シロップを作る前、私はBack to meを「缶ドリンク」として形にしようとしていました。
しかし缶の製造は初回ロットが大きく、必要な資金は約800万円でした。
そこで資金調達のため、投資会社や投資家の方々へプレゼンを行い、
約200社に連絡し、40社ほどと面談しました。

その中で、とある会社から
「山口県とゆかりのあるビジネスなら、投資検討に上がるかもしれない」
という話をいただきました。
Back to meと山口県…。
何があるだろう。ごぼう?フグ?
いろいろ考えた末、「みかんだ!」と思い立ちました。
そこから複数の農園様に連絡し、出会ったのがみずのわ農園様でした。
柳原様とは1時間ほどお話ししました。
みかんの知識がまったくない私に、温州みかんと甘夏の違いや、
農園で工夫されているポイントなどを丁寧に教えてくださいました。
温州みかんは冬が旬で、皮が薄く食べやすい。
一方で甘夏は春まで出回り、皮が厚く保存がきく。
同じ柑橘でも、季節ごとに役割があることを、そのとき初めて知りました。

正直、それまで私は「みかんは全部同じ」くらいに思っていました。
そんな自分にも分かるように話してくださったのが印象に残っています。
話の最後に、思い切ってお願いしました。
「余ったみかんがあれば、譲っていただけませんか?」
かなり失礼なお願いだったと思います。
でも柳原様は、少しも嫌な顔をせず、
「農業はビジネスだけじゃないので。いいですよ」
と、やわらかい声で応じてくださいました。
こんな素敵な方がいるんだと驚きました。
こうしてBack to meの開発過程で、みかんという素材にも向き合うことができました。
最終的な配合はライチ果汁とアップルビネガーを軸に設計していますが、
自然な酸味や素材の役割について深く考えるきっかけをいただきました。
投資の話はなくなりましたが、
柳原様と出会えたことは大切な思い出です。



