
私は、秋山武雄さんが読売新聞で執筆している連載の編集を手伝っていた縁で、一新亭の普段の様子を長年、見てきました。
一新亭にはいつも本当に色々な人がいました。
近所で働く若い男性が作業着のままカレーを食べていたり、何十年も通う常連さんが昔話に花を咲かせていたり。地元島根から東京へ出張に来ると必ず寄ると言うサラリーマン、SNSで店の評判を聞きつけた台湾からの若者が大勢で来たこともありました。
閉店後の店にはひっきりなしに人が訪れます。
秋山さんのカメラ仲間が雑談に立ち寄ることもあれば、「連載を読んだよ」と新聞片手に感想を言いに来てくれる近所の読者もいました。
決して広くない店内に常に誰かしら出入りし、心地よい話声が飛び交う。そしていつの間にか皆、顔見知りになって挨拶を交わすようになっているのです。
一新亭には人を惹きつける何かがあると思います。
年齢や立場、国籍を超えて色々な人々が行き交う、人間交差点のような場所です。
オムライスやカレーを求めて全国からグルメな人が訪れるのはもちろんですが、魅力はそれだけでないように思います。なんだか実家に帰ってきたような、いつでも優しく迎え入れてくれるような、そんな温かさがここにはある。だからこれだけ多くの人に愛され続けてきたのだと思うんです。
この一新亭を守り、引き続き人々の心の拠り所として在り続けてほしいと願っています。
どうぞ皆さまの温かいご支援をよろしくお願いいたします。
元読売新聞記者 古谷千尋



