
今回刊行する書籍のタイトルにもなっている「メディア考古学」とは、一体どのような学問なのでしょうか。
編著者・佐々木友輔によるnoteの連載「地方映画史研究のための方法論」から、メディア考古学を知るのにオススメの回をピックアップしたブックリストを用意しました。書籍刊行に向けた予習としてお楽しみください。
メディア考古学とは何か
(03)エルキ・フータモ『メディア考古学』
(44)ユッシ・パリッカ『メディア地質学』
(46)大久保遼『映像のアルケオロジー』
→ そもそも「メディア考古学って何?」という方はこちらから。この学問分野を代表する研究者の問題意識を簡潔にまとていますので、入門編として読むことができます。

先駆者たち
(01)ミシェル・フーコー『言葉と物』
(43)F・キットラー『グラモフォン・フィルム・タイプライター』
(51)アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』
→ メディア考古学はどのような学問から影響を受けてきたのかを知りたい方はこちらもぜひ。やや難しい内容かもしれませんが、じっくりと向き合えば、物事の見方・捉え方が一変する体験ができる三冊です。
映画の考古学
(19)C・マッサー「スクリーン・プラクティスの歴史に向けて」
(20)トム・ガニング「アトラクションの映画」
(22)ミリアム・ハンセン「感覚の大量生産」
→ 私たちが自明視している「映画の歴史」を問い直し、より長い歴史の上に、あるいはよりローカルな歴史の上に位置付け直す試みです。過去の人びとの映像体験が身近に感じられ、当時に旅してみたくなるはず。
二次的なメディア/メディアミックス
(34)ジェラール・ジュネット『スイユ』
(35)ジョナサン・グレイ『別売されるショー』
(38)キャロリン・キッチ『雑誌のカバーガール』
→ メディア考古学を実践するためには、チラシやポスター、雑誌などの二次的なメディアを読み解くことが不可欠。新聞の映画欄を見たり、予告編を眺めるのも「映画体験」を構成する重要な要素だと気づかせてくれる重要な先行研究を取り上げました。
断片的なものから過去を想像する
(12)アラン・コルバン『記録を残さなかった男の歴史』
(36)ポール・グレインジ「エフェメラル・メディア」
(37)アメリー・ヘイスティ「映像とデトリタス」
→ そもそも遺された資料が少ない地域でリサーチを行うためには、わずかに遺された断片的なものから、過去を想像・再現しなければなりません。こんな研究方法があるのか!と目から鱗の文献を紹介します。
メディアの再発明
(24)ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』
(25)スチュアート・ホール「エンコーディング/デコーディング」
(07)ベル・フックス「対抗的まなざし」
→ 与えられたメディア、押し付けられたメディアの利用方法に従う必要なんてない。自分たちでメディアを再発明し、まったく別の目的のために転用してしまうこともまた、メディア考古学の実践になり得ます。
アーカイブと芸術的実践
(49)ハル・フォスター「アーカイブ的衝動」
(52)クレア・ビショップ「情報オーバーロード」
(53)ダイアナ・テイラー『アーカイブとレパートリー』
→ メディア考古学の魅力は、研究論文の執筆や学会発表に限らず、芸術的な実践を通じても、リサーチや研究成果の報告ができる自由度の高さにあります。ここで紹介した論考はいずれも、研究と制作、リサーチとアートを結びつけるための豊かなアイデアを提供してくれるでしょう。
より深く学びたい方へ
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