女教皇としたモデル。白く気高くある彼女には、多くの難点があった。白い美しい毛皮は、背景除去ソフトによって消されるトラブル。手作業で、彼女の周囲を丁寧にトリミング。背景と合わせればしっくりこない。叡智の象徴でもあり、勤勉の証、その中の柔らかさは変わらないのに、背景が無機質に見える。様々、策を弄したものの、抱かれた写真の彼女をどうデザインするかで、悩む。無機質のように見えるその神殿に、彼女を置いておきたくなかった。出来た姿に納得がいったのは、葛藤とトライアンドエラーを繰り返し、4日後だった。
ようやく形となってきた。この子たちは、上手く背景と適合し、私の糸を汲み取ってくれたかのようにパチリとはまってくれた子たち。姿を変えるわけでもなく、その在り方と背景をピタリと合わせてくれた。このことで、気持ちが軽くなったとともに、気難しい子たちと向き合う時間も出来た。
写真も大まかに決まり、次はタロットの表を探す旅に出た。 これもまた不得手なことだけにAIにお願いするしかなかった。 お願いしてもイメージのようにならず、なんとも苦悩し何度もAIにお願いし修正できる点で妥協することとなった。不慣れであり、らしくないながらも妥協はできず、自分の手で最後は仕上げることになった。ようやく、この枠に、これから彼らを迎え入れていくことができる。
どうしても入れることが出来ず、残念な思いをした子たち。 各々の子に思い入れがあるものの、今回は断腸の思いで見送った。 彼らには「22枚」という枠には入りきらない姿と、力がある。 だからこそ、彼らには今しばらく眠りについてもらおうと思う。いつか、別の形で再び向き合う日が来るまで。
多くの写真がある中で、どうしても今回入れたかった子がいました。同時に、入れられなかった子たちもいます。ガラケー時代の写真であっても、どうしても使いたかった子。近年の写真であっても、それでもこの子でなければならなかった瞬間。迷いながら、カードのデザインと向き合い、何度も手を止めては、選び直しました。苦しみながらも、この制作の中で、つかの間の時間を彼らに使うと決めたこと。その時間そのものが、カードになる前の、大切な工程でした。




