冬が終わる2日前
江ノ島の地に降り立つ。
一世一代のプロジェクトを
成功させるべく江島神社へ。
永遠のやうに長い階段を幾つも越え
江ノ島岩屋の奥まで行った。
復路には息が弾み
体力の衰えを痛感した。
しかし久方振りの外出に
心はいつにもなく清々しい。
時刻は15時。
出発点へと無事に帰って来れた。
私の手元には今、一年以上の歳月をかけ
大切に磨き続けた一曲が在る。
表現者としての全てを注いでもまだ
足りないと感じた初めての作品だ。
其れが今やっと輝きを帯び始めた。
長かった。
何度も何度も詩を書いては消し、
学び直し、物語の舞台へ足を運び
情景を想像し続けた。
間違いなく最高傑作だ。
願掛けの一つでもしたいくらいには。
今までのプロジェクトを遥かに超える
労力、人々の支援、金、時間を要する。
大きなプレッシャーやリスクを
越えていかなければいけない。
そして今手元にある宝石は、
まだ見ぬ景色を見せてくれる
力があると信じている。
今日に至るまで
孤独と共に数えきれない朝を迎えた。
それと同じ数だけ
自分の無力さも感じてきた。
芸術に出会い孤独ではあるが
1人じゃないことも知った。
無力さでさえも力に変えられる
可能性があることも知った。
私は挑戦をしたい。
大きな野望を
自分の夢のように愛してくれる
方々にも出会えた。
皆様の元に届くまで
時間の許す限り磨き続ける。
晴天の江ノ島の街は次第に
色めき初め
大きく優しい月が顔を出す。
海辺の街で感じた今日の出来事もまた
芸術の道を照らしてくれる大切な
一灯と成ることであろう。



