水害が“徒歩圏”で起こる時代
写真はイメージです
南海トラフ巨大地震が発生した場合、沿岸部では数分から十数分で津波が到達すると想定されています。また近年は、線状降水帯の発生により、短時間のうちに河川が増水し、住宅街や通学路でも突然、膝や腰の高さまで水が押し寄せるケースが全国各地で起きています。
避難の途中で足を取られて転倒したり、側溝や用水路に落ちてしまったりしたとき、「浮力を確保できるかどうか」が生死を分ける場面があることは、多くの災害事例が教えてくれています。
しかし、子どもや通勤者が毎日救命胴衣を持ち歩くのは現実的ではありません。防災用品は「家や職場、避難所に置いてあるもの」という位置づけが強く、実際の災害発生時には「手元にない」「取りに戻れない」という問題が起きます。
だからこそ私たちは、「日常でいつも持ち歩いているもの」が、「水害時には命を守る装備」に変わる必要があると考えました。
通学・通勤リュックが救命胴衣仕様になる「MSB LIFE BOX」とは


こうした課題に対する私たちの答えが、通学・通勤用のスクエア型リュックとして普段使いでき、いざというときには約1分で救命胴衣状に変形する防災バッグ「MSB LIFE BOX」です。(以下、LIFE BOX)
LIFE BOXは浮力体を内蔵したバッグを反転するリュック本体に浮力体を内蔵し、肩ベルトや腰ベルトを組み替えて体に巻き付けることで救命胴衣と同じように身体に着用できる構造へ変化し、胸・お腹・背中にしっかり固定できる構造になっています。首元にも浮力体を配置することで、顔が水面から出やすい姿勢をサポートします。


表側は日常の通学・通勤に馴染むデザインと容量を備え、教科書やノートPC、書類、部活動や仕事道具もしっかり収納できます。一方、裏地や一部パーツには視認性の高い蛍光色や反射材を用いて、薄暗い状況でも周囲から発見されやすいよう工夫しました。


専門的な知識がなくても、子ども自身が自分で装着できることを大切に、ベルトの取り回しやバックルの位置、装着手順を何度も見直しながら設計しています。日常のリュックとして無理なく使い続けながら、もしものときには浮力を持った救命胴衣同等の浮力体として機能する。それがLIFE BOX最大の特徴です。


丹波市の医療機器用救急バッグメーカーが挑んだ理由

LIFE BOXを開発したマルスバッグは、兵庫県丹波市に拠点を置くバッグメーカーです。これまで、救急医療現場で使用される酸素ボンベバッグや資機材器材バッグ、防災・救助活動用の専用バッグなど、命を守る現場で使われるバッグを数多く手がけてきました。「現場で人の命を支える道具」「個々で異なる現場の要望に全てお応えしたい」をモットーに、現場が求める真に使いやすいバッグを製作するつくることを生業としてきた会社です。

そのような私たちが次に取り組むべきは、「災害が起こる前」から命を守るバッグだと考えました。近年頻発する線状降水帯によるゲリラ豪雨、それに伴い全国各地で発生する河川氾濫による被害、さらにはその発災が懸念される南海トラフ地震を踏まえ、被災地の方々や自治体の職員、防災に関心のある先生方と話す中で、通学路や通勤路で突然水が押し寄せたとき、手ぶらで逃げるしかない現状に強い危機感を覚えました。


「バッグのチカラで人々を守りたいどうせ毎日持ち歩くなら、命を守れるリュックにできないか。」この思いから、「普段は通学・通勤で違和感なく使え、なおかつ水害時には速やかに着用できる浮力体として機能する」そんなバッグをイメージしながら2024年1月、能登半島地震をきっかけにLIFE BOXの開発が始まりました。私たちが長年培ってきた救急・防災用バッグのノウハウと、消防団在籍25年間の経験、現場の声を生かしながら試行錯誤を繰り返し試作と検証を重ね、1年9か月かかってこの程ようやく完成いたしました。

鳥羽小学校での実証授業と寄贈ストーリー
2025/10/26 神戸新聞朝刊 丹波篠山版掲載
2025年6月23日、4年生の教室にて防災授業を実施しました。授業では、LIFE BOXの説明と実演を行い、「津波が来たらまずは高所へ逃げることを最優先する」ことを伝えました。そのうえで、避難の際には素早くLIFE BOXを変形して装着してから逃げることを説明しました。授業後には、子どもたちからバッグの改良案や要望を聞き取り、その内容を盛り込んだ新型LIFE BOXを5個寄付することを約束し、細川は帰宅しました。
翌日には、学校に置いて帰ったLIFE BOXのサンプルを使用し、4年生のプール授業にて、実際に変形させたり身体に装着したりして浮かぶ体験を行いました。体験を通して、子どもたちはLIFE BOXの性能を確認しました。
また、防災授業の終了後には、子どもたちが授業を通して感じたことを文章にして送ってくれました。

そして2025年10月14日には、鳥羽小学校体育館にて全校児童参加の贈呈式を開催していただきました。約束どおり、新型LIFE BOXを5本、代表の5名に手渡しました。その後、4年生は6月に実施した防災授業の内容を発表し、その中で女子児童1名が、迫ってくる津波に扮した男子児童4名の前で、1分7秒でLIFE BOXを変形し、身体に装着する実演を行いました。
この取り組みは新聞にも大きく掲載され、「通学・通勤リュックが救命胴衣状に変身する」「ライフジャケット機能の通学リュック」として紹介されました。地域の皆さんにとっても、通学カバンと防災の新しい可能性を感じていただける機会となりました。
このクラウドファンディングで実現したいこと

LIFE BOXは、試作と実証の段階を経て、通学・通勤用の防災リュックとしての手応えをつかむことができました。しかし、全国の学校や家庭、企業に届けていくためには、まだ超えなければならないハードルがあります。
今回のクラウドファンディングで集まった資金は、こうした量産化・安全性向上・導入体制の整備に大切に使わせていただきます。
製品仕様
| サイズ | 外寸(横幅×高さ×マチ幅) | 重さ | 基本容量 |
|---|---|---|---|
| L | 横幅34cm × 高さ42cm × マチ幅20cm | 1.70kg | 17.14ℓ |
| M | 横幅30cm × 高さ39cm × マチ幅18cm | 1.39kg | 12.87ℓ |
| S | 横幅26cm × 高さ34cm × マチ幅16cm | 1.15kg | 7.95ℓ |
※容量は「基本容量」(いずれも約4cmのマチ幅拡張機能あり)
浮力実験者の体格
| 区分 | 身長 | 体重 | サイズ |
|---|---|---|---|
| 男性 | 175cm | 75kg | L |
| 女性 | 162cm | 52kg | M |
| 小学生 | 124cm | 25kg | S |
カラーバリエーション
ブラック / ネイビー / オレンジ
※内装はいずれも蛍光オレンジ
受賞歴
令和7年度「丹波すぐれもの大賞-TAMBA INNOVATION AWARD-」きらめき/プロダクト・イノベーション(製商品)部門受賞
スケジュール
2026年1月 クラウドファンディング開始
2026年3月 クラウドファンディング終了
2026年8月 製品順次発送
最後に - LIFEBOXに込めた想い

LIFEBOXはバッグ製作の知識や技術、消防団在籍25年間の経験を通して感じた水害の恐ろしさ、その水害から人々を救いたい救急バッグメーカーとしての想いなど、これまでの人生で私が培ってきたすべてを詰め込んだバッグです。
これを普段から皆様の生活の中でお使いいただきながら水害に備え、健やかな暮らしをいつまでもお過ごしいただきたいと思います。
そして今、このLIFEBOXを必要な方へ届け、災害に強い暮らしを広げていくために、皆様のお力をお借りしたいです。クラウドファンディングでのご支援は、製作体制の強化や改良、より多くの方へ届けるための発信・流通の整備に活用させていただきます。
「備えが当たり前になる社会」を一緒につくるために、どうかこの挑戦にご参加ください。温かいご支援・応援・シェアを、心よりお願いいたします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



