
「自分たちもこのプロジェクトに何らかの形で貢献したい」と、MOTTAINAIキャンペーン事務局にメールを送ってくださったギタヒ・クニュガさんと妻の山上遊さんとのインタビューを紹介します。オンラインミーティングの前のメールでクニュガさんは次のように記していました。
「ケニアと日本の協力はまさにマータイさんの遺志を継ぐことになりますし、両国の絆をより深めることにつながると信じています。ケニア人コミュニティへの周知や広報のアドバイスなど、僕にできることがあればいつでも言ってください。素晴らしいプロジェクトのために動いてくださって、本当にありがとうございます」
Q:このプロジェクトはどうやって知ったのですか?
クニュガさん:奥さんの遊さんが日本大使館のFacebookで流れていたのに気づいて、教えてもらいました。
Q:プロジェクトを知った時、どう思われましたか?
クニュガさん:マータイさんの家がこんなにボロボロになっているということが大きな驚きでした。できるだけ早く修復しなくてはいけないと感じました。
山上さん:ちょっと嫌な言い方になりますが、なんで日本人がサポートして、ケニア人がサポートしないんだろうっていうふうに思いました。「本来、このプロジェクトはケニア人がやるべきだよね」と、夫にちょっと愚痴ってしまいました。
Q:マータイさんの長女・ワンジラさんは、敷地全体を整備して、マータイさんのレガシーを引き継ぐサンクチュアリにしようという構想をお持ちです。ただ、その中心となる家が崩れる寸前に思えたので、修復を優先した方がいいのではないかと考えたのがプロジェクトのきっかけです。それで日本で呼びかけてみることにしました。クニュガさんから連絡をいただいた時は本当にありがたいと思いました。
クニュガさん:ワンジラさんが考えているサンクチュアリも素晴らしい構想だと思います。でもその実現にはある程度の時間がかかると思いますので、私もまずはできるだけ早く家を修復できるよう協力したいと思いました。
山上さん:ケニアでこのプロジェクトのことを多くの人に知ってもらい、支援の輪を広げたいと思います。
クニュガさんは1999年に留学生として来日し、北九州市の高専を出た後、東京工業大学から大学院に進み、修了後に就職した証券会社を退職するまで約10年間、日本で暮らしました。帰国後、大学の研究室で働いていた時に、住宅設備会社「LIXIL」の社員として、途上国向けトイレの研究開発のために赴任していた山上さんと知り合い、結婚しました。現在は、ケニア西部、ビクトリア湖近くのキスムという町でラム酒の製造にチャレンジしています。本題からは逸れますが、その話もお聞きしました。
Q:ラム酒の製造をしようと思った背景は?
クニュガさん:ケニアの田舎では若者が働ける場所があまりなくて、多くがナイロビに出て行ってしまったり、スラムに住んでいたりとかしているので、田舎で何か事業ができないかと考えた時にラム酒造りを思い立ちました。私がラム酒を好きだっていうのもあるんですが、原料となるサトウキビがケニアでは沢山採れますし、いろいろなことを考えたり、調べたり、奥さんと話し合ったりした結果、キスムでのラム酒造りにたどり着きました。法律上の問題とか、いろいろなバリアがありましたが、あともう少しで販売できそうです。
Q:将来の夢を聞かせてもらってもいいですか。
クニュガさん:・・・・・。
山上さん:彼はシャイで、あまり夢を語るのが好きじゃないんですよね。私にボソボソよく言っているのは、埋もれてしまっているケニアの酒文化を守りたいという話です。「ケニアに昔からあった伝統的なお酒がなくなるのは、もったいない」とよく言っています。
彼が大学で勉強したのは培養、生物化学なので、そこで培ったことも活かせるので、ラム酒造りが成功したら、そのお金で研究所を作りたいとか、いろんな話はしています。
Q:マータイさんはケニアではどんな存在ですか。
クニュガさん:一言で言うのは難しいですが、ナイロビにあるカルラフォレストやウフルパークを独裁政権による開発の手から守ったことも大きな功績だと思います。私たちもナイロビに住んでいる時は行きましたが、とてもいい憩いの場所です。
Q:MOTTAINAIキャンペーンのことはご存じでしたか。
クニュガさん:MOTTAINAIキャンペーンは私が日本にいる時に始まったので知っていました。今回のプロジェクトを知ったのをきっかけに改めて自分で調べて、具体的な活動内容も知りました。「MOTTAINAI」という言葉はケニアで今、必要なのかもしれません。経済的に成長し、人口も増えて、世界からいろんな物が入ってくるようになって、多くが中所得者層に移行する中で、使い捨てがどんどん増えてきています。昔は服や靴は直して使い続けるのが当たり前だったのが、最近は簡単に安いものが入ってくるようになったから、中古の服とか靴とかを直せる人がなかなか見つからなくなっています。「MOTTAINAIキャンペーン」をケニアでも広められたらと思っています。



