【マジメな毎日に、ひとさじのパンクを】DIY作家が人生を懸けた小説の増刷を応援!

<40代おっさんの無様なチャレンジ>小説本文はもちろん表紙デザインや版下データまで自分でつくるDIY作家「児玉ロウ」。初のヒット作品『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』の増刷(第2刷)を応援

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【毎日更新】第24回『LOVE IS [NOT] DEAD.〜おやじパンクス、恋をする〜』


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 階段を俺が先頭、タカ、ボンという順番で上っていく。

 暗い階段だ。

 レストランのビルのそれよりは幾分幅があるが、それでも狭いし暗い。古い建物ってのはどうしてこう、圧迫感があるんだろうな。まるで坑道を進む炭鉱夫の気分だ。まあ、坑道なんて入ったことねえけど。

 二階に上がると、そこには踊り場があり、左右に廊下が伸びていた。部屋の扉が並んでいる。レストランからは見えない、建物の裏側だ。なるほどこういう造りなのか。

 ちょっと廊下に出てみると、そこからは長閑な田園風景が見渡せた。青々とした稲穂がカズの髭みてえにビッシリと地面を埋め尽くしている。ああ、そういや今日はカズがいなくてよかったかもな。あいつがいると余計に面倒なことになりそうだ。

 田んぼの向こう側には金八先生さながらの土手があって、こっからは見えねえがそのさらに向こうには川が流れてる。例の、ヘドロの溜まった用水路からの水が流れ込む汚ぇ川だったが、河川敷にある公園は遊具が充実してるってんでクラスの奴らもよく遊びに行ってた。まあ俺はぼっちだったから関係ねえんだけど、それを横目で羨ましく思ってた記憶は今だに残ってる。

 ああ、あの時、あの公園に彼女と行けていたら。

 俺にそんな勇気があれば、その後の人生はなんか違ってたのかもな。

「おいおい、まだビビってんのかよ」と、ぼんやり風景を眺める俺にタカが言う。うるせえ人の感傷を邪魔すんな。さてはこいつ、さっきのこと根に持ってやがるな。

「いや、なんか懐かしくてさ」俺は答える。

 本当に、懐かしい気分になってたんだ。穏やかな俺の言い方にタカはきょとんとした顔をする。その後ろで訳知り顔のボンがニヤニヤしている。

 二階、三階、と上って行くとさすがに緊張を感じてきた。

 センチメンタルな感情はしぼんだチンコみたいに小さくなって、代わりに、あの彼女とまた顔を合わせてしまうかもしれない、そして、顔を合わせることができるかもしれないという不安と期待。


〜第25回に続く〜


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本日はここまでです。

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それでは、また明日。

児玉ロウ

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