自己紹介
早稲田マリンヨットクラブは早稲田大学公認のヨットサークルです。1966年の創設以来、60年近くにわたり、日本人が設計した競技ヨット「K-16」とともに活動を続けてきました。
私たちは、K-16クラス協会が主催する公式レースへの参加を主な活動目標としています。部員は約30名。週末を中心に練習を行い、夏休みなどには平日も集中練習を実施しています。

このプロジェクトで実現したいこと
K-16は、日本人が設計し、今なお公式レースが行われている数少ない艇種です。ヨット人口の減少により新艇の製造は停止され、現在稼働しているK-16は江ノ島に残る14艇のみとなりました。
そんな中、廃棄寸前の状態で放置されていた1艇「K-16_1110号艇」が奇跡的に発見されました。
私たちにとって、1110号艇は貴重な15艇目です。最初から完璧な状態に戻すことは難しくても、着実に整備を重ね、公式レースで上位を狙える船へと復活させることが私たちの目標です。

私たちの活動資金は限られており、ヨットの部品は高額です。だからこそ、古い船を整備して現役復帰させる道を選びました。また、業者に依頼して修理するのではなくて、私たち自らが手を動かして、愛情をもって1110号艇を海に帰したいと考えています。
この挑戦を通じて、
①古いものを丁寧に使い続ける価値を社会に示したい。
②自ら手を動かして、技術を継承したい。
③K-16の魅力を次世代へとつなげたい。
K-16_1110号艇の物語
K-16はこれまでに1000艇以上が製造されましたが、現在稼働しているのは14艇のみとなりました。そんな中、約40年前に建造された1110号艇が廃棄物同然の状態で発見されました。私たちが最初に目にした時には、沢山の廃棄物の中に埋もれた状態でした。これが、私たちと貴重な15艇目の船体との再会でした。
1110号艇は、約40年前に私たちの21期生が購入した船です。一時期、部員減少により私たちの活動が停止を余儀なくされた時期に、1110号艇の管理が第三者に委ねられましたが、その後、放置されてしまった様子です。発見時には黒いペンキが乱雑に塗られていましたが、幸いにも船体構造は健全で、整備すればレースに復帰できると判断しました。
船体は繊維強化プラスチック(FRP)製で、丁寧に修復すれば見違えるほど美しくなります。ただし、紫外線による劣化でほとんどの部品は交換が必要です。セールは残っておらず、新調が必要です。マストは劣化していますが、痛みの激しい部品を交換すれば暫定的な使用は可能です。
資金が潤沢であれば全ての部品を新品に交換したいところですが、現実的には中古部品を活用し、段階的に整備を進める予定です。
プロジェクトの特徴
まず第一は、日本人が設計し現存する数少ない艇種を守るという事です。この貴重な15艇目の船体を、2026年からレースに復帰させます。
次に、整備作業のほぼ全てを学生自身が行うことです。業者に依頼するのではなく、冬の寒さの中で手を動かし、FRPの貼り直し、部品の研磨、マストの調整などを通じて、船を一から蘇らせます。この整備の過程で、私たち自身がヨットの構造に関する知見を深めて整備技術を継承することも、私たちの大切な目的の一つです。
この船を復活させることは、単なる修理ではなく、歴史と技術の継承でもあります。
現在の状況
放置艇として私たちの前に現れた1110号艇を、取り戻す調整に半年以上を費やしました。また、大規模整備に関して、先輩たちへの協力も仰ぎ、技術面でのサポート体制も整いました。
K-16の全日本レースを終える10月に整備に着手し、2026年3月までに整備を完遂する予定です。作業の進捗は、早稲田マリンヨットクラブ_Xアカウントで共有させて頂きます。

整備計画と資金
来春に1110号艇をレース復帰させることを大前提とし、調達できた資金に応じた整備を計画しています。資金が集まれば集まるほど、性能と信頼性が向上し、レースで上位入賞の可能性が高まります。
現在の資金力では第1段階が限界ですが、オフシーズンのバイトも視野に入れ、第2段階までは必要不可欠な整備と考えています。第3段階以降は、信頼性の向上のための整備ですが、皆様のご支援により、ぜひ第4段階まで到達したいと願っています。
第1段階 30万円 船体本体など必要最小限の整備
第2段階 70万円 セールを新調(帆走能力の改善)
第3段階 150万円 部品を新調(信頼性の向上)
第4段階 200万円 マストを新調(信頼性の向上)
※金額は、各段階達成までの総額

リターンについて
ご支援いただいた方には、ヨット試乗やクルーザーでのレース観戦などの返礼をご用意しています。是非、K-16というヨットを間近で見てください。そして、K-16に興味を持ってくださる方が1人でも増えれば、それが私たちの何よりの喜びです。
また、1万円以上のご支援頂いた方のお名前は、金属プレートに印字して1110号艇に刻ませて頂きます。こうする事により、多くの人の愛に支えられて復活した艇である事を、後輩にも伝えていきます。
スケジュール
10月 第一次整備開始(まずは船体構造の整備)
クラウドファンディング開始
12月 クラウドファンディング終了
調達資金に応じた整備内容を決定
1月 第二次整備開始(艤装部品の取付)
3月 第二次整備終了
1110号艇を進水
4月 1110号艇の運用開始
5月 K-16公式レース開始(1110号艇参戦)
部員からのメッセージ

荒木應介:59期幹事長:教育学部3年
私たちのサークルは60年の歴史があり、OB会の支援があって資金的には成立しています。年に2回実施されるOBの集まりでは、私たちの祖父くらいの年齢の先輩方から、サークルの歴史などを聞いてまいりました。いろいろな苦労を諸先輩方が乗り越えて、今の早稲田マリンヨットクラブがあること、その舵取りを任されている責任と向き合っています。この度は、先輩方が若いころに愛した1110号艇と出会い、是非、これを復活させたいと考えて色々な方に協力を仰ぎ、ようやく整備に着手できる環境が整ったので、頑張って1110号艇をよみがえらせたいと思います。 
中川多美:59期副幹事長:基幹理工学部3年
私たちのサークルの特徴は、K-16という古い船を大切に後世に引き継いでいることだと考えています。60年前に日本人が設計したヨットが、今も江ノ島を走っている事は、ある意味では奇跡だと思います。なんでも気軽に捨ててしまう世の中ですが、良いものをいつまでも丁寧に使い続ける大切さを後輩にも教えたくて、このプロジェクトを立ち上げました。これから根気のいる作業が続きますが、最後まであきらめずに、1110号艇を湘南の海に戻します。
藤原美希:60期:教育学部2年
今年の11月には、59期からバトンを受け取り、1110号艇を海に返すのが私たち60期となります。1110号艇が進水したのは今から約40年前の話です。そのヨットに出会い、私たちが海に戻してあげることを楽しみにしています。本格的な作業はシーズンオフの冬の間に実施することになりますが、1110号艇と一緒に春の海を楽しみに整備をしたいと思います。
最後に
K-16は、60年にわたり日本の海を走り続けてきました。その灯を絶やさぬよう、私たち学生の挑戦にどうかご協力をお願いいたします。
私たちにはもうひとつ、大きな夢があります。それは「K-16の新艇製造が再び始まること」です。現在、新艇の製造には最低でも3艇以上の発注が必要とされています。
もしK-16にご興味を持ち、「新艇が欲しい」「中古艇でも構わない」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。すぐに実現できることではないかもしれませんが、私たちはK-16の完全復活という夢を、決してあきらめたくありません。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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