3月14日〜19日の6日間にわたり、本ページにて告知しておりました3つの遺骨収集派遣のうち、「③3/14(土)~19(木)(6日間、遺骨収集活動・平和学習・慰霊式など)(以下:本隊)」を実施しました。本活動には、現地学生2名を含む大学生56名(うち8名は先発隊からの継続)と事務局員1名の計57名が参加しました。 活動初日は、学生が全国各地から那覇空港に集合し、宿泊先の公民館へ移動しました。夕食前に結団式を実施し、遺骨収集に必要な基礎知識や骨格概要、沖縄戦史に関する理解度テストを行いました。また、全隊員のうち13名が作成した、沖縄戦や沖縄隊が歩んできた道に関する資料を全員で閲覧しました。これは、平和学習などでインプットした知識や生じた感情を各々が思い描く方法でアウトプットして形に残すことを目的として考案した企画になります。夕食を挟み、班ごとに活動初日の心境や資料閲覧の感想などを共有したうえで、現在も世界で続く紛争に関する議題で意見を交わしました。このように本活動では時事的な課題にも目を向けております。戦史や骨格概要を確認する理解度テストに取り組む学生 2日目は、平和学習のために沖縄県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館、南風原文化センター・沖縄陸軍病院南風原壕群20号、一中学徒隊資料展示室を訪問しました。戦時中に野戦病院として使用されていた沖縄陸軍病院南風原壕群20号では、当時の薬や注射器、また負傷した兵士が天井に彫った文字を資料館での視覚的な観点とは異なり、肌で空気を感じ、光景を想像しました。一中学徒隊資料展示室では、約3か月間かけ完成させた千羽鶴を寄贈させていただきました。こちらの資料室では我々よりも年下の学生たちが戦前に送っていた学校生活の様子や一人一人のエピソードなどを聞くことができます。展示されている家族への遺書や遺髪・爪は様々な夢を抱いていたであろう若者が戦いに向かってゆき命を落とした事実があったことを我々に伝えてくれました。宿舎に戻ってからは、初日同様に班ごとに意見交換を行いました。本活動では遺骨収集に加えて、平和学習や学生同士の意見共有の時間を通して、過去の出来事や現在の課題に真剣に向き合う時間を大切に積み重ね、戦争の事実や平和の尊さを深く理解し言葉にできる継承者となることを目指しています。この日新たに得た知識や抱いた想いをどのような形で、言葉で周囲や後世に広めていくか、考えを深めました。一中学徒隊資料展示室にて職員の方と話す学生たち 3、4、5日目は、糸満市摩文仁にて4つの活動場所に分かれ、遺骨収集を行いました。そのうちの1現場は、「一中学徒通信隊終焉之地」であり、2日目に伺った一中学徒隊資料展示室と関係している場所です。戦後80年間で堆積したごみを回収したり、岩を運んだりしながら、環境を整備しつつ戦争当時の地表まで地面を掘り下げることから活動がスタートします。収集活動においては、活動前3回にわたって実施された勉強会で得た知識や、大学生56名の体力・マンパワーが大いに生かされました。全員が熱意と敬意を持って活動に臨んだ結果、3日間にわたり、戦没者と思われる複数のご遺骨や遺留品をお迎えいたしました。活動終了後、宿舎では初日、2日目同様、班・現場ごとの意見交換を行いました。本活動で大事にしている「戦没者やご遺族の想いに寄り添って遺骨収集を行う」とはどのようなことかに加え、「平和とはどのような状態か」「海没者の遺骨収集」についてなど、現代の課題を踏まえて討論しました。遺骨収集活動場所にて当時の地層まで丁寧に掘り進める様子 5日目の午後には慰霊式を執り行い、戦没者の方々へ黙祷と追悼の辞、献花を捧げました。3日間でお迎えしたご遺骨を公益財団法人沖縄県平和祈念財団戦没者遺骨収集情報センターに引き渡し、ご遺族のもとにお還しするために以後専門家による鑑定が行われる予定です。慰霊式で献花を捧げる 6日目は、宿舎清掃の後、解団式を行いました。解団式では、各活動場所の遺骨収集活動報告や6日間を振り返り最後の意見交換・全体共有が行われました。各々が考える「平和」とは何なのか、継承者になるために何をしようと思ったのか。現地で活動するだけでなく終えた後に行動を起こす重要性を確認する時間となりました。そして、全員で那覇空港に移動し、全国各地へと帰っていきました。 最後となりますが、本プロジェクトへの支援・拡散にご協力いただいた皆様、この度は誠にありがとうございました。計57名・計10日間という大規模な活動を遂行することができ、80年間地中に眠っていたご遺骨や遺留品を陽の元にお迎えすることができました。参加した学生は、多くの血が流れた場所で戦争の傷跡と平和の尊さを体感したとともに、悲しみを教訓として風化させないための継承の必要性、周囲・後世に語り継ぐ使命感を抱くようになりました。 本活動に参加した学生は全員異なるバックグラウンドを持っています。現地で体感したことや経験などを全国各地に持ち帰り、戦争を語り継ぐために自分なりのアプローチを考え、様々な観点から行動を起こすことができます。本活動の非常に高い社会的意義に対し、学生にかかる金銭的負担の大きさが活動規模拡大を阻んでいる中、支援者の皆様には、活動人数増加や活動期間延長に多大なお力添えをいただきました。改めまして、心より厚く御礼申し上げます。 IVUSAでは、今後も沖縄県での遺骨収集活動を継続いたします。質の高い活動を持続するため、金銭面も含めて課題を解決できるよう努めてまいります。 本団体および本活動を今後とも温かく見守っていただけますと幸いです。国際ボランティア学生協会沖縄県戦没者遺骨収集活動2026春犬飼 梨央






