
ご支援いただいている皆さまへ
前回の活動報告では「わいわい田んぼプロジェクト」を紹介しました。そこでは、米づくりを行っている人たちは、農薬や化学肥料を使わずに稲を育てています。この延長で、今回は「オーガニック」について触れたいと思います。
一般には「農薬や化学肥料を使わないと、野菜が虫食いになったり、立派に育たない」と思われがちです。けれども、実際に自然栽培に取り組んでいる方々にお話を伺うと、違う景色が見えてきます。農薬や化学肥料のコストがかからないだけでなく、野菜は本来の味を取り戻し、美味しくなるそうです。さらに、その野菜を食べた人の腸内環境が改善され、地球環境にも優しいというのです。
世界を見渡すと、コロナ禍をきっかけに、学校給食などを中心にオーガニック食材の利用が急速に広がっています。デンマークの首都コペンハーゲンでは給食食材の9割がオーガニックに切り替わり、韓国や台湾でも同様の流れが進んでいます。健康面への影響の大きさが認識されてきています。
日本でも、青森県の木村秋則さんが実践する「木村式自然栽培」のリンゴ園では、無農薬・無肥料でも毎年数千個のリンゴを実らせるという成果を上げています。これは、自然の力を活かした農業の可能性を示す象徴的な例です。
私たちも今回「天然稲わら納豆」をつくったことで、工場の中で製造が完結する食品と、大地の自然と直結した食品との違いを実感しています。無農薬の稲わらに生きる微生物が、大豆を発酵させて生まれる納豆。その姿は、まさに自然との共生の象徴です。
是非多くの方々にご支援をいただき、自然と共生して生まれた納豆を味わっていただきたいと願っています。
松阪利貞堂店主 濱岡正己





