
「千鶴子さんに逢いに。」
皆様初めまして。今回、舞台「千里眼の女」にて、明治に実在した千里眼の能力者【御船千鶴子】役を務めさせていただきます、玄狐の槇野レオナです。
2025年前半のある日のこと。
石橋さんから「槇野、熊本に行かないか?」とお誘いを受け、それから数ヶ月後。夏真っ盛りの某日。わたしは初めて熊本に行きました!御船千鶴子さんの軌跡を探しに!
旅のメンバーは演出の石橋さん、わたし、そして超強力助っ人!合同公演のもうひとつの作品「わが家」にて石橋さん演じる作家阿久村幸篤の妻・妙子役を演じられる、大分県在住の緒乃ちとせさんに助けていただき、三人で行って参りました。
(余談ですが「わが家」もとても面白い作品!そちらの情報もぜひチェックしてくださいませ!わたしは大大大好き!)

齋藤先生が書いた「千里眼の女」の舞台であり、御船千鶴子さんの故郷、熊本県宇城市の不知火町松合。
八代海に面する長閑な地で、味噌や醤油が名産。また、特定の時期に海の上に光が現れる神秘の現象「不知火(しらぬい)」が有名です。
松合に着いた私たちは、まず松合郷土資料館へ。

松合の地のこと、不知火現象のこと、そして御船家と千鶴子さんについての資料を直接拝見することができました。ご対応いただいた施設の方がお優しく大変丁寧に案内していただきました。
お次に御船家の跡地。お家は残っていないとのことでしたが看板が建てられており、お写真を撮らせていただきました。
ここで過ごしていたんだなあ。八代海を眺めて。

最後に今回のメインの目的。千鶴子さんの御墓参りへ。

小さなお山の奥にひっそりと佇む御船家のお墓と千鶴子さんのお墓。千鶴子さんのお役を大切に演じさせていただくことをご報告しました。
お参りを終え、ふと横を見ると
なんと。このような看板が。

2025年末に墓じまいをされる予定とのこと。
この公演がもし、あと一年、半年、遅く企画されていたとしたら、千鶴子さんのお墓を直接お参りすることは叶わなかったかもしれない…。勝手ながら、意味を感じずにはいられませんでした。
時代ともに形変わりゆくもの消えゆくもの。
だからこそ、何かしらの形で、わたしたちで言えば舞台という形で遺すことへ魂を燃やす意義がある。
このクラファンもそのための第一歩にしたいです。
そして実は、このお墓参りの最中に、わたしたちはとっても不思議な現象に遭遇しました。
その後、この体験を経て、石橋さんは「千里眼の女」の原作にはなかった要素を追加しています。ここで語ろうかとも悩んだのですが、、、もしよろしければ、ぜひ、劇場に足を運んでいただきまして、楽しみの一つとして探してみていただければ幸いです。
現在、本番まであと4日。
稽古は佳境。
瞼の裏にあるあの日見た熊本松合の景色と、明治という激動の時代の中で千鶴子さんがかけた想いを、サンモールスタジオにて届けられたらと思います。




