
2014年に初めて多摩少年院を訪問し、出院前の若者と出会いました。
それまで私の中には、引きこもりや無業の若者との接点しかなく、「元気が有り余っていてやんちゃ」、あるいは「怖さがある」若者像を漠然と描いていました。
しかし、実際に会ってみると、彼らは「キラキラした目」をしていて、礼儀正しくしっかりと挨拶をしてくれ、私が投げかける言葉にも真摯に耳を傾けてくれる素直さがありました。
それ以来、私は各地の少年院の見学・訪問を重ね、東京西法務少年支援センターで毎月の就活セミナーを担当するなど、少年院出院後の若者たちと接点を持つ機会をつくってきました。
中には、5〜6年にわたって継続して関わっている若者もいます。
始めの頃は、大人を頼ることすら難しかった彼らとどうやって信頼関係を築くか、また細く長くつながり続ける関係性をどう保つか、とても苦労しました。
彼らが発するサインを見逃さないこと、そして信頼される大人として選んでもらえるよう、頻繁に連絡を取り、関心を示すことを意識してきたと思います。
現在では、安定した就労がかなった若者もおり、不安の大きさもずいぶんと小さくなってきました。
ただ、それでも「常に気にかけている」というメッセージを送り続けることは大切だと感じています。
彼らのような若者たちを、個人としてだけでなく社会全体で応援できるような仕組みや風土が広まっていくことを、心から望んでいます。
阿部 渉
育て上げネット ジョブトレ/夜のユースセンター ユースコーディネーター(現場リーダー)






