600年以上続く神事の中にある神話を、その神社で上演してみる。

2025年10月4日(土)、地元のboraお祭りのプレ・イベントとして創作舞台「つたじまのおろち」を上演。香川県三豊市・賀茂神社に伝わる神話が、大人も子どもも楽しめる新しい芸能としてよみがえり、そしてその芸能が次の世代に手渡される。600年続く神事と神話、そして芸能の継承へ、ご支援をお願いします。

現在の支援総額

1,701,500

113%

目標金額は1,500,000円

支援者数

160

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2025/09/04に募集を開始し、 160人の支援により 1,701,500円の資金を集め、 2025/10/04に募集を終了しました

600年以上続く神事の中にある神話を、その神社で上演してみる。

現在の支援総額

1,701,500

113%達成

終了

目標金額1,500,000

支援者数160

このプロジェクトは、2025/09/04に募集を開始し、 160人の支援により 1,701,500円の資金を集め、 2025/10/04に募集を終了しました

2025年10月4日(土)、地元のboraお祭りのプレ・イベントとして創作舞台「つたじまのおろち」を上演。香川県三豊市・賀茂神社に伝わる神話が、大人も子どもも楽しめる新しい芸能としてよみがえり、そしてその芸能が次の世代に手渡される。600年続く神事と神話、そして芸能の継承へ、ご支援をお願いします。

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みなさま。

クラファンのご支援、ありがとうございます。そろそろ一週間が経とうとしています。

今回もまたまた安田登(能楽師)が書きます。

今日は「日本の土地は特別」という話を書きますが、昨日の話とも関連しています。

が、正直にいうと「日本の土地」といいながら、日本以外のことはそんなに知らないので、厳密さには少し欠けます。それはご容赦を(笑)。

時代を地名で呼ぶ

日本は「時代」を呼ぶのに土地の名を使います。

たとえば奈良時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代などなど。平安時代も、平安京といえば京都のことなので、これも含めてもいいでしょう。また、明治以降は「時代」とくくれるほどの時間が経っていませんが、未来にはこれも「東京時代」と呼ばれるかもしれません。

ほかの国は違います(といっても、すべての国を知っているわけではありませんが…)。

たとえば中国では「漢」・「唐」・「宋」など王朝名で呼びますし、西洋では「カロリング朝時代」「ナポレオン時代」「エリザベス朝時代」「ヴィクトリア朝時代」など人物名や制度などで呼びます。

日本はちょっと特別です。

そして、日本の時代が冠された土地は、その時代の雰囲気をいつまでも持つことになります。

奈良や平安京(京都)は何となく奈良時代、平安時代っぽいし、鎌倉なんてあんなに東京に近いのにまだ鎌倉時代っぽい。これは観光政策の問題だけではありません。時代を冠された土地は、その時代の物語を持ち続けることになるのです。

神話が地名を作る

物語を持つ土地や京都や鎌倉だけではありません。

日本最古の本である『古事記』や『風土記』の中からは、地名命名説話をたくさん見つけることができます。

ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコト(湏佐之男命)が自分の宮殿を造るべき所を探して出雲国に行ったときに「ああ、ここに来て自分の心はすがすがしくなった」と言ったことで、その地が「湏賀」という名前になった(『古事記』)…とか。

あるいは、五瀬命が敵が射た矢を手に受け、深い傷を負った。その時に、和泉の国(大阪)の海で手の血を洗った。そこでその海は「血沼海」という名になった(『古事記』)…とかね。

近所の地名も物語を持つ

地名や『古事記』などに書かれるものだけではありません。

私たちの身近な地も、その地名をたどっていくと、神話や伝説に由来するところが多くあります。

市役所や区役所などに行って調べてみると、「おお、こんな意味が!」ということがたくさん出てきます。

私たちは、神話や伝説の地の上に生きているのです。

情報の集積所《歌枕》

それらが「和歌」に関連すると、その地は「歌枕」と呼ばれるます。

歌枕とは、古来より歌に詠み続けられてきた地名のことをいいます。

関西や東北は歌枕の宝庫ですし、江戸(東京)にも隅田川などいくつもの歌枕があります。、しかし歌枕は、単なる地名と片づけることのできない性質を持っているのです。

歌枕には「枕」という語が含まれています。

「枕」は、現代の私たちにとって枕はただの寝具にすぎませんが、古代の人々にとっては超自然的な力を持つ呪術的な寝具でした。

「まくら」という語は「ま(真)」と「くら(蔵)」から成ります。すなわち「真実の容器」、あるいは「聖なる処」というのが枕のもつ原義でした。

そして、その真の容器に入れるものは「神霊」であったと民俗学者の折口信夫はいいます。

お祭りのとき、神の言葉を託宣する神官は「まくら」を設置します。そしてそこに神霊を呼び出します

神霊が宿ることによって神座となった「まくら」に神官は頭を置き、そこで仮睡すると神霊が託宣者に移り、彼は神の言葉を宣べたのだと折口は述べています。

歌枕とは、そのような祭礼の「まくら」のように神霊の宿った地名をいいます。古代から歌われた和歌や物語がそこに霊魂として宿っているのです。そういう意味では、歌枕は古代からの情報の集積所でもあるといえるでしょう。

生命の指標:ライフ・インデキス

『風土記』や『古事記』中巻に地名起源説や土地の伝承が多く載っているのは、これらの書がまさに歌枕の書き上げの書、すなわち国々の霊力のインデックス本だからです。

ある地名=歌枕を引くと、その物語や神霊の顕現である神の名が現れます。その地名は神々の歌神々の物語につながり、さらに神々の霊力をも引き出すのです。まさにインデックスといえます。

折口はこれを「生命の指標(ライフ・インデキス)」と名づけました。

ある歌枕(地名)を耳にすると、それが具体化し胸に広がります。そしてその「生命の指標」である「歌枕」を歌の中に読み込むという行為は、生命の指標をそのまま歌の中に活かしていることになるのです。

そのとき、それはただの歌を超えて「咒歌」となります。

これは広義の歌枕(地名)、狭義の歌枕(歌語)のいずれにもあてはまります。

歌枕から霊力を得る

能では、そのように歌を詠まれた植物や昆虫が人的生命を得ることさえあるのです。

かつて大和朝廷を脅かした古代の英雄アテルイは東北地方の勇者でした。このアテルイをはじめ、大和の貴族には想像もできないほどの強力な力をもった英雄たちが存在していました。古代の人々は、その英雄の霊力を身につけたいと思ったことでしょう。

そのために「くにぶり」である「国魂=東北の歌枕」を詠み込んだ歌を通して霊力を得るのが一番だったのです。

多くの人々が東北の歌枕を詠み込んだ歌を歌ったり、あるいは実際に東北の歌枕を訪ねたりしたのも当然のことといえます。

歌枕は、そこを訪れる人に「歌枕パワー」「詩魂パワー」を与える呪術的アイテムなのです。

日本の土地ってすごいでしょ。

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…とだいぶ長くなってしまったので、続きはまた明日書きます。

《続く》

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