(名前を書いた和紙を入れた桐箱を体内に納めている)
株式会社文化財マネージメントの宮本です。
地蔵菩薩像の修復も最終盤となってきました。
今回は、クラウドファンディングのリターンとしても設定してある、支援者名簿の納入についての模様をお伝えします。
まず建穂町内にて、クラウドファンディング支援者名と今回の修理記録を和紙に墨書きしました。
その後、吉備文化財修復所にて、和紙を巻き、体内の大きさに合わせて制作した桐箱へ納めました。
(名前を書いた和紙を巻いている)
(巻いた和紙を桐箱に納めている)
この桐箱を体内に納入し、頭部を取り付けました。
(桐箱を体内に納めた状態)
(頭部を取り付けている)
なお、像の頭部などが白くなっていることに、皆さんも気付かれたかと思います。
これは、過去の修理塗膜を落とした頭部、手先、足先に、白色顔料である胡粉(ごふん)を膠水で溶いた「胡粉下地」を塗ったためです。
修復前に建穂の皆さんが持っていたイメージを尊重し、元の雰囲気から極端な変化がないように、金色に仕上げるための前段階の状態です。
漆塗りなどだと後に剥がすことが困難なので、後年必要になった際には取り除くことも可能な方法を選択しています。
仏像の修復の一般的な周期からいうと、この像も200年300年後にまた修復がなされると思います。
そのときに、皆さんのお名前は未来の人の目に触れることになろうかと思います。
いわばタイムカプセルですね。