2025/12/06 23:00

ヒロインの壇蜜さんと初めてお逢いした私は『愛の道草』の謎の美女はこの人しかいない!と思いました。彼女の言葉をひとつひとつ選んで話すその様が下町の喧騒に染み入るように響くのが目の前に見えた気がしました。
また、シナリオ準備稿を渡して彼女ほど明確に今回のヒロインに対する感想をこぼしてくれた女優は初めてでした。
『凪(なぎ)みたいな女ですよね。ヒロインの由香里は』
彼女は小唄をつぶやくようにわたしにそう言ったのです。
『さざ波でもなく、荒波でもなく、凪』
わたしは彼女のその言葉を胸に今決定稿シナリオを書いてます。
12月10日脱稿予定。ちゃんと昔ながらの紙でシナリオ印刷に入稿します。
尻ポケットに丸めて入れないと昭和の映画人は映画を撮れないのです。
脚本・監督 出馬康成



