(株)文化財マネージメントの宮本です。 静岡市文化財資料館で開催されている「建穂寺 幻の大寺 守り継がれし みほとけたち」展に先日行ってきました。 (静岡市文化財資料館の建穂寺展ののぼり) 今回のクラウドファンディングによって修復した木造地蔵菩薩像も出展されています。また、クラウドファンディングなども含めて、建穂寺の文化財の保存や継承についても扱った内容となっております。今週末の3月18日(日)までの会期ですが、お近くの方はぜひ。 静岡市文化財資料館は静岡浅間神社の境内にありますが、こちらは建穂寺との関係深い神社でもありますので、あわせてのお参りをお勧めします。 (静岡浅間神社大拝殿) **************************************** 第2回企画展「建穂寺 幻の大寺 守り継がれし みほとけたち」日程:平成30年2月3日~3月18日場所:静岡市文化財資料館(静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102)アクセス:【バス】JR静岡駅北口から 静鉄バス安倍線・美和大谷線10分「赤鳥居」下車、または駿府浪漫バス25分「赤鳥居」下車 静岡駅から約1.8㎞入館料:一般200円 下記のサイトではチラシも見ることができてわかりやすいです。http://www.at-s.com/event/article/art/445811.html
(修復完成した地蔵菩薩像) 株式会社文化財マネージメントの宮本晶朗です。 8月6日(日)に、本尊・千手観音像の御開帳にあわせて、地蔵菩薩像の修復完成のお披露目がありました。 (御開帳の準備が進む観音堂) この日は年に一度、本尊・千手観音像の厨子が開けられ、そのお姿を目にすることができました。9時からは法要が始まり、近隣のお寺である見性寺のご住職にお経を上げていただきました。町内の方々による御詠歌もありました。 (法要の様子) 修復された地蔵菩薩像のほうは、多くの方がご覧になりやすいように、今日は観音堂から隣接する公民館の一室に移してありました。 (この日は公民館に移された地蔵菩薩像) あわせて、絵馬や地図など建穂寺に関係する資料の展示もあり、ちょっとした展覧会のよう。 午後からは講演会が催されました。建穂神社観音堂評議委員会・委員長の佐藤四郎さんのご挨拶、像の修復をなさった吉備文化財修復所の牧野隆夫さん、建穂寺など地域の郷土史を研究されている黒澤脩さん、そして私の講演がありました。 (委員長の佐藤さん) (吉備文化財修復所の牧野さん) (郷土史研究家の黒澤さん) 講演会には会場ほぼ満員の70名ほどの方にご参加いただきまして、観音堂へのお参りを合わせて1日で100名以上の方がいらっしゃったようです。町内の方はもちろんのこと、クラウドファンディングの支援者様など、静岡県内だけでなく名古屋や東京や千葉方面からもいらしていただいたようです。 夕方には御開帳が終了し、本尊の厨子も閉められ、地蔵菩薩像も観音堂にお戻りになりました。 (観音堂に戻った地蔵菩薩像) 地蔵菩薩像が修復されて再び力強いものとなったと同時に、今回の修復クラウドファンディングを通して地域も活気づいているように感じた1日でした。
(株)文化財マネージメントの宮本です。 皆様のご支援によりまして、地蔵菩薩像は修復を終え、ついに先週には観音堂に戻られました。誠にありがとうございます。 つきましては、毎年8月上旬におこなわれているご本尊・千手観音菩薩像の御開帳にあわせて、地蔵菩薩像の修復完成記念の御開帳をおこなうこととなりました。支援者さまはもちろんのこと、どなたでもお参りいただけます。この機会にぜひご参拝くださいませ。 修復完成記念 地蔵菩薩像および本尊・千手観音菩薩像の御開帳 〇日にち:8月6日(日)〇法要:9:00~〇参拝時間:法要終了後~16:00頃〇記念講演:13:00~ 牧野隆夫(吉備文化財修復所)、 宮本晶朗(株式会社文化財マネージメント) 14:00~ 黒澤脩(郷土史) ※講演は観音堂に隣接する公民館でおこないます。〇住所:建穂観音堂 静岡県静岡市葵区建穂2-12-6〇交通案内:JR静岡駅から藁科線バス20分、「服織小学校入口」下車徒歩8分〇そのほか:観音堂に隣接する公民館で、建穂寺に関係する資料を特別展示します。 〇講師プロフィール 牧野隆夫1950年、岡山県に生まれる。東京芸術大学大学院美術研究科保存修復技術彫刻専攻修了後、伊豆半島の仏像修復などを経て「吉備文化財修復所」設立。各地の仏像調査とともに、これまで約300体の仏像修復を手がける。1992年から東北芸術工科大学教授に就任、12年間教鞭をとる。2003年、同大学卒業生とともに山形県に有限会社東北古典彫刻修復研究所を設立、同研究所代表も務める。文化財保存修復学会会員、山形県文化財保護委員、東京学芸大学等非常勤講師。近著に『仏像再興:仏像修復をめぐる日々』がある。 〇黒澤脩昭和21年(1946)生。郷土歴史研究家。元・静岡県立大学非常勤講師。元・静岡市駿府城天守閣等関連史料主席調査員。元静岡市立藁科図書館館長、元静岡市教育委員会 事務局参与等を歴任。写真集『幻の寺 建穂寺』の解説者。
(修復後の地蔵菩薩像) 株式会社文化財マネージメントの宮本です。今回は、新たに制作して補った台座と光背と、修復後の全体像をご報告します。修復過程のご報告の最終回です。 ヒノキ材で新しく制作した台座、光背に漆下地を塗り表面を整え、黒漆を塗りました。持物、上框、光背に金箔を貼りました。 (台座の上框に金箔を貼っている) 輪光背の正面部分に岩絵具を塗り重ねました。 (輪光背に岩絵の具を塗っている) (完成した光背) 色調を調整するため、金箔の表面に薄く顔料を塗り、全体の雰囲気に合うよう発色を抑えました。 (修復後の像本体・台座・光背)
(胡粉下地を塗って、ヤスリで表面をなめらかにした状態) 株式会社文化財マネージメントの宮本です。実は、地蔵菩薩像の修復はすでに完成しているのですが、こちらでのお伝えが遅れておりました。今回は、像本体の最終工程についてご報告します。 過去の修理塗膜を落とした頭部、手先、足先に、白色顔料である胡粉(ごふん)を膠水で溶いた「胡粉下地(ごふんしたじ)」を塗りました。ヤスリで研ぐ作業をくり返し、表面をなめらかにします。凹凸を整えた下地の上に、膠水で溶いた「金泥(きんでい)」を塗りました。細かな金粉がムラにならないように、数回塗り重ねました。 (金泥を塗っているところ) 顔料で眉、瞳、唇を描き、仕上げに金泥の表面をメノウ棒で磨き、艶を上げました。 (眉、瞳、唇を描き、金泥の表面の艶を上げた面部)