
絵本「にわとりになったドリーちゃん」ついに出版されました!
出版前から応援してくださった皆さま、改めまして本当にありがとうございました。
今回は、絵本のストーリー作成において、作者たけ えりが込めたかったメッセージや
裏話をご紹介したいと思います。
◆「擬人化はどうか」「アニマルウェルフェアのテーマはちょっと…」複数の出版社からのお断り
私が絵本を出版しよう!と決めたのは、2025年の2月か3月ごろ。パワーポイントに文字と、ラフすぎる絵を載せたものを複数の出版社に送りました。今思うと無謀でした。当然どこも採用してくれませんでした。
返信をくれない会社がほとんどでしたが、いくつかの出版社が不採用にもかかわらずフィードバックをくれました。
「動物を擬人化することで感情が先行してしまい、問題の本質が伝わりづらくなる可能性がある」
「アニマルウェルフェアはうちの会社が取り扱っているテーマとは違う」
「子供向けの絵本として出すのは難しい」などなど。
その後ストーリーを見直し、絵もちゃんと描いて
フィードバックをくださった会社に再送しましたが
やはり不採用。返信をくれなくなった会社もありました。
自費出版の会社だけはすごく良い!出版すべきだ!と絶賛してくれましたが
自費出版は費用が高額なので、もう諦めて、アマゾンKDPで出版しようかと思っていた矢先
出版社みらいパブリッシング(以下みらいパブリッシング)のことを知り、原稿と企画書を送ったところ
前向きなお返事をいただきました。
私のような、絵をきちんと描けるかどうかも分からない新人にもチャンスをくださり
本当に感謝しています。
◆「感謝して食べる」よりも「大切に扱う」がテーマなのでは?
みらいパブリッシングのご担当者が早速、私の原稿を読んで出版提案書を作成してくださいました。
先述したように、動物を擬人化することに否定的な意見をいただいたこともありましたが
その点については肯定いただきました。
人間が自ら苦難を経験することで、もっと動物に寄り添った考え方ができるようになる…と考えていたので、意見が一致して良かったです。
そして、私が当初提出したストーリーには「感謝して食べる」ことを伝える場面も一部含まれていました。
この絵本は「感謝して食べる」よりも、動物を「大切に扱う」ことがテーマだと思うので、物語がそこに向かうようにするべきとの助言をいただきました。
私がこの絵本を通じて伝えたいメッセージを汲み取り、的確なコメントをくださるのは流石プロ。客観的な意見をもらえないまま、自力で出版していたらきっと良い作品はできなかったし、私が伝えたいことも伝わらなかっただろうと思います。
◆プチ遠出で絵本に込めたい情報や想いを再考
私は何かをじっくり考えたい時、電車に揺られて遠出するのが好きです。
普段とは違う環境に身を置くことで頭が整い、良いアイデアが浮かんでくることもあります。
2026年3月某日、夫に1日子供を見てもらい、在来線である場所に向かいました。
そしてカフェでコーヒーを飲みながら、絵本を通して伝えたいメッセージは何か、それを伝えるために最低限どんな情報を盛り込み、どのようなあらすじにすべきかをじっくりと考えました。
以下、実際のメモです。
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☆多くの人が肉や卵、牛乳といった畜産物を消費している一方、それらを提供してくれる畜産動物がどのような一生を送っているのかを知らず、関心もない。(安さを重視する傾向)
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☆どうしてこうなったのか?(生産効率を重視した結果、畜産動物に過度の負担をかけている。一方で、大量廃棄されている。食品が無駄に捨てられるということは、本来失われる必要のなかった命が無駄になるということ)
小学生にはまだ難しいか。フードロスの部分は「感謝して食べる」につながりそうなので今回は見送り
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☆これまで、畜産物の生産背景を気にしてこなかったが、現実を知る。
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☆自分は食べて幸せでも、その裏で動物が苦しんでいたら悲しい
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☆人間も動物も同じように痛み苦しみを感じる。私達に卵や肉を与えてくれる動物が、せめて生きている間は少しでも快適に暮らせるよう、屠畜の際はなるべく苦痛のないよう配慮をするのが私たちの最低限の責任であり、彼らへ払うべき敬意である。
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☆スーパーに並んでいる畜産物の生産背景や、「どうしたら動物たちを生まれてから死ぬまでの間、大切にしてあげられるか」を考えるようになる。(どのような飼育方法であっても、常に「にわとりにとっての幸せは何か」を考えることが大切)
※この絵本は、卵の向こう側にいるにわとりたちに思いを馳せてもらうことが目的。
どうしたらアニマルウェルフェアを改善できるかは、読者に各自で考えてもらう。(教育現場や家庭での会話を増やせる/問題提起/学びの機会の創出/これまでにないアイデアが出てくるかも?)
感情的な表現は控えめにする。
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こうやって自分の伝えたいことを改めて整理したら、ストーリーの修正は早かったです。
そして後日、修正原稿を提出し、承認していただきました。
3月中は担当者と何度もウェブ会議をし「こういう表現にしたらもっと伝わるのでは?」「誤解を与えないのでは?」などと細かい部分まで協議しながらストーリー(文章)を完成させました。
◆イラストは全て塗りなおし
4月から娘が保育園に行き始めました。最初はならし保育期間で、私はまだ職場復帰前だったので、この1カ月で一気に線画を描き終えました。一番ハードな工程です。
5月より職場復帰を果たしましたが、娘は園の洗礼でしょっちゅう咳、鼻水、発熱。夜中は毎日のように目が覚めました。仕事と育児の両立に四苦八苦しながら、空いた時間でイラストに色を付けていきました。
実は最初に提出した原稿のイラストは、線画の黒い線はそのままで、バケツツールでベタ塗り(塗りつぶし)しただけの絵でした。素人感満載というか、「いかにもパソコンで描いた絵」感がありました。
折角の絵本だし、パソコンで描くもののもっと手描き感を出そう!と思い、線画を目立たせずチョークで塗っていくスタイルに変更しました。
既に完成していたイラストも全部塗りなおしました。
何とか〆切の7月末までに全て描き上げることができました。
◆自分の今の100%は出した
作品は時間をかければかけるほど良いものが出来上がると思います。
絵本に対して、ネガティブな意見もいただくかもしれません。
けれど、普段会社員として働きながら育児もしているため、時間は限られています。納期もあります。どこかで区切りはつけないといけません。
限られた時間の中で自分の100%は出したつもりですし、自分が込めたいメッセージも込めることができたので、悔いはありません。
絵本を出版しようと考えてから約1年半以上。無事に出版することができ安堵しています。
是非多くの方に読んでいただき、動物について考えてもらえたら嬉しいです。





