
山梨から兵庫まで沢山のライトを車いっぱいに積んで、両親が届けに来てくれました。
ガラス作家と金工作家の両親の背中を見て育ち、憧れて飛び込んだものづくりの道。
食事の時は自然と顔の見える誰かが作った器が並び、「作品」が手に取ってくれた誰かの生活の中でどう寄り添っていくのか、どう豊かに出来るのかを常に考え語ってくれました。
苦労も多い生活でしたが、それも感じさせないくらいどんな状況でも生きるを楽しむことが上手だった両親。家にはエアコンもなく、ご近所のお下がりの服ばかり着ていた幼少期。冬の暖房は、河川整備で伐採された木材の無料配布などを軽トラで集めに行き、家族総出で薪割りして燃料にしていました。
夜中は薪ストーブの火が消えるので、寒くて寒くて。布団を4枚重ねても寒くて寒くて。
そうしたら、毎年研究しながら自分で薪ストーブを改良していき、最後はストーブ一台でほぼ家中温かく過ごせるようになったり。
軽やかに愉しく強く生きる姿をいつも近くで面白そうに見せてくれました。
記録した写真を眺めながら、沢山の記憶が甦ってきて、私達のアトリエ店舗にこのライトが灯ることに言葉に出来ない感情が込み上げてきました。

きっとこの光や手洗い鉢を見る度に、励まされ鼓舞されるのだろうと思います。
どんどん形になっていくアトリエ。
訪れた際には、点在する様々な温かな手仕事にも癒されていただけましたら嬉しいです。



