全ての人に“へゼリヒプライン”を。障害のある人が自分らしく働ける場所を守る挑戦

効率を優先する社会の中で、生きづらさや心の波を抱えながら働く人たちがいます。私たちの就労支援事業所は、そんな方々が自分のペースで働ける小さな工房です。けれど、制度と経済の狭間の中で、このような場所は不安定な立場に置かれています。彼らの大切な居場所を守り続けるために、あなたの力を貸してください。

現在の支援総額

147,000

73%

目標金額は200,000円

支援者数

15

24時間以内に12人からの支援がありました

募集終了まで残り

53

全ての人に“へゼリヒプライン”を。障害のある人が自分らしく働ける場所を守る挑戦

現在の支援総額

147,000

73%達成

あと 53

目標金額200,000

支援者数15

効率を優先する社会の中で、生きづらさや心の波を抱えながら働く人たちがいます。私たちの就労支援事業所は、そんな方々が自分のペースで働ける小さな工房です。けれど、制度と経済の狭間の中で、このような場所は不安定な立場に置かれています。彼らの大切な居場所を守り続けるために、あなたの力を貸してください。

はじめまして。へゼリヒプラインです

私たちは、宮城県仙台市で障害福祉サービスを提供するNPO法人です。

ちょっと不思議な響きの「ヘゼリヒプライン」という言葉は、オランダ語に由来する造語。“gezellig(ヘゼリヒ)”は、日本語で言うところの「心地よさ」に近い感覚を、“plein(プライン)”「広場」を表しています。

オランダの人々は、気のおけない仲間と食卓を囲むような、穏やかで、あたたかく、前向きな感情──そんな時間に漂う空気感を「ヘゼリヒ」と呼びます。私たちが目指すのは、そんなヘゼリヒに満ちた広場のような世界

どんな人も歓迎され、気軽に交われる場所。いつもの仲間と支え合い、認め合い、少しずつ自分自身のことも愛おしく思えるような場所を作りたい。そんな願いを、この名前に込めました。


“世界に一つ”が生まれる工房

私たちが目指しているのは「すべての人が成長できる社会、社会参加できる社会、自分らしくいられる社会」です。このビジョンの実現に向けて、現在は、知的障害や精神障害を抱える人たちが通う就労継続支援B型事業所(※)「工房すぴか」を営んでいます。

ここでは、利用者と職員が力を合わせて、布製品や雑貨をつくっています。多くの製品の元になるのは、利用者の個性やその日の感情を映した手織りの布。心のままに織られるこの布は、色も、模様も、一つとして同じものがない、まさに芸術作品です。

※障害や難病のある方など、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供する施設。


布を織るのではなく、自分を織る

工房すぴかでは「さをり織り」という織り方で、糸から布を織っています。さをり織りが目指すのは、機械で織られるような均一な布ではなく、人間が本来持って生まれた感性で織られる布。

自由に色や柄を選び、独創的な布を織り上げる利用者もいれば、決まったデザインを織ることで、心を落ち着かせる利用者もいます。作り上げる過程はさまざまですが、どれも丁寧に織られた一点もの。一つひとつが、私たちの自慢の作品です。


心の波によりそう、織りのリズム

工房すぴかに通うのは、知的障害のある方や、うつ病などの精神障害を抱える方たち。

ここでのモノづくりの意義は、人それぞれです。縫製技術を磨きながら社会性を身につけようとする人。そして、日々心の波を抱えながらも、織りのリズムに自らを預ける人。

時には、手を動かすより前に、心の準備が必要な日もあります。体調や気分の波に寄り添いながら、少しずつペースを整える時間。技術を教えることだけでなく、安心して働ける関係を築くこともまた、大切な支援の一部です。

織物や縫製などの作業を通じて回復や成長を支える工房すぴかは、彼らにとってかけがえのない場所になっています。



私たちを取り巻く課題

けれど、工房すぴかのように“モノづくりの就労支援”を行う事業所は、とても不安定な立場に置かれています。

ありがたいことに、私たちの商品を好んで買ってくださる方はたくさんいらっしゃいます。しかし、布製品や雑貨は、パンや菓子などの食品のように、頻繁に買われることはありません

商品が十分に売れなければ、働く人の収入(工賃)が減ってしまう。工賃が下がると「事業の成果が低い」とみなされ、支援に必要な給付費も減ってしまう。そして、いずれは事業所自体が立ち行かなくなってしまう──

食品ではないモノづくりを行う就労支援事業所は、こうした厳しい制度のもとでの運営を余儀なくされています。


効率の尺度では測れない価値を

「それなら食品を作ればいいのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、利用者の方々は、縫製や手織りの仕事に希望を見出して、工房すぴかを選んでくれました。単に儲かる方向へ舵を切ってしまえば、その方々が輝ける機会も、心のよりどころとなる場所も失われてしまいます。

そして、私たちには、もう一つ大切にしていることがあります。それは、工房すぴかでのモノづくりの中にある「効率の尺度では測れない価値」を社会に伝えていくことです。

マフラー、ストール、ポーチ、ペンケース、コースター、キーホルダー……私たちがつくる“モノ自体”は、他の場所でも買うことができます。でも、一つひとつの作品に宿る、働く人たちのリズムと息づかいからは、画一的な工業製品には生み出せないぬくもりを感じられるはずです。


ある作品に宿る物語

ここで、私たちの代表作を一つご紹介します。手織りの表情と本革の温もりを組み合わせた「GEZELLIG(ヘゼリヒ)カメラストラップ」です。

これが誕生したのは、今から8年前。きっかけは、ある作り手が織り上げた一枚の布でした。大胆な織り方と配色で、凹凸が豊かで美しい。けれど、その個性ゆえに縫製が難しく、長らく製品化できずにいました。

実際の試作品

けれど、「この織りの中にある“その人らしさ”を、ちゃんと形にしたい」そんな想いから、職員と利用者とが力を合わせて、半年以上の試行錯誤を重ねました。

糸の張り具合、縫い目のリズム、革との相性。すべてを一つひとつ確かめる。そして、織り手、縫い手、仕上げ、検品それぞれの手がバトンを渡し合い、一つの作品を作り上げることに成功したのです。

「GEZELLIGカメラストラップ」製作のプロセスは、「支援される側」と「支援する側」が共に学び、共に生み出していく──そんな“共同創造”の物語そのものでした。


工房すぴかがつくるやさしい循環

「GEZELLIGカメラストラップ」は、写真と映像に特化した公立美術館「東京都写真美術館」のショップでお取り扱いをいただいています。

そこでは、どんな人が作っているかに関係なく、「これ、いいな」「素敵だな」という共感で、多くの外国の方が私たちの作品を手に取ってくださいます。

誰かの想いや心がこもった“モノ”を手にした人が、日々の暮らしの中でぬくもりを感じる。作り手にとっては、それが何よりの励ましになる。そして、障害を抱えるメンバーと一緒に働く職員も、彼らのまっすぐな姿勢や集中力に日々励まされる。

工房すぴかは、そんなふうに、働く人・買う人・支える人が互いに共感でつながるやさしい循環を生み出す存在でありたいと願っています。

クラウドファンディングに挑戦する理由
<なぜ、いま支援が必要なのか?>

いまの時代は、福祉事業所であっても、“商売”として成り立たせなければ、就労支援そのものを続けていくことが難しくなっています。さらに、私たちの作品は、食品のように毎日買うものではありません。そのため、どれだけ工房併設のショップやイベントで販売を重ねても、地域経済の中だけでは、十分な売上を確保することが難しいのが現状です。

でも、私たちは、工房すぴかで生み出す一つひとつの作品に自信があります。世界に一つだけのオリジナリティや、人の手で丁寧に作り上げる品質。何よりも、手にとる人の心に、あたたかさを届けられるモノ。私たちには、そんな作品を“つくる力”があります。

だからこそ、“伝える力”を磨き、遠くにいるまだ見ぬ誰かにも、作品の魅力を知っていただきたいのです。皆さまには、それを実現するための取組に、お力添えをいただきたいと思っています。


<寄付を何に使うのか?>

現代は、どれほど距離があっても情報を届けられる時代です。そこで、動画・写真・記事といったWEBコンテンツをより充実させ、私たちの活動や作品のことを、これまで以上に丁寧にお伝えしていきたいと考えています。

製作にあたっては、フォトグラファーやデザイナーなど、各分野のプロフェッショナルと手を携えます。目指すのは、実物を手にとらずとも、その風合いや息づかいを感じ取っていただけるような、あたたかな表現です。

また、これまでSNSの更新は、職員が本来業務の合間を縫って続けてきましたが、作品が持つ繊細な魅力を十分に伝えきれず、もどかしさを感じる場面もありました。だからこそ、コンテンツの製作にあたっては、プロの方に一任するのではなく、職員も一丸となったチームを結成し、技術やノウハウを学んでいきます。

皆さまからお寄せいただくご支援は、専門家への委託費や謝金として大切に活用します。工房すぴかが全国、そして世界に羽ばたくための挑戦を応援してもらえたら嬉しいです。


リターンについて

私たちを支えてくださる皆さまへの感謝の気持ちを込めて、リターンには、丁寧に折り上げた布を使った商品の数々を揃えました。もちろん、どれも世界に一つだけの品です。

なかでも「オリジナルウォームグッズ開発」は、このプロジェクト限定の特別なリターン。あなたのオーダーを伺い、あなただけのために織り上げた布で、マフラーやストールを仕立てます

そして、今回のプロジェクトのためにサーモマグなどのオリジナルグッズも作りました。私たちの作品が、あなたの日常に彩りを添える存在になれたら嬉しいです。



スケジュール

■2025年12月3日 クラウドファンディングスタート
■2026年1月27日 クラウドファンディング終了
■2026年2月下旬 リターン品発送開始

└順次、皆さまのお手元にお届けします。楽しみにお待ちください。


宮城・仙台から“ヘゼリヒモデル”を

このプロジェクトは、単に私たちの工房を維持するためのものではありません。この挑戦を通じて、私たちの作品をたくさんの人に届けることができたなら、それは“ヘゼリヒモデル”として、同じように就労支援のモノづくりに取り組む仲間たちの希望になると信じています。

そして、私たちは、そんな仲間たちとともに、互いの資源と知恵を持ち寄り、支え合う共同体をつくりたいと考えています。

原材料の共同調達や物流の効率化、品質管理や商品開発の共有、販路の拡大、ブランド戦略、イベントや地域活動の連携。かつて業種ごとに協同組合ができたように、一つの工房では到底叶えられないことも、全国に点在する仲間たちと手を結べば、きっと新しい道がひらけるはずです。


糸で布を織るように、すべてをつなぐ

私たちには、もうひとつの夢があります。それは、特別支援学校の生徒たちや、モノづくりに関わる企業の方々、地域の人々が出会い、共に学び、支え合いながら、新しい“働くかたち”を築くことです。

たとえば、縫製を学ぶ若い人が、この工房で社会生活のリズムを身につけ、やがて地域の縫製工場へと羽ばたいていく──。その先に、障害の有無を越えて支え合う、地域ぐるみの循環を描いていきたいのです。

福祉のモノづくりが「小さな経済圏」として地域社会と共に息づく未来のために。私たちの挑戦が、「福祉」と「経済」の新しい関係を結びなおすための礎になることを願っています。


▼代表からのメッセージ

私たちのプロジェクトに興味を持っていただき、ありがとうございます。NPO法人 へゼリヒプライン代表の竹樋 秀康(たけひ ひでやす)です。

僕は、18年間にわたって製造業に携わり、開発と現場をつなぐ調整役を担ってきました。そこでは、チームで同じ目標を目指し、衝突を恐れずに意見を交わしながら、信頼を築いていく──そんな「働くことの喜び」を体で知りました。

好き嫌いで集まったのではなく、集った人達同士で与えられた環境の中で力を合わせて成果を生み出した。その経験が、僕の心の軸になっています。そして今、就労支援というフィールドで、その体験を他の職員や利用者にも味わってほしいと願っています。

仕事は「仕方なくやるもの」ではなく、人生を彩り、誰かと信頼を築く最高の機会になり得る。障害の有無に関係なく、自分の仕事を“自分の物語”として受け止められたとき、働くことは誰にとっても希望になります。その希望を、職員と利用者が共に紡ぐ「共同創造」として形にしていく。

僕は、それこそが本当の就労支援だと思っています。

障害を抱えるメンバーと一緒に働く中で、働くことは誰かを支えることであり、同時に自分も支えられる。そういうことを、日々実感しています。

“就労支援のモノづくり”を通して、人の働くかたちと社会のあり方を少しずつ変えていく。その第一歩を、あなたと共に踏み出したいと思います。この挑戦は、まだ始まったばかりです。 どうか、あなたの力を貸してください。

全ての人に“へゼリヒプライン”を

あなたがプロジェクトの輪に加わること。それは慈善ではなく、未来を一緒につくることです。

障害福祉の現場の課題は、健常者にとっても他人事ではありません。少しずつ、けれども、確かに弱ってきている社会の縮図だからこそ、その解決手段を編み出すことが、世の中を明るくすることにもつながるはずです。

今回のプロジェクトに対するあなたの支援が、一つの商品となり、一人の人生の物語と重なっていく。そして、それがまた次の誰かの励ましとなる。その小さな連鎖が、やがて大きな希望になります。

その先に、あるのが、私たちの目指す世界。どんな人も歓迎され、気軽に交われる。仲間と支え合い、認め合い、少しずつ自分自身のことも愛おしく思える。

そんな“へゼリヒプライン”と呼べる場所を、全ての人に。
もちろん、これを読んでいるあなたにも。


支援金の使い道

集まった支援金は以下に使用する予定です。

  • 設備費

  • 人件費

  • 広報/宣伝費

※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

支援に関するよくある質問

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