プロジェクトの実行者について

皆さま、はじめまして、私たちは、東京の下町・浅草橋で老舗食堂「一新亭」の四代目・秋山夏葉と山崎裕代です。創業120年、三世代にわたり家族で続けてきたこの食堂は、地域の皆さまに支えられながら、日々の暮らしにそっと寄り添う存在であり続けてきました。
「おなかが満たされるだけでなく、心も少し軽くなるような場所でありたい」——そんな想いで、昔ながらの温かい料理をお出ししています。今回の挑戦は、一新亭という場所と想いを未来へつなぐための、私たちにとって大きな決断です。
プロジェクト立ち上げの背景

一新亭は1906年の創業以来、120年にわたり浅草橋の町とともに歩んできました。
しかし、関東大震災も戦争も乗り越えてきた建物の老朽化は避けられず、安全面への不安が年々大きくなっていきました。
そのため私たちは、補修ではなく建て替えという苦渋の決断をし、2026年1月、120年続いた建物を解体しました。

この決断の背景には、「店を閉じる」のではなく、「次の世代へつなぐ」という強い想いがあります。

新しい一新亭は、これまで大切にしてきた味や空気感を受け継ぎながら、より安全で、誰もが安心して過ごせる空間を目指します。そして、食事の場としてだけでなく、地域の人々が自然と集い、つながれる〝町の日常が交差する場所〟として、さらに、〝暮らしに寄り添う食堂〟として、この先も浅草橋に根づいていきたいと考えています。

このプロジェクトは、単なる建て替えではありません。
120年続いてきた一新亭の物語を、次の100年へつなぐための挑戦です。
その歩みを、多くの方々と一緒に進めていけたらと願い、今回クラウドファンディングに挑戦することを決めました。
このプロジェクトで実現したいこと

このプロジェクトで私たちが実現したいのは、ただ建て替えることではありません。120年にわたり受け継がれてきた一新亭の味や空気感、人と人との距離の近さを大切にしながら、次の世代へ安心して引き継げる「新しい一新亭」をつくることです。
新店舗では、これまで通ってくださっていた地域の皆さまはもちろん、初めて訪れる方にも、ゆったりと心地よく過ごしていただける空間を目指します。安全性や機能性を高めつつ、長く愛される店であり続けるための設計とデザインにこだわります。

また、食事をするだけの場所ではなく、浅草橋の日常に自然と溶け込む「この町の居場所」として育てていきたいと考えています。ワークショップや小さなイベントが開けるスペースを設け、人が集い、会話が生まれ、世代を超えたつながりが育つ場にしていく予定です。
これまでの活動と準備状況

すでにお伝えしている通り、一新亭は建物の解体を終え、現在、新たな店舗を建てるための再生プロジェクトが動き出しています。
実は一新亭のお隣には、若い世代の建築家の方々が中心となって運営している建築事務所があります。ランチを食べに来てくださったことをきっかけに自然と交流が生まれ、建て替えについて相談するようになりました。
三代目から四代目へ、そして次の100年へとつないでいく一新亭にするためには、これからの時代を生きる人たちの感性や力を借りたい。そんな想いが次第に強くなり、一新亭の未来をこの建築事務所の皆さんに託すことを決めました。
浅草橋には今も「地産地消」の暮らしの文化が残っています。できる限り、地元で働く人たちと一緒につくりたい——その気持ちも、この選択の大きな理由です。
建物の2階以上は住居スペースとなり、こちらはこれまで父と母が少しずつ貯めてきた資金でまかなうことができました。しかし、1階の店舗部分については、どうしても自己資金や借入だけでは足りず、その不足分が今回のクラウドファンディングの目標金額となります。
建築工事はすでに進み始めており、今はまさに「待ったなし」の状況です。プロジェクトの成否にかかわらず、一新亭はリニューアルされますが、できることなら、多くの方にこの挑戦を知っていただき、賛同し、応援してもらえたら——それが私たちの正直な願いです。
父と姉妹からのメッセージ~「建物は一区切り、でも店の火は次の世代につなぎたい」
三代目・秋山武雄より「自分の代で終わりでもいいと思っていました」
小学校一年のとき、このあたりは東京大空襲で焼け野原になりましたが、一新亭は残りました。あのときから、「この店は運が強いな」と思っています。
父が49で亡くなり、24のときに突然店を継ぎました。
料理なんてほとんどやったこともなくてね。肉も切れないのに、見よう見まねでフライパンを振りはじめました。それから60年、女房と二人、必死で続けてきました。

正直、自分の代で終わりでいいと思っていました。
でもコロナ禍で娘たちが手伝いに来てくれて、「継ぎたい」と言ってくれたんです。
今年で88になりますが、90を過ぎても現役でいるつもりです。
一新亭は今年で120歳。建物はここで一区切りですが、店の火は次の世代につなぎたい。
商売は、お客さんがいなけりゃはじまりません。
これからも女房と娘たちと、誠心誠意やっていきますので、どうか懲りずに応援してください。これからも一緒に一新亭での食事や憩いを楽しんでもらえたらうれしいです。
四代目・秋山夏葉、山崎裕代からのメッセージ
一新亭は2026年1月、120年続いてきた建物が役目を終え、解体されました。
長年老朽化が進み、補強工事では追いつかない状態だったためです。東日本大震災の際も、あと少しで倒壊していたかもしれないと聞き、安全面を考えたうえでの苦渋の決断でした。
私たちはこの住居兼店舗である「一新亭」で生まれ育ちましたが、ふたりとも娘だったこともあり、「店を継ぐ」という選択肢は考えたことがありませんでした。
転機はコロナ禍でした。
子育てが落ち着き、年老いていく両親の力になれたらと、ときどき店を手伝うようになったのが始まりです。店に立つようになってから、来てくださるお客さまとの何気ない会話やお声がけ、そして浅草橋という町の心地よさに、改めて気づかされました。

「浅草橋紅白マロニエまつり」や地域メディア「浅草橋を歩く。」をはじめ、町を盛り上げようとするたくさんの人たちの存在を知り、一新亭もまた“地域の一部”として考えていくべきだと感じるようになったのです。
商売は、もちろん生きていくためのものです。
でもそれだけでは、人生は豊かにはなりません。
地域の仲間としてかかわり、顔の見える関係を大切にしながら、この町と一緒に生きていきたい。そう思うようになりました。
四代目として一新亭を継ごうと決めたのは、両親のことだけでなく、これまで支えてくださったお客さまとのつながりがあったからです。三代続いてきた一新亭の矜持と想いを受け継ぎながら、〝一新〟された一新亭を、私たちらしい形でつくっていきたいと思っています。
そして、このプロジェクトが、浅草橋を盛り上げるひとつのきっかけになれたら、これ以上うれしいことはありません。どうか温かく、応援していただけましたら幸いです。
三代目妻・秋山洋子からのメッセージ
「お母さんは出前をするために嫁いできたようなもんだよ」なんて、主人は笑って言いますけど、気がつけば、この店と、この町と、ずっと一緒に生きてきました。
苦労も、我慢も、正直たくさんありました。でも、お客さんの「おいしかったよ」の一言や、顔なじみの方との何気ない会話、地域の皆さんからの励ましが、私たち夫婦を支えてくれたんです。
商売は、お客さんあってのもの。この下町には、今でも家族で商売をしている人が多くて、お互いに助け合いながら生きています。そういう“顔が見える関係”こそが、いざというときに町を支える力になると、私は思っています。
娘たちがこの店を継いでくれることで、料理だけでなく、こうした町のつながりも、次の世代へ手渡してもらえたら——それが何よりの願いです。
老兵ですが、私もまだまだお手伝いしますよ。
アマチュアカメラマンとしての秋山武雄

一新亭三代目・秋山武雄は、料理人であると同時に、東東京を中心に浅草橋の街並みや人を、70年近く撮り続けてきたアマチュアカメラマンです。
仕込みを始める前の早朝、店を閉めたあとの時間にカメラを手にし、戦後の復興期の路地、働く人の姿、祭りや日常の一瞬を写してきました。
そこにあるのは、特別な演出ではなく、町の中で生きてきた人間だからこそ残せた“暮らしの記録”。
今回のクラウドファンディングは、リターンのひとつとして、一新亭とともに歩んできた浅草橋の時間を、皆さんにお裾分けいたします。

リターンについて

今回の返礼品は、一新亭と浅草橋の「時間の深さ」に応じて、いくつかのかたちをご用意しました。
気軽に物語に触れていただけるものから、この場所の未来に名を刻すもの、そして同じ時間をともに過ごす体験まで。それぞれの関わり方で、このプロジェクトに参加していただけます。
・ただただ支援 一新亭の挑戦を、純粋に応援していただくコースです。いただいたご支援は、新店舗の建築費用として大切に使わせていただきます。
・三代目が残した浅草橋の一枚|写真ポストカード+直筆の御礼
三代目・秋山武雄が撮り続けてきた浅草橋の写真の中から、ポストカードを一枚お届けします。
どの写真が届くかはお楽しみ。町の時間を切り取った一枚を、直筆のお礼とともにお送りします。
・三代目が残した浅草橋の三枚|写真ポストカード+直筆の御礼
三代目が残してきた写真の中から、三枚セットでお届けします。
一枚では見えない時間の流れや空気感を、連なりとして感じていただけるセットです。
・秋山武雄作品|B5プリント(サイン入り)
三代目・秋山武雄による作品写真を、B5サイズのプリント(直筆サイン入り)でお届けします。
浅草橋の路地、働く人々、都電の風景——町の中で生きてきた人間だからこそ残せた記録です。
一新亭とともにあった時間を、かたちとしてお手元に。
・秋山武雄作品|B5プリント3枚シリーズ(サイン入り)
三代目作品を三枚セットでお届けします。すべて直筆サイン入りです。
連作として並べることで、町の記憶や時間の重なりをより深く感じていただけます。
・建物銘板ネームプレート(外壁/内壁)
新しい一新亭の建物に、ご支援者様のお名前を刻みます。
この場所の再生を支えた証として、建物が続く限り残り続ける返礼品です。
一新亭の歴史の一部として、名前を残していただくかたちです。
・暖簾名入れ
新店舗の暖簾にお名前を入れさせていただきます。
店の“顔”とも言える暖簾に名を連ねることで、日々の営みの中に、あなたの存在が溶け込んでいきます。
・姉妹と反省会呑み
四代目姉妹とともに、浅草橋の酒場で時間を過ごすリターンです。
店のこと、町のこと、これからのことを語りながら、一新亭の“裏側”も含めて体験していただけます。
・三代目講演会参加
三代目・秋山武雄が、写真と町について語る講演会にご参加いただけます。
70年近く撮り続けてきた記録を通して、一新亭と浅草橋の時間の厚みに触れていただく機会です。
それぞれ、関わり方の深さに応じてお選びいただけます。どの形であっても、皆さまのご支援が一新亭の未来を支える大きな力になります。
この店と町の時間を、次の世代へつなぐために。どうかご支援をお願いいたします。
スケジュール

4月 間借り一新亭営業中
6月 クラウドファンディング終了
6月 新たな一新亭建築開始
11月 建物完成予定
11月 HPリリース
12月 新店舗オープン予定
2026年1月 リターン発送
最後に
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
一新亭は、特別なことをしてきた店ではありません。ただこの町で、目の前のお客さまに向き合い、誠実に料理をつくり続けてきただけです。それでも120年という時間を重ねることができたのは、支えてくださったお客さまや地域の皆さまがいてくれたからだと、心から思っています。

今回の建て替えは、私たちにとって大きな決断でした。長く親しんできた建物を解体し、新しい一新亭をつくることには、不安も迷いもありました。それでも、「この店を次の世代へつなぎたい」「この町の風景として残したい」という想いが、私たちの背中を押してくれました。
このプロジェクトは、私たち家族だけの挑戦ではありません。一新亭を大切に思ってくださる皆さま、浅草橋という町を好きな皆さまと一緒につくる、未来への一歩だと考えています。
もしこの想いに少しでも共感していただけたなら、一新亭の次の物語に、仲間として参加していただけたらうれしいです。
これからも、下町の小さな食堂として、誠心誠意やっていきます。
120年灯してきたこの火を、次の100年へ。
どうか温かいご支援と応援を、よろしくお願いいたします。




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