
2025年夏、私たちは『POPCORN NAVY』という戯曲を戦後80年の節目として上演します。
この作品に登場するのは、20歳前後の若者たち。
時代は昭和20年4月。戦局が極限に達するなか、特攻隊員として命を差し出すことを迫られた青年たちは、語り、黙し、そして揺れながら、「生と死」と向き合っていきます。
その葛藤は、戦争という特殊な環境だけに閉じたものではありません。自分の意志で生きることの困難さ、未来への不安、誰にも言えない心の揺れ。それらは、“今”を生きる私たちの問いとどこかで繋がっています。
だからこそ私は、この戯曲を、いまこの時代の若者たちに演じてほしいと強く願いました。
今回の『POPCORN NAVY』には、私の母校・中央大学第二演劇研究会(中大二劇)の在学生とOBOGが多数参加しています。
特攻隊員として舞台に立つ4人の男性キャストは、すべて現役の中大二劇生。大学生活の中で学び、悩み、迷いながらも、それでも演劇と向き合い続けている彼らが演じるからこそ、この作品は本物の「今」の重みを持ちます。
演出の逸見輝羊(へんみ・てるよし)も中大二劇出身で、つかこうへい氏最後の弟子として、多くの舞台を経験してきました。
けれど私が舞台でお見せしたいのは、「かつての若者の再現」ではありません。“今”を生きる彼らが、“今”の体温を持って、80年前の若者を生きる姿なのです。
紅一点の出演者が引き出す、戯曲の情感
そして、唯一の女性キャストとして登場するのが、ゆりな。彼女もまた中大二劇のOGであり、卒業後も #劇団カルタ を基点に女優として活動を続けています。
今回、後輩たちとともにこの作品に出演する彼女の存在が、物語に潜む情感をより豊かに引き出してくれるはずです。
26年越しの再会。そして、たった一度の舞台へ
私が『POPCORN NAVY』という作品に出会ったのは、大学1年生のとき。そして大学4年のとき、主宰としてこの戯曲を舞台化しました。
あれから26年。人生の様々なフェーズを経て、再びこの作品に向き合うことになるとは思ってもいませんでした。それでも今、若い世代とともにこの物語に向き合えることに、大きな意味と使命を感じています。
本公演は「学生演劇」でも「再演」でもない
この舞台は、「学生演劇」でもなければ、ただの「再演」でもありません。ある大学の演劇サークルが持つ歴史と熱意が、世代を超えて結集した、たった一度きりの舞台です。
戯曲の中の「時間」と、現実の舞台の「今」が交差し、俳優の呼吸や視線が、“記憶の向こう”にある存在をそっと浮かび上がらせていく――そんな奇跡のような瞬間が、この舞台にはきっと訪れるでしょう。
劇場で、その“瞬間”を目撃してください
私たちが描こうとしているのは、戦争の悲劇そのものではありません。「誰かの生きた証」が、観る者の“今”とどう繋がるかを問う、心の物語です。
どうか、劇場でその“瞬間”を、目撃してください。
主宰:清野



クラウドファンディング達成率 23%(116,000円/500,000円)
残り2日 支援者11名様
ご支援いただいた皆様、ありがとうございます!
【戦後80年 たった一度きりの公演 『POPCORN NAVY』】

チケット販売ページ:
https://stage.corich.jp/stage/382631
企画・制作:PROJECT ichiGO ichiEN






