
韓国での「大丈夫、アリス」上映に先立ち、デンマークで試写会を開催しました。
試写会に参加した1人の学生から韓国に寄せられた手紙をご紹介します。
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アンニョンハセヨ。
これは映画『大丈夫、アリス』を観て感じた私の感想です。
少し長くなってしまいましたが、書いているうちに伝えたいことがたくさん出てきました :)
楽しんで読んでいただけたら嬉しいです。
このドキュメンタリーは、「成績や学力だけに価値をおく」厳しい文化を変えようと闘う人々を映し出していました。
特にクムトゥルリ人生学校の生徒の言葉が胸に突き刺さりました。
「中学校では高校の準備をして、高校では大学の準備をして…。
未来に幸せになるためと言われるけど、どうして“今”幸せでいられないの?」
この映画は、子どもたちが想像を絶するほどのプレッシャーを受け、それがどんな影響を与えるかを描いていました。到達できない目標を追い続け、心が壊れ、孤独になってしまう。彼らの話を聞くのは胸が痛みました。なぜなら、それは日常的に起こっていることであり、映画の中の子どもたちだけが経験していることではないからです。
だからこそ、生徒・先生・親たちが、この世界で“違う生き方”を探している姿を見ることは、とても希望を感じさせてくれました。デンマークのエフタースコーレの理念や価値観が、別の文化にどう伝わっているのかを知るのはとても興味深かったです。
私自身、デンマークでエフタースコーレやホイスコーレに通った経験があるので、その体験がどれほど人生を変えるかを知っています。
たくさんの人に出会い深くつながることができます。
自分自身を探求し、人生で何を求めているのかを理解できるようになります。
挑戦的でありながらも素晴らしい、生涯忘れられない経験を得ることができます。
このドキュメンタリーは、このプロジェクト(=クムトゥルリ人生学校の実践や、デンマークのエフタースコーレの理念や仕組みを韓国に導入しようとする取り組み)の大切さや価値を本当によく伝えていました。どのように彼らの人生を変えて、彼らの人生を救い、子どもたちの幸せを守り、崩れかけた家族を支えるかを伝えていました。また、韓国の教育文化へのユニークな視点を与えていました。
このドキュメンタリーでは、生徒・親・教師の声を通じて、現行システムの価値観がどんなものかを浮き彫りにしていました。そしてまた、そのシステムに抗い、別の道を模索する人々の姿も映し出していました。この映画は、自分自身の人生をどう生きるか、どのように生きたいかを強く考えさせる作品でした。
私は、この映画は韓国だけでなく、デンマークにとっても大切だと思います。デンマークでも、政治家たちが教育を早く終えて働きに出させようとしたり、子どもがより若いうちから頻繁にテストを受け、早い段階から成績で評価されるようになったりしています。こういった小さな変化の積み重ねが大きな影響を与えています。これは、近年デンマークが「世界一幸福な国」でなくなっている理由のひとつかもしれません。この映画は、かつてデンマークが理想とされていた理由、そして私たちがデンマークで本当に大切にすべきもの――子どもたちが幸せであること、自分自身を見つけること――を思い出させてくれます。
さらに素晴らしかったのは、監督のオ・ヨンホさんが韓国からはるばる来てくださり、韓国の学校や状況について、なぜエフタースコーレのようなものが必要と考えているのかを直接語ってくださったことです。そして11月の正式公開を前に、この映画を観ることができたのは本当に貴重な機会でした。
ぜひ公開後も改めて観たいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
心を込めて
リア
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※本文は、Oh! My Cine、OhmyNewsの記事をもとに構成しています。






