応用範囲は惑星探査にとどまりません。探査機の自動運転技術の開発や精密な作業を実現するロボットアームの開発は、災害救助ロボットや自動運搬ロボットなど、幅広い領域に応用可能です。宇宙を目指して世界に挑戦し、培った技術を地球に還元していくことも私たちの目標の一つです。
宇宙を知ることは、我々と、我々の住む地球を知ることに繋がります。特に、地球と同じ太陽系の惑星であり、かつて生命が存在した可能性が議論されている火星の探査は、地球の成り立ちや生命の起源を解き明かす重要な鍵となります。どこで、どのように生命が誕生し、進化してきたのか。その謎を解くことは、将来の地球環境保護への道筋を立てる手がかりにもなり得るはずです。

私たちはチーム立ち上げ以来、様々な改良を重ねながら7基の探査機を開発してきました。初期は試作してはまた一から作り直すことの繰り返しでした。
過去に開発した火星探査機
しかし、そのような試行錯誤の中で得られた知見を積み重ねていくことで、最新の機体である「ARES 8」は一つの機体を改良していくという形で開発を続け、大会で通用するレベルまで成熟させることができました。
ARES 8
ARES 8
ARES 8

ー 大会出場 ー

ー イベント出演 ー


ー 学会発表 ー
私たちARES Projectは、実践的な開発活動に加え、学術的な研究活動を積極的に行っています。開発技術を学術的な側面から検証し、そこから得られた知見を学会発表を通じて広く共有することで、今後の宇宙開発の発展に貢献していきたいと考えています。


ー メディア出演 ー
ー 実験 ー


■ 開発フェーズ 1:新機体開発と国際発信
<2025年10月〜12月>
10月:URC2026を見据えた新機体の本格開発スタート
11月:URC2026 第一審査書類提出、ロボット・宇宙フェスタふくしま 2025 出展予定
12月:新機体の初期完成・検証開始
■ 開発フェーズ 2:実証・改良と国内フィールド実証
<2026年1月〜3月>
1月:12月の検証結果を考慮した機体改良
2月:URC審査書類準備・提出、新機体実験の本格化、鳥取ローバーチャレンジ(TRC)準備
3月上旬:鳥取ローバーチャレンジ(TRC)2026 出場・国内フィールド実証
■ 開発フェーズ 3:最終仕上げとURC挑戦
<2026年4月〜5月>
4月:TRCの成果を活かし、最終設計・戦略をURC向けに調整
5月:機体の最終調整・現地搬送手配
5月末:University Rover Challenge (URC) 2026 本戦出場(アメリカ・ユタ州)
応援メッセージ












皆様のご期待に沿えるよう、努力してまいります。よろしくお願いいたします!


MARS AND COFFEE 様とのコラボ企画




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最新の活動報告
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東北合宿 Day1
2025/12/27 10:20こんにちは、ARES Project のJordanです!12月下旬に実施した東北合宿1日目は、ローバーとアームの統合後に実施したメンテナンスおよび動作確認に続き、東北大学の青葉山キャンパスにてURCミッションの1つである Equipment Servicing の模擬宇宙船修復を、本番さながらにカメラ越しの遠隔操縦で試行しました。今回使用した模擬宇宙船は、チームの機構メンバーが大会で実際に用意される宇宙船の構造を忠実に再現する形で設計・組み立てをしたものであり、本番環境を模した実験が可能となりました。この高い再現度ゆえに、試行中に機体の一部に損傷が発生しましたが、これは大会でも起こりうる事象と判断され、その場で原因の特定と対策の検討まで行うことができ、非常に有意義な本番想定実験が実現しました。また、段差やくぼみのある急坂での走行試験も実施し、新型機体が持つ高い安定性を確認することができました。さらに、実験と並行してARES Project支援者の方々を対象に見学会を開催し、実際の活動現場を直接見ていただくことで、チームの雰囲気を感じてもらう貴重な機会となりました。お越しくださった参加者の皆様ありがとうございました! もっと見る新機体 ARES 9 をお披露目しました!
2025/12/25 18:42こんにちは、ARES Project のSeiyanです!先週の12月19日(金)に、仙台三越様のご協力のもと、クリスマスイルミネーションツリー点灯式にて、新機体 ARES 9をお披露目させていただきました。当日は、何度もリハーサルを重ねながら点灯ボタンを確実に押せるよう調整を行いました。また、クリスマスイベントにふさわしい雰囲気を演出するため、ARES9の内部にLED装飾を施しました。点灯式が始まると、通りかかった多くの方々が足を止め、点灯ボタンを押す瞬間を見届けてくださいました。点灯式後は、ライトアップされたツリーの前でARES9のデモンストレーションや操縦体験会を行い、多くの方にローバーを間近で見ていただく機会となりました! また先月には、仙台三越本館メインウィンドウにて、私たちのローバーを特別展示させていただくという、とても貴重な機会を設けていただきました。このように継続して発表・展示の場をご提供くださった仙台三越の皆さまに、心より感謝申し上げます。東日本放送様にもご取材いただき、当日の点灯式の様子がご覧いただけます。 もっと見る
[ メンバーインタビュー No.14 ] アーム制御:Shinchan
2025/12/22 20:04クラファン公開に伴い、ARES Project を支えるメンバーたちの想いをお届けします。第14弾は、アーム制御で活躍するShinchan。Shinchanは1年生で東京班に入ってくれて、先輩しかいない中、必死に食らいついてくる本当にパワフルな子です!いつもニコニコで先輩からも可愛がられてます。URCに向けてメキメキと成長しながらチームを盛り上げてくれます!しんのすけぇぇぇえええ!!SHINCHAN : アーム制御✴︎ ARES で担当していること僕はロボットアームの制御を主に担当しています。僕たちが目標としている大会であるUniversity Rover Challenge(URC)では、ミッションの1つとして「キーボードをアームで押す」というタスクがあります。その際に、アームに取り付けられたカメラを使って、どのキーがどの座標にあるかを計測できるようにする必要があります。そこで、それぞれのキーを機械が認識できるように機械学習をさせたり、カメラからキーボードまでの距離を算出し、そこから座標を出せるようなシステムを開発しています。この領域に取り組む上で最も楽しく面白い瞬間は、自分で開発したシステムが想像通り動いた時です。僕は大学に入るまで、制御系の分野については全く触れたことがありませんでした。そのため、先輩たちからご指導もいただきながら常に試行錯誤の連続です。コンピュータは良くも悪くもとても正直者で、少し指示の仕方を間違えてしまっただけでも正常に動かなくなってしまいます。さらにシミュレーション上でうまく動作したとしても、実機となるとうまくいかないケースもしばしば。しかし、そんな状況を経験した上でようやく想定通り動いてくれた時の達成感はこの上ないものです。また、ARESに入るまでは少ない人数でものづくりをすることが多かったのですが、1つの目標に向かって、高い能力を持った多くのメンバーと、1つのモノを創ることの面白さも日々学んでいます。✳︎ 大切にしていること僕が開発などに取り組む際に大事にしているのは、「まずやってみる」という姿勢です。機械やプログラムは、頭の中でいくら考えても動きません。実際に手を動かしてやってみてはじめて、それがうまくいくのかあるいは改善の余地があるのかがわかります。そして失敗を通して得た経験こそが、次の工夫や成長につながると考えています。この考え方はものづくりに限らず、あらゆる挑戦において共通することです。失敗を恐れずに行動する、もし仮に失敗したとしてもそれはそれで面白いと思うことで、より情熱を持って物事に挑戦できると思っています。✳︎ PASSION僕はPMのダニシさんと同じく、宇宙飛行士になり有人惑星探査を行うことを目標としています。幼い頃から宇宙に対して漠然と興味があり、宇宙へ実際に行き未知の世界を調べることができる宇宙飛行士という職業に憧れを抱いていました。年齢を重ねるにつれてその憧れは夢へ、そして目標へと変わり、現在は探査ロボットのエンジニアとして宇宙飛行士となり、そのロボットと一緒に惑星を探査したいと考えています。この目標こそがARESの活動の原動力となっており、日々の開発に対して強いモチベーションを与えてくれています。✴︎ 今後ARESで挑戦したいことかなり将来的な話にはなってしまいますが、現在開発しているローバーやアームを基盤として、実際に宇宙へ持っていけるロボットの開発に挑戦したいと考えています。ARESのメンバーはそれぞれの能力が非常に高く、そんな方々と共に作り上げてきたローバーは、僕にとっても特別で大切な存在です。だからこそ、実際の火星探査を想定して作り上げてきたローバーを、いつか本当に宇宙に送り出したいと思っています。2024年に日本の団体として初めてURCに出場したARESが、今度は学生団体として初めて、自ら開発した探査機を宇宙へ送る。それは言葉にできないほど困難な挑戦ですが、そのぶん挑戦する価値も計り知れません。これまでの活動で得た技術や知識、そしてメンバー1人ひとりの高い能力を結集させ、“地球の外”という新たなフィールドへ挑戦していきたいです。 もっと見る














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