私は現在も病院に勤務する看護師です。このラウンジの立ち上げについては病院側に内容を説明し正式に許可を頂いた上で進めています。その上で、なぜ病院の仕事を続けながら新たにラウンジという場をつくろうとしているのか。今回はその経緯を少し違う角度からお伝えします。病院で働いていると、「治療が必要な人」と「治療の対象ではない人」がはっきり線引きされます。けれど実際にはそのどちらにも当てはまらない時間を過ごしている人がとても多いと感じてきました。疲れが抜けないまま仕事を続けている人。不調とまでは言えないけれど、ずっと張りつめている人。そうした状態は医療の枠では扱われにくいのが現実です。このラウンジは医療行為を行う場所ではありません。治療や指導、評価を目的とした場でもありません。日常の延長線上で少しだけ立ち止まれる場所として位置づけています。病院とは役割が違うからこそ重ならない形で存在できると考えました。病院での仕事を続けながら準備を進めているのは医療の現場を知っている立場として『やっていいこと』と『やってはいけないこと』の境界線を明確に意識しておきたかったからでもあります。現場を離れないからこそ距離感を間違えない場所をつくれる。そう考えています。そしてなにより誰かのためだけの場所ではありません。病院での仕事を続けながら責任や判断を積み重ねていく中でわたし自身にも立ち止まって呼吸を整える場所が必要だと感じるようになりました。役割を外し評価も求められず居心地よく過ごせる時間。この場所は他者のためだけでなく、わたし自身が仕事を続けていくために自分を整える大切な居場所にしたいと考えています。この取り組みは病院の仕事の代わりではなく役割の違う、もうひとつの選択肢です。どちらかを否定するものではなくそれぞれが独立した形で並んで存在する。その前提を大切にしながら一歩ずつ準備を進めています。




