【大切なお届けものエピソード①】技術よりも大切にしたいこと。初めての特注依頼。皆さま、こんにちは!今日からは、私がこれまでに制作させていただいた「特注品」にまつわる、忘れられないエピソードをシリーズでお届けしようと思います。第1回:宮城県黒川郡、ある親子との出会いそれは、フリーマーケットでの出来事でした。私の作品を見て「うちの猫を作ってほしい」と声をかけてくださった男性。当時の私は羊毛フェルトの扱いにも慣れておらず、自分の作品を売るのが精一杯。「特注なんて、私にはまだ早い…」とお断りしようとしました。しかし、息子さんが話してくれた理由はとても切実なものでした。お母様が大切に可愛がってきた2匹の猫ちゃん。現在8年目、病気を抱え、日に日に元気がなくなっていく姿に、お母様もふさぎ込みがちになっていたそうです。「今の姿を、形に残して母を元気づけたいんです」それでも戸惑う私に、彼はこう言ってくださいました。「あなたの作品がいいんです。そっくりに作るのとは違って、どこかうちの子に似ている。だから、どうしてもあなたに頼みたい」この言葉が、今の私の原点になりました。必死に制作し、ドキドキしながらお渡しした数日後。「母がものすごく喜んでいました!ありがとうございます」というお返事をいただきました。その後、猫ちゃんたちはお母様の手の中で静かにお星さまになったと伺いました。精巧な技術も大切ですが、その子が持つ「温もり」を宿したい。そんな気持ちで、今もひとつひとつ大切にお届けしています。さて、明日はまた別のご依頼主様とのエピソードをお話ししますね。(明日の②へ続く……)




