
庭にある椿の木。
毎年静かに、下を向くように花を咲かせます。鬱蒼とした庭に椿の色がとても映えます。

沖縄の古い庭では、椿は決して一般的な木ではないそうです。
台風の多いこの土地では、
風に強く、実用性のある木(フクギ、ガジュマル、クロトンなど)が選ばれることが多く、椿は“よくある庭木”というわけではありません。
ではなぜ、この場所に椿??
麹づくりの世界では、
木を燃やした灰が使われることがあります。
その中には、椿を燃やした灰を用いるという話もあるんです。
(参考資料)
さらに思いを巡らせると、
大阪で醸造を学んだ三代目のことが浮かびます。

当時としては珍しく、沖縄から離れ遠い地で醸造を学び、その技術を持ち帰りました。
明治から昭和にかけて蔵の基盤を築き、戦後の復興を経て、今に続く玉那覇味噌醤油の礎をつくった人物です。
もしそのとき、麹と灰、そして椿のことを知り、この場所に椿を植えていたとしたら。
それはただの庭木ではなく、
味噌、醤油に必要な麹づくりのために選ばれた一本だったのかもしれません。
もちろん、本当のところはわかりません。
だけど、新しい桶での仕込みが始まった今、こうして過去に思いを馳せる時間もまた、私たちにとって大切なひとときです。
昔の人たちは、どんな思いでこの木を植えたのかなぁ〜
この椿がここにある理由を考えること自体が、どこか今の味噌づくりともつながっている気がしています。



