
おはようございます。
今日は過去に保護したにゃんこと、そして保護が間に合わなかったにゃんこのお話です。
1ヶ月くらい前に子猫が2匹ほど産まれたようだがペット不可&先住が猫嫌いで保護できない、他にも未避妊の猫が何匹かいる、どうしよう?と連絡がありました。
1ヶ月猶予があったのね!と思いつつ、保護に行ってきました。
夜中に団体さんから捕獲器を借り、フードやペットシーツをかき集め、朝、万全の体制で出発。
現地に着くとまず、子猫も母猫も見当たらない。
「あの辺で声がした」とか「少し前までこの辺にいた」とかの情報はあるけど一向に見つからない。
頭皮が焼けるんじゃないかっていうとんでもない炎天下。
仕方が無いので焼かつおを一切れずつ、目撃情報があった場所に置き、消えるか見ると同時に、いつもの餌場に捕獲器を設置。
入ってほしいのは2匹の子猫の母猫と、人懐こくて里子に出してやりたいと言われた若い猫。
捕獲器を仕掛けて身を潜めて5時間、ガシャン!という音が聞こえて「かかった!」という掛け声と共に捕獲器の元へ駆け出します。
かかったのは、2匹の子猫の母猫。
こうなったら母猫に子猫を呼び出してもらおうという作戦でいきます。
里子に出してやりたいと言われた若い猫がいるのでもう一台仕掛けます。
すると近所で子猫の姿を探していた依頼者さんが「子猫の声がする」と。
慌ててそこへ向かい、録音してある母猫の声を流したところ、たしかに返事をする。
が、近隣住民のおうちの敷地内で、手が出せない。
敷地から出てくるように誘導しましたが無理で、仕方なく住民の方のお家へピンポンしに。
「猫の保護活動をしているわたなべと申します」と名乗ると
「お前らが猫増やすから迷惑なんだよ!失せろ!!」
…とお叱りを受けることが多々あり、毎度ピンポンは怖いものです。
しばらく無心で手を擦って、顔を両手でパチンと弾いた後、いよいよチャイムの前へ。
すると、なんと「犬」マークが貼ってあったのです。
動物好きの方は、猫の幸せを願ってくれる人が多い。保護活動に協力的なことが多い。経験則ですが。
これはチャンスとチャイムを鳴らし
「猫の保護活動をしているわたなべと申します。〇〇さまのお宅の敷地内から子猫が出られなくなっているので、少しお邪魔してもよろしいでしょうか」
と名乗ると
「もちろんいいですよ!」と一つ返事。
有難いことこの上ないです。
しばらく捜索させていただいたのですが、子猫の声は目の前からするのに姿が見当たらない。
壁の中かなぁ、業者さん呼んで壁に穴をあけないとかなぁとヒヤヒヤ。
そこに依頼者さんが来られて、譲渡したい若い猫も捕まった!とのこと。
家主の方が出てこられて
「どのへんで声がしていますか?」
「あー、そこならこっちから入り込んじゃったのかも。」
「ちょっと物を退かすので待っていてくださいね。」
「潰さないようにゆっくりやります。」
と。
優しい家主の方に何度も頭を下げ、物を退かしていただき、いよいよ子猫の居場所がわかりました。
U字のブロックが下向きに置いてあり、3個繋がったところに、それを塞ぐように他のブロックが置かれ、どうやらそのU字のブロックの中に居る様子。
少しある隙間から子猫が顔を見せてくれました。
ブロックを退かす許可を取り、ライトを当て、いよいよ捕獲!
目の前にはバラバラになってウジが大量にうごめいている、黒くて小さな子猫のご遺体が、毛皮と肉と骨が、転がっていました。
ボディブローを喰らったような。
喉元まで何かが込み上げてくるような。
頭が真っ白になりました。
もう1匹、顔を見せてくれた方の生存している子猫はライトに驚いて奥の方に逃げてしまったので、母猫に呼び出してもらってすかさず捕獲。
生後1ヶ月くらいでしょうか。
「首のところをしっかり押さえて、もう片方の手で下半身を包み込むように持って、先に部屋に戻っていてください。」
と依頼者さんに伝えました。
この景色を見せるわけにはいかない。
いや、見せるべきなのか?
落ち着け、私でも心が壊れそうなんだから見せない方が良いだろう…
家主の方に
「子猫が一匹死んじゃってます。腐敗がかなり進んでいるので、回収するために手袋とかビニールとか持ってきますので、お待ちください。」
とお伝えしました。
すると家主の方が「うちに全部あるんでちょっと待っててください!」と家に駆け込みます。
ショックで動けなかった私は家主の方のお言葉に甘えてその場に立ち尽くしていました。
救えなかった。
1ヶ月猶予があって。
救えなかった。
捕獲器の中で鳴く母猫に「ごめん、赤ちゃん、助けられなかった…」と声をかけると同時に涙が溢れます。
汗を拭いているように見えますようにと思いながら腕で無理やり拭って、家主の方が用意してくださったビニール袋と手袋を受け取ります。
手を合わせて
「ごめんなさい。
助けられなくてごめんなさい。
人間のことは許さなくていいです。
私のことは憎んでいいです。
お母さん猫のことだけ、どうか許してあげてください。」
と伝えました。
手にあたる骨の感触。
ウジ虫が指先を這い回る感覚。
心を無にして回収を終えました。
家主の方に
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。近隣の猫はできるだけ避妊去勢、できる子は譲渡します。お手数をお掛けいたしました。本当にありがとうございました。」
とお伝えしました。
家主の方から
「餌やりで増えた猫、捕獲に来たお姉さんが悪いんじゃないんだから、どうか謝らないで。」
と優しいお言葉が。
また涙が溢れ、誤魔化すように頭を何度も下げつつ依頼者さんのお家へ向かいました。
子猫をキャリーに入れ、母猫が入った捕獲器と若い猫が入った捕獲器、それと黒猫ちゃんのご遺体を車に乗せ帰宅。
子猫の脱水がひどかったので、少し薄めに作ったミルクをお皿から飲ませました。
黒猫ちゃんは合同供養で火葬していただき、合同供養塔に手を合わせました。
こうして激動の一日は終わりました。
いろいろ言いたいことはたくさんあります。
思うところもたくさんあります。
後悔もたくさんあります。
疲れたけど、眠れそうにありません。
ごめんね、黒猫ちゃん。
本当にごめんなさい。
今でも近くを通る度に合同供養塔に花を手向けお線香を焚き、黒猫ちゃんに手を合わせています。
サムネイル画像は助けられなかった黒猫ちゃんのご遺体と共に居た、助けられた方の「こと」ちゃんです。
真夏にコンクリートブロックに閉じ込められていた影響もあるのか、保護当時腎臓が悪く、体温調節ができず低体温と脱水、生死の境を彷徨って入院したのですが、今はこうして里親さまを募集しながら元気に過ごしています。
本当なら、黒猫ちゃんもここに…
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